「ただ、愛を選ぶこと」を観る ― 2025/06/18
ドキュメンタリー映画。
原題がノルウェー語で「Ukjent lanskap(未知の風景)」で、英題が「A New
Kind of Wilderness」。

ペイン家はイギリス人の父親のニックとノルウェー人の母親で写真家のマリア、母の連れ子の長女のロンニャ、夫妻の実子の三人の子ども、次女のフレイヤ、長男のファルク、次男のウルブの6人で、ノルウェーの森の中の農場に住んでいた。
ニックとマリアは競争社会や物質主義からの自由を求めて農場に移り住んだのだ。
自給自足に近い生活をし、子どもたちは学校に行かせず、ホームスクーリングで勉強させ、主にマリアの稼ぎで暮らしていた。
しかし、マリアがガンに罹り、闘病の末に亡くなってしまう。
彼女は家族のかけがいのない要だった。
母がいない生活に耐えきれないロンニャは実の父親と住むことにし、家を出て行った。
マリアは子どもたちが農場で暮らしていくことを望んでいたが、ニックは農場の仕事をしながら三人の子どもたちを育てていくことに限界を感じていた。
このままでは生活が立ち行かなくなると思ったニックは、農場を売って町の近くに住むか、イギリスに帰って実家の家族と住むか、どちらにしようかと悩む。
試しにイギリスに行くが、子どもたちはノルウェーに帰りたいと言う。
ニックは農場を売り、町に住み、仕事を探し、子どもたちを学校に行かせることにする。
フレイヤは頑なに学校に行くことを拒むが・・・。
フィクションのノルウェー映画だと思って見に行き、映画を見終わってからドキュメンタリー映画だということを知りました。
マリアさんの家族を撮った写真はとても素晴らしいものです。(ポスターの写真)
マリアさんは2019年にお亡くなりになっていますが、可愛い子どもたちを残して逝くことは辛かったでしょう。
のこされた子どもたちやニックはマリアを失った悲しみに打ちひしがれつつも、新しい環境に馴染み、なんとか暮らしていかなければなりません。
その三年間を描いたのが、この映画です。
自然と共に生き、町では体験できないような生活をすることは大人にはいいかもしれませんが、子どもにとってはどうなんでしょう。
他の子どもと触れ合うことも必要だと思います。
あれだけ学校に行くのを嫌がり、学校を「刑務所」とまで言っていたフレイヤが、家族とキャンプに行くよりも友だちに会いたいから毎日学校に行きたいというのがその答えだと思います。
子どもたちが撮影することに賛成したので、この映画が作られたそうです。
カメラが回っているのに、自然ですね。
幼いウルブ君がナイフや斧、包丁などを扱っているのが怖かったですが、彼にとっては普通のことなのですね。
やや不自然なやらせみたいなところも少しありましたがww。
ノルウェーの自然が美しくて、行ってみたいと思いました。
今年からスウェーデンまでの直行便が運航されたというのに、残念ながらノルウェーまでの直行便はありません。
ノルウェーって北欧の中で一番裕福な国らしいです。
愛する誰かを亡くした人が見ると、より胸に迫るものがあると思います。
母親のマリア・グロース・ヴァトネさんのブログが残されています。
「wild+free」をご覧下さい。
この中で「We govern our own lives, we strive for independence, we want
to be in this life wild and free and full of love.(私たちは自分たちの人生を自分たちでコントロールし、自立を目指し、この人生を野性的で自由で愛に満ちたものにしたいと思います)」とマリアさんは書いています。
映画「ただ、愛を選ぶこと」予告編
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