馳月基矢 『拙者、妹がおりまして 2&3』2025/06/19



『拙者、妹がおりまして 2』
文政四年(1821年)九月、江戸に若い女性ばかりを狙って盗みをし、殺す女盗賊お七が現れる。
目明かしの山蔵親分が追っていたが、なかなか捕まらない。
困った山蔵は白瀧勇実と矢島龍治に助けを借りに来る。
山蔵は千紘に囮になってくれというが、勇実たちは反対する。
しかし、千紘はやる気満々。
たまたまそこに亀岡菊香とその弟の貞次郎がやって来た。
父親から剣術指南を受けていたという菊香が千紘と二人で囮になり協力することになる。

九月も終わりの雨の日、雨宿りをしていた千紘と菊香にお仙という女が話しかけてくる。
この女がお七だった。
捕らえてみると、盗みの罪は認めるが殺しの罪は認めなかった。

12月になり殺しをするお七が現れる。
お七は、盗みをするお七と盗みと殺しをするお七の二人いたのだ。
千紘はまた囮になると言うが、反対する龍治は千紘をコテンパンに負かし、自分が女の振りをして囮になるという。
果たしてお七を捕らえることができるのか・・・。

『拙者、妹がおりまして 3』
初日の出を見に行った千紘と龍治だったが、近所の剣術道場の連中に捕まり、龍治の告白は取り止めになる。

正月早々勇実たちは北町奉行所の定町廻り同心の岡本達之進から昨年捕らえたお七が牢を出たことを知らされる。

二月のある夜、お七が千紘に復讐しに来る。
勇実と龍治が気づき駆けつけるが、逃げられてしまう。

三月に入り、立ち合い稽古の後に行った勇実たち馴染みの湯屋で、勇実たちは板の間稼ぎに遭う。(「板の間稼ぎ」=「湯屋で着物を盗んでいく泥棒」)
盗むのは男の褌ばかりだという。
同心の岡本が調べることになるが、意外な犯人で・・・。

親友の龍治の千紘への思いを知った勇実は二人を見守ることにしましたが、いつ千紘が龍治の思いに気づくのでしょうね。
千紘もいらぬおせっかいをしている暇があったら自分のことを考えた方がいいんじゃないと言いたくなります。
兄の勇実は菊香が気になる存在になったようです。
菊香は過去のことがあるので、気をつけて接しなければならない人ですし、勇実も恋愛には奥手なので、どうなるのか心配です。

このシリーズは<龍治と千紘>&<勇実と菊香>の恋愛模様と勇実の将来決定が中心で付け足しのように捕り物があるというお話です。
時代小説初心者の方にぴったりだと思います。

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