エル・コシマノ 『サスペンス作家が人をうまくころすには』2022/10/08



フィンレイ・ドノヴァンことフィンは売れないロマンティック・サスペンス作家で、二人の子どもがいるシングルマザー。
元夫のスティーヴンは不動産エージェントと浮気をしていたので、離婚した。
週末に子どもたちはスティーヴンの家に泊まりに行く。
スティーヴンは子どもの親権をフィンから取り上げようとしている。
そのため養育費は未だ支払われておらず、経済的に苦しい毎日。
二人のこどもの面倒をみながらの執筆は全然進んでいないのが現実。
貯まる請求書…。

ある日、フィンは著作権エージェントのシルヴィアとレストランで打ち合わせをしていた。
もちろんサスペンスを書いているんだから、小説の内容に関する物騒なことを話していた。
隣のテーブルに座っている女性がどうも話を聞いていたらしい。
シルヴィアが使った食器を片付けて席に戻ると、女性はいなくなっており、皿の下に紙切れがはさまっていた。
紙には五万ドルという金額と男の名前、住所、電話番号などが書かれていた。
何でこんなへんてこなメモを置いていったのだろうと不思議に思うフィン。
ほっとけばいいのに、フィンは好奇心に負けて、書かれていた電話番号に電話をしてみる。
すると電話に出た女性はフィンに、夫は善人ではない、五万ドルの現金をやるから夫にいなくなってもらいたい、夫は今夜<ザ・ラッシュ>のネットワーク・イベントに行く予定だと告げ、フィンの話も聞かずに電話を切ってしまう。
なんとフィンは殺し屋だと思われていたのだ。

「好奇心は猫をも殺す」とは良く言ったもので、止めればいいのに、フィンは紙に書いてあるハンス・ミックラーとはどういう男なのか見てみようと、警察官の姉に子どもをあずけ、変装して<ザ・ラッシュ>に行く。
フィンはハンスが女性にしようとしていたことを見てしまい…。

ボタンの掛け違いのようなフィンと依頼人の会話は笑えます。
次々と思ってもいない、とんでもないことが起っていくのですが、ベビーシッターのヴェロ・ルイスが協力してくれて、よかったわね。
ひょっとして彼女がいない方がよかったかな?
ヴェロがちょっと不思議な人です。一体どういうバックグラウンドがあるんでしょうね。これから徐々に明かされていくのでしょう。
そうそう、フィンの恋の行方はどうなるのでしょうね。羨ましいことに、恋人候補が二人もいます。

主人公の悪運(?)の強さに笑えるコージー・ミステリーです。
フィンレイ・ドノヴァン・シリーズは三作目まで出版されているようです。
次はどういう事件にフィンが巻き込まれるのか、楽しみです。

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