紀 蔚然 『台北プライベートアイ』 ― 2022/05/20
初めて読む台湾のミステリーです。
図書館に予約しておいたら、今頃になってしまいました。

呉誠は劇作家で大学教授という身分を捨て、私立探偵になる。
五十歳を前に妻は彼を捨てて、家族のいるカナダに行ってしまった。
酔って仲間に罵詈雑言を浴びせ、翌日には自己嫌悪に陥り謝罪をしまくり、演劇界とは縁を切った。
母からは歎かれ、友人からは引き留められ、口々に勝手なことを言われた。
マンションを売り、うらぶれた臥龍街に引越し、私立探偵の看板を掲げて、名刺を印刷すれば、探偵のできあがりだ。
初めての依頼人がやって来た。
ある日を境に娘が父親を軽蔑した目で見るようになり、口をきかなくなった。その理由を探ってくれというのだ。
たまたま父親を付けている時に乗ったタクシーの運転手の王添来に助けられ、なんとか最初の仕事は解決できた。
その頃、近くで起きていた三件の連続殺人事件に興味を持った呉誠は、知り合いの警察官に話を聞く。
三名の被害者は全員が年齢の高い六張犁の住民というだけで、他には何も共通点がない。
しばらくして呉誠は警察署に呼び出され、任意で事情聴取を受ける。
監視カメラの映像からコピーした写真に、呉誠と殺された二人が公園内に座っている姿が写っていた。
それだけではない。三人目の被害者のヘルパーで、犯人に殴られ、意識を失っていた女性が目覚め、呉誠に殴られたと言ったのだ。
連続殺人事件の犯人ではないかと疑われた呉誠は、自ら犯人捜しをする羽目になってしまう。
一度しか行ったことのない台北ですが、読んでいて懐かしくなりました。
とにかく初めの方に呉誠の自分語りが延々と続き、面白いところもあるのですが、読むのがだんだんと面倒になり、本を閉じようかと思うほどでした。
主人公でメンタルをやられている人は総じて饒舌ですねぇ。
著者は演劇人なのねぇ~。納得。
そこで本を閉じずに我慢して読み進むと、呉誠が連続殺人事件の容疑者となった辺りから俄然面白くなります。
頑張ろう、笑。
一冊目は呉誠の紹介みたいなものですから、二冊目はもっと読みやすいと思いますよ(推測)。
二冊目の翻訳が待たれます。
そうそう、書かれているように、アジアで連続殺人事件が一番多いのが日本って本当かしら?
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