アンソニー・ホロヴィッツ 『殺しへのライン』2022/09/21

<ホーソーン&ホロヴィッツ>シリーズ第三弾。


わたしことアンソニー・ホロヴィッツが書いた探偵ダニエル・ホーソーン物の第二弾『メインテーマは殺人』の販売戦略の打ち合わせが行われ、ホーソーンも呼ばれた。
そこで新しくチャンネル諸島のオルダニー島で行われる文芸フェスにホーソーン共々参加することになる。

打ち合わせの六週間後、わたしとホーソーンはオルダニー島へ向かった。
フェスに参加する作家たちは不健康な料理が売りのシェフ、目の見えない霊能者、戦争史家、児童文学作家、フランスの朗読詩人、そしてホーソーンとわたし。
みんな一癖も二癖もありそうで、親しくなれない感じ。
ホーソーンは上機嫌で、わたしは彼が何か企んでいるにちがいないと思うぐらいだった。

オルダニー島は第二次世界大戦中、ナチスに占領されていた。
犯罪発生率は低く、これまで一件の殺人も起きていない。
現在はNAB計画、すなわちノルマンディ=オルダニー=ブリテン送電線計画で揉めているという。

フェスの一日目は戦争史家の講演と懇談会、二日目はフランス朗読詩人と霊能者、わたしとホーソーンのトークショー、夜にはフェスの後援者でオンライン・カジノのCEOチャールズ・ル・メジュラーの家≪眺望邸≫でパーティが行われた。
そして三日目の朝、わたしはホーソーンに起こされる。殺人が起ったというのだ。
殺されたのはル・メジュラー。

ガーンジー代官管轄区警察からトロード本部長補佐とジェーン・ウィットロック特別巡査がやって来る。
ホーソーンは顧問として警察とは別に捜査していくことになる。

やがて次の殺人が…。

可哀想なことに、ホロヴィッツはホーソーンになかなか信用されません。
ホームズとワトソンやポアロとヘイスティングズなら、二人の結びつきは強いのに、このシリーズではホーソーンはホロヴィッツをほぼ無視し、いつも彼は蚊帳の外に置かれています。
トークショーでは自分を語ったというのに、ホロヴィッツには絶対に教えないのは何故かしら。ホーソーンはコミュ障か。
シリーズが進むうちに、ホーソーンの過去が徐々に暴かれていき、二人は少しは親しくなるのかな?

今回はとっても読みやすかったのに、伏線に気づかずスルーしてしまったようです。
ホロヴィッツの気持ちに寄り添ってしまい、目をつけるところを間違えてしまったのよね。
私は探偵にはなれないわぁ、笑。