アルボムッレ・スマナサーラ 『怒らないこと―役立つ初期仏教法話Ⅰ』2009/11/26



たまたま書店で目についたのが、この本です。前に、『現代人のための瞑想法』を読んでいます。その時、なんて簡単に書かれた仏教書だろうと思いました。それ以来、瞑想をやっていればいいのですが、煩悩の多い私ですから、日常生活に流されてしまい瞑想なんてしてません。
「瞑想」より「怒り」ついて書かれたこの本は役立ちます。

人間というのは、いつでも「私は正しい。相手は間違っている」と思っています。それで怒るのです。
 
私も、他人も、誰も完全ではありません。「完璧にうまくいく」ということは、あり得ないのです。

怒りの原因となる妄想概念をつくりだすものはなんでしょうか?
それは「我=エゴ」です。エゴがなければ、怒りはそもそも成り立ちません。

「怒りというものは、まず自分自身を壊してしまう」

「怒る人は、負け犬以外の何者でもない」
 
怒りが生まれたら、「あっ、怒りだ。怒りだ。これは怒りの感情だ」とすぐ自分を観てください。(中略)
心を観ることで怒りはすぐに消えます。

これら以外にも、そうそうと思える言葉がいっぱいあります。
他人の些細な言葉に一喜一憂したり、怒りをたたきつけられ困惑していた今までの自分の生き方がバカみたいに思えてきます。
「瞑想」は役に立たなかったと書いたのですが、「心を観る」ということは、瞑想にも通じるように思います。自分の感情をそのまま撒き散らかすのではなく、心を観て一拍置くことが穏やかな心をもたらすのではないでしょうか。