「食べて、祈って、恋をして」を観る2010/09/01

 

ジュリア・ロバーツが主演をしている映画が上映されているようです。
彼女、やっと日本にやってきましたね。
まだ映画は見ていませんが、DVDになってから見ますわ。
 
本の内容は、もろアメリカ女と私は思うのですが、どうでしょう。
イギリス女は『ブリジット・ジョーンズの日記』。アメリカ女と言えば、これでしょう。
この本を書いたエリザベス・ギルバートは自分のことを、赤裸々に書いています。それがちっとも嫌らしくないのです。

エリザベスは14、5歳の時から途切れるときなくボーイフレンドがいました。
二十代で結婚をし、幸せな生活を送っていたはずですが、三十一歳のある日、「これ以上、結婚生活をつづけたくない」という自分の心の声を聞いて、バスルームで泣き明かします。

やっと夫と別居をしたと思ったら、次の男、デーヴィッドと暮らし始めます。
忙しいですねぇ。
デーヴィッドとは、何度も別れて何度もよりを戻すという腐れ縁。
ひとりで暮らすうちに、これでは駄目だと思い始め、男断ちをして自分探しの旅に出かけることにします。

それでやったことが、イタリア語会話を習いたいとずーと思っていたから、まず「①イタリアに行く」。
デーヴィッドのアパートメントを初めて訪れた時に、ドレッサーの上に飾られていた写真の美しい女性に惹かれます。
彼女がインドのグルだと知り、彼女のアシュラムに行きたいと思いました。
それで、次に「②インドの彼女のアシュラムへ行く」。
最後は、雑誌の取材旅行で訪れたインドネシアでバリ人の治療師に会い、彼にバリに来て自分と四ヶ月暮らす運命だと言われたのを実現するために、「③インドネシアを再訪する」。
それぞれの土地に四ヶ月、合わせて一年です。

彼女が雑誌などに文を書く人だったから、こんな風に自由に時間が使えたのでしょうね。
日本の普通の勤め人だったら、仕事を辞めて一年も海外に暮らせるかどうか相当悩みますよね。
それにイタリア、インド、インドネシアという、何の共通点もない国に行こうと思う人は滅多にいないでしょう。
エリザベスの人間性もあるのでしょうが、それぞれの土地でいい出会いがあり、彼女はどこに行っても楽しく過ごしています。
このヴァイタリティが流石アメリカ女。(特に意味はありませんが)
最後は、とってもいいおまけまで手にいれちゃって、いいですねぇ。

ふとした疑問。自分探しに遠くにいく必要があるのかしら?
私も思い切って一年ぐらい海外で暮らしてみようかしら。
行くなら、イタリアはまだ行っていないからいいのですが、インドはパスします。一度行って10キロぐらいも痩せ、みんなに病気でももらってきたのと言われましたから、今は行きたくないわ。
バリ島は知り合いがいいホテルを紹介してくれると言っているので、一度は行ってもいいけれど、住みたくはないわね。
私が選ぶならイタリア、イギリス、そしてフランスかしら。
ちょっとおもしろくないですねぇ。あ、フランスではなくて、スウェーデンがよさそう。
これでもバラエティがないですね。

まあ、この年になって運命の人がどうのこうのと言えませんから。
ちょっとスピリチュアルなことに興味のある人が読むと、おもしろいと思います。インドのアシュラムの生活なんか、よさそうです。
私は映画を観てから、バリ島の治療師に会って手相を見てもらいたいと、まじに思っています。

重松 清 『ブランケット・キャッツ』2010/09/02

ゴーヤチャンプルをしようと、スーパーからゴーヤを買い、切ってびっくり。中の種が真っ赤じゃないですか!!
ちょっとネチネチしていて、これは腐っているのかしら?でも、表は普通だし・・・。
中身が赤い種類なのかしら?
それで調べてみると、熟したゴーヤの種はくなるんですね。この種、甘いんですって。捨てないで食べてみればよかった。
不思議です。緑のゴーヤは熟しても苦いです。

 
久しぶりの重松です。
ブランケット・キャッツなんて、本当にいるのかと思って、ゴーヤのついでに調べてみました。そんなのいませんでした。この言葉は重松さんの造語ですか。
ようするにブランケット・キャッツはレンタル猫のことです。
本に出てくるお店では2泊3日しか猫をレンタルできません。レンタル猫になれるのは、頭のいい、人になつく猫じゃなければならないそうです。
そうそう、何故ブランケット・キャッツというのかというと、生まれた時から同じ1つのブランケットに寝ているからです。汚いからといって、洗ったり違ったブランケットを使うと、猫は落ち着きがなくなってしまうのです。
レンタルされて知らない家にいくのですから、寝床ぐらいは慣れたものじゃなければ、落ち着きませんよね。わかります。

レンタル猫は様々な人たちに借りられていきます。その人たちの悲喜こもごもを、相変わらずの重松節で書いています。
その中で一番印象的だったのが、父親が会社を首になり、家を手放さなければならなくなった家族の話です。
長女は家を出なければならないことが嫌で嫌でたまりませんでした。
父親は自分のせいでという負い目があるので、飼いたいと言っていたペットを最後の思い出として飼わせてあげようと思い、猫を借りてきます。
それが裏目に出て、長女はなおさら心を閉じてしまいます。そして、やったことは、猫の大切なブランケットを取り上げるということです。
彼女に母親は言います。

「猫は大切なものを失ったら、困ることしかできないけど、人間は違うの。大切なものがなくなっても、それを思い出にして、また新しい大切なものを見つけることができるし、勝手に見つけちゃうものなのよ。人間は」

何かペットを飼いたいと思っていますが、豆芝ってしっていますか?
柴犬の小さなものです。小さい柴犬同士を交配していってできた犬です。
相棒が日本犬を飼いたいというと、同僚が教えてくれたそうです。この犬ならマンション暮らしでも大丈夫かしら?
飼う前に、ちゃんと散歩をさせられるかどうか考えた方がよさそうですね。

有川浩 『フリーター、家を買う』2010/09/04

何か読む本はないかと、図書館をうろついていると、目に入った本です。司書さんが、「おもしろかったわよ」と一言言ったので、借りてみました。有川浩の本は『阪急電車』を読んだことがあります。
 

父、誠一:商社勤務。「経理の鬼」と言われている。家のことには無関心。
母、寿美子:重度のうつ病になる。
姉、亜矢子:名古屋の病院に嫁ぐ。誰も彼女の理論には勝てない。
俺、誠治:二流大卒。入社三ヶ月で退社。ブラブラとフリーターやってます。

会社に入り、初任者研修があまりにもバカバカしいので、三ヶ月で会社を辞めてしまった誠治は、アルバイト生活をしていました。
始めは何とか正社員として就職したいと思っていたのですが、それもままならず、親と一緒に住んでいるので、適当にお金を稼げばいいというアルバイトの気楽さを覚えてしまいます。コンビニのアルバイトも、文句を言われたから即、辞めてしまいます。

そんなある日、いつもは料理をしてくれる母親がカップ麺を食事に出すようになります。最初は気づかなかったのですが、三食目もカップ麺なので、文句を言いに行くと、名古屋に嫁いだはずの姉の亜矢子がいます。
亜矢子によると、母は今の家に引越ししてからずっと、父親が飲んで起こしてしまったことのため、近所からいじめを受けていたというのです。
幼かった誠治はまったく気づいていませんでした。
それまでの誠治はどこにでもいる、いい加減なフリーターでした。
姉の叱咤激励を受け、目覚める誠治です。
自分のことにしかお金を使おうとしない父親に見切りをつけ、自分が母のために家を買ってやろうと決心します。
まず100万円貯めよう。
日中は母の見張りと薬を飲ませるため家にいて、夜は父親が家にいるので、お金の貯まる土木工事現場でバイトをすることにします。
6ヶ月も土木現場での仕事が続き、現場の人たちとも仲良くなった頃、正社員にならないかとの話が持ち上がります。
小さな会社ですが、将来のための地盤作りが誠治に任されます。業務主任になり、父から簿記を習い、新入社員の募集までやっちゃいます。
いつしか親子関係までよくなっていきます。
  
いい加減フリーターの成長物語ですね。ちょっと出てくる人たちがいい人たち過ぎるのが難点です。世の中、こんなに上手くいくとは限りませんからね。
この小説、10月から火曜日9時、フジテレビで二宮和也主演でドラマになります。ちょっと原作と違うところもあるようですが、ドラマにはし易いでしょうね。

ジョン・ダニング 『愛書家の死』2010/09/05

蔵書家と蔵書狂の違いは何でしょう。
本の中にでてきますが、蔵書家は心から本が好きな人で、蔵書狂は本をため込むだけの人です。

「最悪の蔵書狂は精神に異常をきたしている。連中は読みもしないのに家のなかを本で埋めつくしちまうんだ。欲しい本を手に入れるためには、どこへなりとも出かけ、どんな手で使う。金がないときは・・・」
「盗む」
 
蔵書家の中には初版本などの価値のある本を集めたりしている人もいます。
私は本を読むのが好きなだけで、好きな作家の初版本など欲しいとも思いませんが、思う人がいるんですね。
古本ははっきり言って嫌いです。埃が苦手ですし、どんな人が触っているのかわからないのって、嫌なんです。
愛書家になれても、蔵書家にはなれませんわ。


このシリーズも5作目。他の本を読んだかどうか定かではありませんが、今回に限って言えば、好きな話です。

元警官で今は古書店主をしているクリフは、膨大な初版本コレクションを残したというガイガー氏の本の査定をしに、アイダホ州まで行くことになりました。
待ち合わせ場所で待っていると、一時間近くも遅れてガイガーの代理のウィリスがやってきました。
ウィリスの高圧的な態度に飽き飽きしたクリフは仕事を断ろうと思いますが、とりあえず、向こうが折れたので話だけは聞いて、本を見せてもらおうと屋敷まで行くことにします。

ガイガーは本のコレクションのほかに、競馬馬も飼育していました。本は亡くなった妻、キャンディスのもので、馬が彼の人生そのものだったのです。
キャンディスはリッチー鉄鋼社の社長の娘で13歳の時から本を集め始めました。父親はキャンディスをかわいがっており、際限なく彼女の望む物を買い与えました。キャンディスが本を丁重に扱うことを知ると、本を投資とみなし、本に金をつぎ込んだのです。蔵書の半分は娘のキャロンに、残り半分がガイガーのものになっていました。
ウィリスがクリフに、キャンディスの蔵書のいくつかが無くなっており、なにが欠けていて誰が持ち出したのか見つけて欲しいといいます。このことを突き詰めていくと、キャンディスが殺されたかどうかわかると言うのです。

ガイガーには三人の息子と一人の腹違いの娘がいました。息子はどれも人でなしで、馬を扱う仕事をしていましたが、家には寄り付きませんでした。娘は馬のための救援牧場をしていました。
娘のキャロルに会いにいった次の日、クリフは彼女から母、キャンディスの死の真相を調べるようにとの依頼を受けます。
クリフはウィリスからの依頼を断り、キャロルのために仕事をすることにします。

意外なことに、クリフは馬の扱いも上手いんです。ガイガーとキャンディスのことを調べるために、競馬場の厩舎で働くんですから。
弁護士の傍ら古書を一緒に経営している、恋人でもあるエリンとの仲は微妙になってきました。クリフはとうとう「警官にもどりたい」と言ってしまうのです。
エリンはいつクリフが死ぬかもしれないという恐怖と戦うことはしたくないのです。
本のことより競馬界の内幕がおもしろいです。
今までの本を読んでいなくても十分楽しめる内容です。お勧めの一冊です。
 

益田ミリ 『どうしても嫌いな人――すーちゃんの決心』2010/09/06

書名を見て、「そうなんだよー!」と思う人はたくさんいるんでしょうね。
私は嫌いというのではなくて、苦手という人がいます。嫌いということが、よくわからないのです。その人が遠くにいて私に関わらなければ、どんな人でも大丈夫なのです。嫌いという感情は、もっと強いものじゃないのかしらと思うのですが・・・?

いい人なので、どんな人とも合うんだと思っていたんですが、すーちゃんにもいたんですねぇ、嫌いな人が。(ネタバレあり)


カフェの店長になって2年目。せっかく上手くいっていたのに、オーナーの姪(?)らしい向井さんが正社員として働き始めてから、すーちゃんの心は波立っています。
 
「なにかひとつのことが嫌いなんじゃなくて
 いくつかの小さなイヤな部分が まるで たんすの裏のホコリみたいに
 少しずつ、少しずつたまっていき 大きなホコリになるんだ
 そして 掃除機で吸いこめないくらいに、その人のことが嫌いになる」
 
嫌いな人が他の人と仲良かったりすると、何故私は彼女のことが好きになれないのか、自分を攻めたりすることがありますよね。自分の方が変なのかしらとか思ったりして。嫌なことを言われたら、言い返せなかった自分を責めたりしますよね。
そんなことが続くと、心が「だんご結び」になってしまいます。
 
「いいじゃん 後のことなんて 先のことのほうが
 今のわたしには 大事なんじゃない?
 だってこんなことつづけていたら こんがらがって
 ほどけなくなっちゃう気がする
 嫌いな人のいいところを探したり、嫌いな人を好きになろうとがんばったり
 それができないと自分が悪いみたいに思えて また苦しくなる
 逃げ場がないなら その部屋にいてはダメなんだ
 そのさい脱走しかあるまい 」 

すーちゃんが出した答えは・・・。
正解はどこにもありません。自分で決めることですから。
救われるのはすーちゃんのお母さんの言葉です。いとこのサナエちゃんの結婚式のため上京した母親にすーちゃんにこういうのです。

「色々あったんだったら仕方なか
 それでよかが
 あんたも、もう36なんだから
 そろそろ自分のカンを使う年頃になってるが」
「あんたのためだったら お母さん、何回でも死んであげるが」

こんな風に娘を信じてくれる親がいると、勇気百倍ですね。
すーちゃんのこれからが楽しみです。

姜 尚中 『母―オモニ―』2010/09/08



姜さんの両親は韓国から日本に渡ってきた人たちです。
お母様はお父様と結婚するために16歳で日本にやってきます。彼らが新婚生活を過ごしたのは東京の巣鴨で、父は軍需工場で働いていました。
戦争が激化し、空襲を避けるために尾張に疎開します。
そこで長男春男が生まれますが、1歳にもならないかで亡くなってしまいます。
その後、弟の大成(テンソ)を頼り、熊本まで行くことになります。
大成は秀才と言われた人で、戦中は憲兵をやって羽振りがよかったのですが、戦後、憲兵をやっていたことが裏目にでて、妻子を置いて大陸へ帰っていきます。

一方、姜さんの両親は熊本に腰を落ち着け、始めは母が行商をしながらなんとか食いつないでいき、しばらくしてからは廃品回収業を始め、なんとか暮らしていけるようになります。
戦中から戦後にかけて、どんな人でも苦労をしたといいますが、在日であるということが、どれほどのものかは、私の想像のできないことです。

これは姜さんの亡くなった母にあてたラブレターでもあります。
豊かになった日本で、もはや忘れさられようとしていることを、母に対する思いと共に鮮やかに書き出してあります。

私達の今の豊かさが、どのような人たちの犠牲の上でなりたっているのかを知るという意味において、読んでおきたい本です。

石田衣良 『非正規レジスタンス 池袋ウエストゲートパークⅧ』2010/09/09

池袋の果物屋の息子で、店を手伝い、雑誌に雑文を書き、そして裏家業をしているマコトの活躍する話です。裏家業は、必殺仕事人みたいな(古い!知っている人いるかしら?)トラブルシューターで、全くお金を取らないでやっています。

今回はお母さんの秘密が少し明かされています。
マコトにはお父さんがいません。お父さんはマコトが生まれてすぐに事故で亡くなり、借金が残されました。お母さんはひとりで働かなくてはならなかったため、生まれたばかりのマコトを人に預け、一生懸命に働き、借金を返してお金を貯めたんだそうです。このことはマコトの記憶には全く残っていません。
マコトも苦労してんのね。

 
今回の仕事①は、まずお母さんから頼まれた、シングルマザーの件。
子どもを家に残し、コンサートに行った時、子供が窓から落ちてしまい、世間から非難されたシングルマザーが、悪い男に引っかかり、マコトがその男と別れさせ、立ち直らせるという話です。そう、この時にマコトの過去をお母さんが明かすんですね。

仕事②。池袋クリンナップスのリーダーでデベロッパー桂リライアンス社長の息子、桂和文が誘拐され、何故かマコトが誘拐犯との交渉人に指定されます。メールで誘拐犯と連絡を取り始めたのですが・・・。

仕事③。Gボーイズのキング、タカシの紹介。付き合っていた彼氏がSMプレイをしている写メを送ってきて、父親や友達にこの写真を送りつけられたくなかったら二百万よこせと言ってきて、困っている女のお手伝い。

仕事④。格差社会に漂う非正規ワンコールワーカーの話。
これは強烈でした。ネットカフェやファーストフード店で夜を明かす人がいるということは、テレビのドキュメンタリーで知っていました。でも、実態はもっと悲惨でした。この日本にそういう人たちがいるということが信じられません。
何かが間違っています。
今の民主党の党首選挙を見ていると・・・そんなことやってる暇があったら、どうにかしろよといいたくなります。

物語としては、せっかく日本社会の暗部を描いているのに、最後ろはめでたしめでたしになっているのは仕方ないのでしょうが、残念です。

横関 大『再会』2010/09/11

第56回江戸川乱歩賞受賞作品です。 
日本のミステリーはあまり読みません。どうしてか考えてみましたら、どうも身近過ぎて嫌になるようです。殺人も現実味があるものね。


夫の圭介と別れた万季子は「シーズン」という美容院を経営し、自らも美容師として働いていました。
いつものように店で働いていると、電話がかかってきて、息子がスーパーで万引きをしたのことを告げられます。
電話をかけてきたのは、スーパーの店長の佐久間秀之で、彼は小学校の同級生だった直人の義兄で、万季子にとって会いたくない人でした。

急いで秀之に会いに行き、息子を引きろうとすると、警察に引き渡されたくなければ30万を用意しろと言われます。 
万季子は元夫の圭介と話し合い、お金を渡すことにしますが、秀之はそれでは満足せず、万季子の肉体を求めてきます。

圭介と再度話し合い、100万円で手を打つように秀之を説得しようと、彼に会いに行くと、彼は何者かによって拳銃で撃たれ殺されていました。
圭介と真季子は息子の万引きで秀之に恐喝されていたことを内緒にしていようと思っていたのですが・・・。
 
圭介の殺害を扱うことになった刑事は万季子の元同級生の飛奈淳一と、切れ者という評判の神奈川県警の刑事の南良でした。
圭介と万季子、淳一、直人は小学校では仲のよい同級生で、彼らはみはる台小学校に通っていました。小学6年生の2月に、4人は校庭にタイムカプセルを埋めていました。
それから23年経って、殺人事件をきっかけに彼らは再会し、タイムカプセルを掘り返すことになります。
タイムカプセルの中には、4人しか知らないはずの物が入っていたのです。

23年前の事件と現代の事件がリンクしていきます。
誰がタイムカプセルを掘り返したのか?そして、誰が秀之を殺したのか?
4人の視点から書かれているので、誰が本当のことを言っているのか、推理しながら読み進むことになります。視点が変わっても、誰のかがわかりやすく書かれているので、違和感なく読めました。
ただし、後半にちょっと上手くこじつけているかなと感じるところもありましたが。
おもしろく読めるミステリーです。
 

マーガレット・デュマス 『何か文句あるかしら』2010/09/12

ミステリーでは主人公が普通じゃない方が好きです。
といっても、殺人事件と遭遇して、自分で事件に飛び込んでいくヒロインって普通じゃないですよね。
今度のヒロインは最高です。
とってもお金持ち過ぎるヒロインです。だって「小国の財政をまかなえる」とか「人生を数回生きてもつかいきれないほどの」なんてフレーズがでてくるんですから。


大金持ちのチャーリーはイギリスで出合ったジャックと結婚し、アメリカのロサンジェルスに戻ってきました。
チャーリーは特に仕事はしていなく(する必要がないわね)、サンフランシスコで非営利のレパートリー劇団を運営しています。イギリスでは一年間レパートリー劇団の研修生として働いていました。
結婚相手のジャックは自称海軍の気象学者。
チャーリーには叔父のハーリーがいて、両親が亡くなってからチャーリーの面倒を見てくれました。この叔父さん、とってもおもしろいキャラクターです。もちろん彼も大金持ちですよ。

叔父さんもいいんですが、チャーリーの友人もこれまた個性豊か。
まず、アイリーン。チャーリーのファイナンシャル・プランナーをしているバリバリのキャリアウーマンですが、息子が一人います。
恥ずかしがりやのブレンダは女性学を大学で教えている準教授。一番まっとうな人です。が、叔父のハーリーが・・・。
劇団員ではグチってばかりいる劇団<レップ>の芸術監督のサイモンと舞台監督のチップがチャーリーとよくつるんでいます。
この4人とチャーリーが集まれば、もうとんでもなく騒がしそうです。

「グレゴリー・ペック似」のジャックと「イザベラ・ロッセリーニに近い」チャーリーがサンフランシスコに到着し、ホテルにチャックインしてスイートに入って、まずお風呂とバスルームに行くと・・・なんと、そこには知らない女性が。その上、彼女は死んでる!
一体彼女は誰?

いつもチャーリーの交際相手の身元調査をしている叔父のハーリーに会いにいくと、不思議なことにハーリーはジャックには下手。ジャックはただの気象学者ではなさそう。
一体ジャックは何者?

自分の劇団<レップ>に行くと、チャーリーのいなかった昨年、劇団は予算超過。ファイナンシャル・プランナーのアイリーンには劇団にこれ以上投資はするなと言われるし。どうすればいいの。誰だか知らない匿名の資金援助者がいるというし・・・。
 
そんなこんなで色々と頭を悩ませている時に、ハーリーの娘で、麻薬に関して色々とある、これまた頭痛の種の従姉妹のシスが誘拐されてしまいます。
無謀で何にでも首を突っ込んでしまうチャーリーと友達4人+叔父さんが何をしでかすのか、目が離せません。
久々の楽しい仲間です。
私のように軽いミステリーが好きな人にお勧めです。 

「小さな村の小さなダンサー」を観る2010/09/13

便利な世の中で、インターネットで予約をすると、始まる前に行けばいいので、時間を有効に使えます。「フランダースの光」展も見たので、明日書きます。

の方は前に読んでいるので、どんな感じに演出してあるのか楽しみにしていました。
リー・ツンツンの幼少時代は最小限になっていました。それでも映像は雄弁に語ってくれます。
同じようにバレエ学校での生活もそれほど詳しくはありません。ちょっと物足りないですね。


本を読んだ時に印象的だったのが、毛沢東の妻、江青が北京舞踏学校にやってきて、バレエを見る場面です。映画でも使われていて、「ジゼル」を見た後に、「踊りはいいけれど、銃はどこ?」なんて言うんですから。
そんなことがあったので、銃を持って踊っているバレエが作られ、江青が喜んでいるのを見ると、当時のバレエの位置というものがよくわかります。


本とは違い、アメリカに研修生として行った後のリーが映画ではメインになっています。
リーは研修が終わった後に一度中国に帰り、もう一度行くのですが、映画では帰らず、そのまま亡命するようになっています。
亡命した後に両親のことが心配で、彼らが射殺される夢を見たりする彼の様子には、国を失ったものの苦悩を感じます。
その他に結婚した後の生活と別れ、親との再会が描かれ、もっと感動するかなと思っていたのですが、それほどではなかったです。演出や演技が淡白だったからかもしれません。

一番楽しみにしていたのが、バレエシーンです。
残念だったのが、「ドン・キホーテ」。変なところにスローモーションを入れてました。余計なことをせずに、そのままの方がすごさがわかったと思います。
結構気に入ったのが、江青に見せた銃を持って踊っていたバレエです。結構前衛的でおもしろかったです。
「白鳥の湖」はオーストラリア・バレエの実際の舞台だそうです。
10月に日本公演があり、見に行くので、どの場面が踊られていたのか、じっくり見ますわ。

全体的に映画としてはどうかというと、普通。原作を読んでいたので、深みに欠けるような気がします。
バレエ好きにはいいかも。