額賀澪 『拝啓、本が売れません』2018/05/13



この頃、本が売れないそうです。
作家で食べていけるのは、一握りの方だけだとか。
他の方々はバイトでもしながら本を書いているのでしょうか?

この本はある人がおもしろいと言っていたので、kindleで買ってみました。
表紙を見るまでは、経済学者が書いた本かと思っていましたが、表紙を見て、「アレ?何か違うぞ」と思いました。
そう、違ったのです。
デビュー三年目のゆとり世代の新人作家(本人曰く)の額賀さんが、敏腕編集者やスーパー書店員、Webコンサルタント、映像プロデューサーなどに会いにいって、売れる本について聞いくという内容でした。
最初、私は出てくる人が本人だと思わずに読んでいました(恥)。

まず、売れる本はキャラが立っているらしいですよ。
額賀さんの本を読んだことがないので、キャラが立っているのかどうかわかりませんが、どうなんでしょう。次に読んでみます。

とにかく売れる本を書くにはどうすればいいのか、まじめにガッツリお勉強する額賀さんでした。真面目です。

この本のおもしろいところは、最後にアドバイスに従って書いた小説を途中まで載せているところです。
額賀さんって青春ものを書く作家さんなんですね。
吹奏楽部のお話なのですが、結構おもしろそうです。
キャラ立ちしているかどうかは謎ですが。

本に興味のある方、必読ですぞ(笑)。

額賀澪 『屋上のウインドノーツ』2018/05/15

額賀さんの松本清張賞受賞作を読んでみました。


中高生には是非とも読んでいただきたい、作品です。
でも、何故松本清張賞なのか、疑問ですが・・・。

人づきあいが下手な給前志音は私立中学から県立高校へ進学し、相変わらずの生活を送っていました。
しかし、学校の屋上でドラムの練習をしていた時、たまたまやって来た吹奏楽部・部長の日向寺大志に見られ、吹奏楽部に入らないかと誘われます。
最初は断るのですが、大志の勢いに負け、入部してしまい、一緒に東日本大会を目指すことにします。

大志は中学校時代にも吹奏楽部に入っていたのですが、痛い体験をしていました。
そのため自分から東日本大会へ行きたいということを言わないようにしていました。
しかし、志音と出会って一緒に部活をすることにより、志音も大志も変わっていきます。

ハッピーエンドではないけれど、人生ってそんなもの。
やらないよりやった方がいい。
そういうと、結果がすべてという人もいるだろうけど。

青春ものっておばさんには眩し過ぎますが、たまに読むにはいいです。

今野敏 『棲月 隠蔽捜査7』2018/05/17



相変わらずの大森署長の竜崎伸也。
禊が終え、そろそろ・・・と心配な大森署のみなさん。

大森署の近くの私鉄に引き続き、銀行もシステムダウン。
竜崎はサイバーテロを念頭に置き捜査員を送りますが、相変わらず横やりが入ります。
同時期に管轄内で少年リンチ殺人事件が起こります。
同時に調べていくと、2つの事件に共通項が見つかります。

「原理原則はすべての物事の中心軸だ。人体で言えば背骨で、最も大切なものだ。それを無視したら、物事がまったく見えなくなる。
 問題に直面して右往左往している人は、原理原則を忘れているのだ。逆にそれをしっかりと押さえている人は、どんな問題にも対処できる」

竜崎にとって原理原則は、国家公務員なのだから、もっとも大切なのは、公務員としての役割で、国のために働くのだから、国民のために働くと言うこと。
この考えが彼の軸なので、彼は誰にも媚び諂わない。
最後まで淡々と原理原則に基づいて捜査を続けていきます。

今回は奥さんがいいです。
息子がポーランドに留学したいと言いだし、事件が解決するのがいつになるかわからないから話を聞く暇がないという竜崎に、「すみやかに解決しなさい」、伊丹と捜査一課長がいない間に「解決しちゃいなさい」なんて言えるんですから。
警官の妻は覚悟がいいですね。

ミステリ的に言うと、ワクワク感が足りなく、犯人もあっけなくわかってしまう作品です。
今回で終わりではなく舞台が変わっても、続いていくのでしょうかね。
どうせなら警視総監とか警察庁長官になった竜崎がどう働くのかを見てみたい気もします。

柴田よしき 『風味さんのカメラ日和』2018/05/18



風のベーコンサンド』を書いた柴田さんの本を読んでみました。
思い返してみると、柴田さんの作品は『激流』というのを読んでいました。
『激流』はこのようなふんわかした感じではなく、本格ミステリっぽかったような気がするんですが?

ワケありで故郷に戻って来た風味さんは、人数が集まらないからと幼馴染の頼まれ、一年間の初心者用カメラ講座に通うことになります。
講師はイケメンだけどちょっと頼りなさそうな沖縄出身の知念先生。
最初っから、バッテリーは大事という話を延々とされ、講座を取ったのは失敗だったかと思う風味さんでした。

受講者はそれぞれ一癖も二癖もありそうな方々。
撮った写真が全部ピンボケとか、自分の写真が寂しげで嫌いだったり、大きいものが撮りたいというハンコ屋さん、カメラマン志望の夢破れ、知念の写真集を見て講座に申し込んできた大学生など多彩です。
風味さんと知念先生が受講者のために奔走するというお話です。

カメラはおもしろそうですが、私は絞りがどうこうとか言われると面倒と思う人なので、カメラ講座には行けません。
オートにして綺麗な写真が撮れれば文句ありませんわ。

風味さんと知念先生コンビがどうなるのか、楽しみだったのに、なんか中途半端に終わってしまったようです。
講座も一年あるんですから、続きを書いて欲しいです。
日常に潜む謎を解く、コージーミステリを狙ったのでしょうか?
ちょっと残念な感じです。

ボストン・テラン 『その犬の歩むところ』2018/05/20



数奇な運命を辿ったギヴと名付けられた犬の話です。

飼い主のモーテルを経営している女性の元から、窃盗しながらミュージシャンをしている(ミュージシャンをしながら窃盗もしている?)二人組によって盗まれたギブ。
やっと落ち着ける場所が得られるかと思ったら、ハリケーン・カトリーナで運命が狂い、過酷な体験をするのですが、自分の才覚でそこを抜け出し、イラク戦争を経験した退役軍人に助けられ、彼に連れられ、元飼い主を捜しに行くことに・・・。

犬の立場から書かれている話ではないけれど、彼を巡る人々と彼の関わりが感動を呼びます。
上手く作られた話かもしれませんが、犬にはこういうこともあるのではと思わせられる何かがありますよね。
内容はいかにもアメリカ的ですが(笑)。

犬好きな人なら楽しめる本です。
もちろん、犬好きじゃなくても。



「ママさん、この頃、僕たちをかまってくれませんね。全然写真も撮ってくれないし・・・。この写真はこの前のトリミングの写真ですか。ひどいです。僕たちママの言うことを聞きませんよ」by 兄&弟。

「この本を読んでごらんなさい。そうすれば、自分たちがどれだけ恵まれていることがわかるでしょう」 by ママ。

「僕たちは文字が読めません(プンプン)」by 兄&弟。



くらもちふさこ 『いつもポケットにショパン』2018/05/21



1980年から1981年まで連載された古い漫画です。
思っていたのとちょっと内容が違っていました。

同じピアノ教室に通う麻子と季晋は仲良しでしたが、季晋が西ドイツに留学したため音信不通になってしまいます。
ところが高校で二人は再会します。
しかし、季晋は懐かしがる麻子に冷たく、距離を置くようになっていました。
季晋の気持ちがわからず、悩む麻子。
実は季晋と麻子の母親同士が昔ライバル関係であり、季晋の母はピアニストの道を諦め、麻子の母はピアニストとして活躍していました。
そのため季晋は麻子をライバルとして見るようになっていたのです。
すれ違う二人の気持ち・・・。

季晋が思っていたイメージとは大分違いました。
ほんわかとした、女の子の初恋物語を期待していたのですがね(笑)。
芸術的センスの全くない私には、ピアノを弾けるというだけでうらやましいです。
今から何か楽器を習いに行こうかしら。
フルートで挫折したトラウマが・・・。

柚月裕子 『凶犬の眼』2018/05/22



一作目の『孤狼の血』は男臭いハードボイルドだったと思うのですが、今回はあまり激しい戦いなどは書かれていなくて、ちょっと残念です。

所轄署から田舎の駐在所勤務になった日岡秀一。
田舎暮らしにも飽いてきつつある頃、馴染みの小料理屋で久しぶり酒を飲んでいると、聞きなれた声が聞こえてきました。
それは懇意にしているヤクザ。
彼から建設会社の社長だと紹介された男は、指名手配中の男でした。
上手くいけばまた刑事としての現場に戻れるかもしれないと思う日岡。
しかし、彼から時間が欲しいと言われ・・・。

警官がみんな日岡みたいだったら困りますねぇ。
男としてはヤクザもんにあこがれみたいなものがあるのでしょうが。
次作もありそうなので、ドンパチした大捕物を望みます(笑)。

今野敏 『ST 警視庁科学特捜班』2018/05/24



警視庁のキャリアである百合根友久は、多様化する現代犯罪に対応するため新設された警視庁科学捜査班、STの監督役を任されます。
STは一芸に秀でた優秀な人材がそろっていますが、組織からのはみ出し者ぞろいで、百合根には理解不可能な人たちばかりです。

では、STの5人を紹介しましょう。

①赤城左門:法医学担当。女性恐怖症だが男の色気を感じさせる。本人は一匹狼だと言っているが、何故か周りから頼りにされるSTのリーダー的存在。
②青山翔:文書鑑定担当。秩序恐怖症。物凄いイケメン。興味のないことには無関心で捜査にも消極的だが、一旦興味を持つとなかなか有意義なことを言い始める。
③黒崎勇治:第一化学担当。先端恐怖症。優れた臭覚を持っている。無口だが、武道・武術に秀でている。
④山吹才蔵:第二科学担当。僧侶なので、事件現場で経をあげる。STの中で一番良識人。
⑤結城翠:物理学担当。閉所恐怖症。絶対音感と人並み外れた聴覚の持ち主で、かなり離れた所の話まで聴き取ることができる。露出度の高い服をいつも着ている。

百合根+5人の面倒をみるのが捜査一課の菊川吾郎刑事。
そもそも捜査の根本からして知らないSTたちをサポートをします。
最初はSTを胡散臭い目で見ていますが、これからどう変わるのか。

STの初めての事件は、日本で働く中国人女性の殺人事件。
STたちが期待したほど活躍してません。
徐々にですかね。
シリーズになっているようなので、気が向いたら読み続けますわ(笑)。

西條奈加 『秋葉原先留交番ゆうれい付き』2018/05/25



イケメンだけど、おバカな警官・向谷は女にだけはもてて、下半身がゆるいため、また謹慎処分を受けました。
いつものように秋葉原にいる先輩警官・権田の駐在所にころがりこみましたが、今回、一緒に連れてきたのが、「足子さん」。
「足子さん」は美脚の「足だけの幽霊」です。
どうも彼女は誰かに殺されたようで、実は向谷は幽霊を見ることができるのです。
先輩警官の権田はオタクでメガネトドのような風貌ですが、あの東大を卒業したというだけあり、頭が切れる奴です。
彼はその頭を利用して、オタクの街・秋葉原にずっと居座ろうともくろんでいます。
この凸凹コンビが、「足子さん」の死の真相を探っていきます。

西條さんの本は歴史物ばかりかと思っていましたが、現代物も書くのですね。
なかなか楽しいコミカルな話です。
「足子さん」は最後まで成仏できないので、続篇があるのかな?

今野敏 『ST警視庁科学特捜班 毒物殺人』2018/05/27



ST・シリーズの2弾目を読んでみました。
登場人物は1作目で紹介したので、気になる人は1弾目を見てください。

今回は連続変死事件。
都内の公園で見つかった2つの死体は、フグの毒で殺されていました。
STは存続の危機にさらされており、百合根とSTたちの温度差が広がるばかり。
2つの死体に共通するのが、美貌の女子アナ。
彼女はストーカーに悩まされた過去があり、そのストレスからか恋人に誘われた自己啓発セミナーに出入りしていた。

期待して読んだのですが、なんか熱中できません。
主人公をはれそうな登場人物が沢山いるので、おもしろさも薄まってしまっているのかしら・・・。
今野さんのは隠蔽捜査シリーズがおもしろいのですが、STは今一かもしれません。