「マイ・ブックショップ」を観る2021/04/24



この映画のポスターを遠くから見ていたので、主人公は本屋を経営している若い女性で、本屋にまつわるほんわかしたエピソードのお話だと思っていました。
見始めてからびっくり(゚Д゚)。主人公は40代!勘違いも甚だしい私です、笑。
(ネタバレあり)

1959年。イギリスの小さな浜辺の町に住むフローレンス・グリーンは16年前に戦争で夫を亡くしていました。
二人は昔、書店に勤めており、いつか二人で書店をひらくことが夢でした。

フローレンスが5年間も空家だったOld Houseを購入し、書店を開こうとした時に、何やら雲行きがおかしくなります。
町の人からは本を読む人なんかここにはいないと言われ、銀行からは融資を断られます。
町の有力者のガマート夫人にパーティに呼ばれ行ってみると、言われたのは、Old Houseは自分が買う予定だった、他に本屋に向いた物件があるから、そこを買ったらいいんじゃないか、あそこは芸術センターにすると言うのです。

フローレンスはガマート夫人の忠告に従わず、Old Houseを購入し、書店を開くことにします。
漁師のレイヴンが店の準備の手伝いに海洋少年団を寄越してくれた上に、本の配達にウォーリー少年を、店のバイトにクリスティーンを手配してくれました。

書店の話をどこからか聞いたのか、40年間屋敷に引き籠もっている老紳士ブランディシュが手紙を寄越し、良い本があったら送ってくれと言ってきます。
フローレンスは彼にブラッドベリーの『華氏451度』を送ります。
彼はこの本を気に入り、ブラッドベリーの他の本も所望してきます。
フローレンスは彼に話題になっている『ロリータ』を送り、店で売るべきかどうか相談します。
彼はフローレンスを屋敷に招き、『ロリータ』は言い作品だから売るべきだと助言し、フローレンスに、「あなたを助けたい」と告げます。

書店はそれなりに繁栄していきます。
もちろんガマート夫人はおもしろくありません。彼女は色々な手を使い、フローレンスにいやがらせをしてきます。
苦情の手紙から始まり、甥に働きかけ、「自治体は公的に価値のある建物を強制収用できる」という法案を通し、視学官にチクリ、クリスティーンを書店で働けなくし・・・。

店で働けなくなったクリスティーンが店に来た時、フローレンスは彼女が欲しがっていたお盆を渡します。クリスティーンは「あなたは優しすぎる」と言って去って行きます。
クリスティーンは幼いながら世慣れていて、人を見る目があります。
ガマート夫人に協力しているミロのことを「イタチみたい、彼は汚い手で成功する人よ」などと言っていましたし、ある物をミロの前からそれとなく持っていきます。彼女の方がフローレンスよりも大人みたい、笑。
フローレンスは人の中に潜む悪意の存在を信じられない、ある意味、純真無垢な人なのです。
こんな人が狡猾なガマート夫人に勝てるわけありません。

フローレンスに密かに思いを寄せているブランディシュは、勇気を出して書店存続のためにガマート夫人に会いに行きますが…。

小さな町に住む人々の中に巣くう悪意っていうものは恐ろしいものですね。
精一杯抵抗を試みるフローレンスですが、相手が悪かった。
でも最後にアッと驚く救い(?)が待っています。
クリスティーン、あなたはなんて子なんでしょう。

この映画の原作はペネロピ・フィッツジェラルドの"The Bookshop"で、ラストが違うそうなので、読んでみてもよさそう。(と言いながら、未だに読んでいない本が多すぎですね、笑)。

ブラッドベリーの本は若い頃に随分読みました。面白いですよ。
『華氏451度』は焚書のお話で、華氏451度は紙が燃える温度だそうです。映画で上手く使われています。
ブラッドベリーの本は色々とあるので、是非手に取って読んでみてください。
『ロリータ』は今やファッションなどで有名になってしまいましたが、この本から来ているのですよ。
まともに読んでいないので、これも読もうっと(思っていますwww)。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2021/04/24/9370385/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。