「LET THEM ALL TALK」を観る2022/04/19

監督がスティーヴン・ソダーバーグで、主演がメリル・ストリープ。
低予算の映画で、実際に豪華客船クイーン・メアリー2で撮影され、台詞の多くが即興ということです。


小説家のアリス・ヒューズは英国の文学賞を受賞したので、編集者カレンの強い勧めもあり、飛行機は苦手なので船で授賞式に行くことにする。
甥で大学生のタイラーを連れ、30年以上も会っていない2人の友人を招待することにする。
しかしせっかく招いた友人に、私は執筆に集中したいから、会うのは夕食の時だけよ、後は好きにして、なんて言う。

友人の一人、スーザン(ダイアン・ウィースト)は家族にも恵まれ、穏やかな暮らしをしていた。せっかく豪華客船の旅に招待されたのだからと好奇心から参加した模様。
のんびりとマイペースで豪華客船の旅を楽しむ。

もう一人の友人のロベルタ(キャンディス・バーゲン)はランジェリーショップの店員をして暮らしている。
実は彼女はアリスに恨みを持っている。アリスが彼女のことを小説に書いたせいで、自分の結婚生活が駄目になったと思っているのだ。
スーザンは冷静にロベルタの思い込みだと言うのだが、ロベルタは聞かない。
ロベルタは何故自分が招かれたのか疑問に思っているが、そこは置いて置き、金を持っている男を捜し、親しくなろうと思っている。
アリスがロベルタと話をしようと飲みに誘っても、お茶に誘っても、ロベルタは断る。とにかく男と出会う機会を逃したくないのだ。

タイラーはアリスに内緒で船に乗っていたカレンと出会い恋に落ちる。
でもカレンはその気はなく、アリスが新作に何を書いているのかタイラーに探らせる。
タイラーは年上の女性たちに振り回されて、可哀想。
とにかく彼だけが唯一アリスを理解し、尊敬し、愛している人です。

こんな女三人が何を話すのか。そしてアリスは何のために旧友を招いたのか。
実はアリスには誰にも言わなかった秘密があります。

豪華客船の中を垣間見ることができて楽しかったです。
色々な施設があり(プラネタリウムもあるのよ)、様々なイベントがあり、乗客を飽きさせない工夫がされているのですね。
でも豪華客船にはコロナのせいでいい印象がないですねぇ。たぶん私は機会があっても乗らないでしょう。

「また、あなたとブッククラブで」は肉食系女子キャンディス・バーゲンにびっくりしましたが、この映画でも凄かったわ。強突張りのえげつない役が似合っていたわ、笑。自分の不幸を他の人のせいにするなんて、人間として最低でしたけどね。
女三人、いや二人か、のゴタゴタがタイラー君で癒やされました。
俳優達の演技が上手いので、最後まで観ていけます。
何を描きたかったのかは謎ですけど、それでも雰囲気が好きな映画です。