内藤了 『SOUL 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花』2026/01/12



椿が満開になり、


梅の花が咲き始めました。
まだ寒さが続きますが、花があるだけで気分がよくなりますよね。

さて、「警視庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花」シリーズの七作目が出ました。


警察庁特捜地域潜入班は今まで部屋がなく、班長の土井火斗志所有のオンボロキャンピングカーが班室の代わりになっていた。
ところが今までの働きが認められたのか、警察庁本部の資料検索室が班室として与えられた。
そして新たに本庁の通信官と兼任だった万羽福子と生活安全局の駆け出し刑事で連絡係だった丸山勇の二人が特捜地域潜入班の専任となった。

まだ部屋が片付いていないという時に、刑事局刑事企画課課長の反町秀造が一通の手紙を持って来る。
差出人は東京拘置所で教誨師を勤める住職の若原唯善で、彼の担当する五十四歳の死刑囚・西口治が、フリーマガジンの盂蘭盆会を扱った記事の写真を見たのをきっかけに、新たにサラリーマンと社長夫妻、三名の殺人を告白したという。
西口は元来の嘘つきで死刑確定者でもあるので、拘置所の所長に取り合ってもらえず、特捜地域潜入班の力を借りたいというのだ。

潜入班は西口の刑が確定するまでの経緯を調べていき、土井と成瀬が若原に会いに行く。
住職は、西口は虚言癖とは違い、計算ずくのような気がする。
嘘だらけのままで受ける処刑は『罪の償い』ではなく、『ただの死』だ。
彼を『人』として死なせてやりたいと語る。

割り切れない気持ちのまま、潜入班は西口の人生を調べていくが…。

盂蘭盆会の写真がちょっとご都合主義のような感じでした。
そんなオカルトっぽい写真は普通は載らないのではないでしょうか。
西口の人生を探っていくうちに浮かび上がる事実が悲しいものでしたが、はっきり言うと、西口はどんな家庭に生まれても、死刑囚にまではならなくても、何らかの事件に巻き込まれそうに思います。
住職の『人』として死なせてやりたいという言葉がありがたいですね。
死刑の是非については、考え続けていかなければならない課題です。

二回続けて東京が舞台になっていますが、メンバーが四人になった潜入班は、次回からまた地方に赴き、今まで以上に活躍してくれそうです。