中野京子 『名画で読み解くハプスブルク家12の物語』2009/10/17

新国立美術館で「THE ハプスブルク」展を見た後にこの本を読んでしまいました。見る前に読むべきだったかな?

スイスの一豪族から幸運に恵まれ神聖ローマ帝国皇帝になり、これ幸いと契約結婚と戦いにより強国になって、やがて終息していく様子が絵を通して書かれています。
とにかく跡継ぎが、それも青い血の・・・というわけで、自分の妹の子=姪と結婚したりすることがあって、ちょっと気持ち悪いですね。
そんな血族結婚を繰り返したため、夭折したり、精神的に問題のある子供が生まれたりなどしたそうですが、後の世の研究に生かせる人体実験と思えばいいかしら?
有名な遺伝の例として「ハプスブルク家の顎と下唇」があるんですって。
肖像画では上手く隠されていますが、「マクシミリアン一世と家族」を見ると、う~ん、鷲鼻と受け口だ。
いくら皇帝でもね・・・。

画像はハプスブルク家の唯一のイケメンを載せておきました。
誰の子だと思いますか?
ナポレオンがフランツ二世の娘マリー・ルイーズに生ませた子、「ちびナポレオン」ことライヒシュタット公です。
彼の運命はというと、父親がエルバ島に流されたため三歳でウィーンに連れてこられ、母は彼を置き去りにしどこかへ行ってしまい、ハプスブルク家はナポレオンの子がいるということをおおっぴらにしたくないので半監禁状態に置かれていたそうです。
その後、ハプスブルク家最後の皇帝、フランツの母親のゾフィー(あのエリザベートの姑です)とのロマンスなどがあったようですが、25歳で肺結核にかかり、31歳で母に会いたいと言いながら、もちろん母は現れず、死んでいったようです。
かわいそうに。

そうそうみんなの人気者、エリザベートも美貌だっただけで、結構わがままだったみたいです。
フランツも母親の命じるようにエリザベートの姉と結婚していたら・・・。
歴史に「もし・・・」はつきものですね。
いいハプスブルク家の入門書です。お気に入りは誰になるかしら?

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