オーストラリア・バレエ 「くるみ割り人形―クララの物語―」2010/10/17

マーフィ版は通常のとは全く違いました。
戦争に翻弄されたクララの一生を通し、平和への思いを込めていると思いました。

2010年10月16日(土) 15時開演
振付:グレアム・マーフィー
共同制作:ジャネット・ヴァーノン
装置・衣装:クリスティアン・フレドリクソン

≪キャスト≫
年老いたクララ:マリリン・ジョーンズ
クララ、バレリーナ:レイチェル・ローリンズ
子ども時代のクララ:柴平くるみ
医師・恋人の将校:ケヴィン・ジャクソン

第一幕:
幕が開く前から舞台は始まっていました。
幕の左側が透けて見え、そこで子供たちが遊んでいます。
オーストラリアではクリスマスが夏なのです。

買い物からクララが戻ってきます。
ふと、ラジオをつけると、『くるみ割り人形』の音楽が聞こえてきました。
しばらくしてから、ロシア人の友人たちがやってきます。
みんな年老いていますが、再会を祝して杯をかさね、踊り出す元気さ。
年齢的にご老体(失礼)と言える人たちが出演しています。みなさん、若いときはダンサーだったのでしょうね。
なんともほほえましい場面です。年をとっても、彼らのように楽しく、ほがらかに暮らしていきたいと思いました。

医師がクララのバレリーナ時代のフィルムを持って、やって来ます。
みんなでフィルムを見ているうちに、クララは昔のことを思い出していきます。
精神的に不安定になったクララを見て、医師はベッドで休むようにと言います。
友人たちは帰っていきました。

真夜中、ベッドからそっと抜け出し、階下へ行くと、そこに大きなネズミたちがいました。
やがてクララは夢の世界へ、昔のロシアへと誘われていきます。

第二幕:
クララはロシアでバレエ学校に入り、卒業してからバレエ団の一員となり、皇帝夫妻の前で踊りを披露するほどになります。



その頃、クララは将校と愛し合っておりましたが。ロシア革命が起こり、彼は戦場で亡くなってしまいます。
バレエが彼女のすべてとなり、バレエ団と共に世界を巡ることになります。

オーストラリアにやってきた時、世界大戦が勃発し、クララはオーストラリアに足止めされてしまいます。
オーストラリアでもクララは踊ります。

最後の舞台の夢を見ているうちに、クララは息を引き取ります。
演出で子どものクララとバレリーナ、年老いたクララが一体になるところがジーンときます。

革命や戦争の場面などでその頃のフィルムを写したのが効果的でした。
「白鳥の湖」の時も思いましたが、舞台美術と衣装が本当にすばらしいです。上の写真は有名な「花のワルツ」の時の衣装です。オレンジが印象的です。
ただ残念だったのが、クララが世界を巡回している様子です。スペイン→エジプト→中国→オーストラリアと場面が変わるのですが、踊りとして見るとこれといって特筆するものではなく、間延びする感じがしました。
中国では太極拳をしているのですから、音楽と合わず奇妙でした。

オーストラリア・バレエの今回の公演は、バレエの技術を見に行くという感じではありません。なんでしょうねぇ。きれいな舞台を見て、幸せな気分になるために見るという風ですかね。
次回はコテコテの古典バレエで実力を見せて欲しいです。
私は今回のようなものでは技術がどうこうと言えるほどわからないので。
あ、そうそう、指揮者の女性が素敵でした。オーケストラの音が今までとは違うような気がしました。

とにかく、舞台と衣装、この2つを見ただけでも十分満足でした。

バレエを見た後は、相棒と待ち合わせをして、上野駅アトレのコカレストランで食事をし、その後甘味処ででっかいアイスを食べました。


アイスクリームの下にあるのはさつまいもです。甘すぎず、ペロッとたべてしまいました。
ここで食事もできるようです。