中島久枝 『それぞれの陽だまり 日本橋牡丹堂菓子ばなし五』2020/02/23



牡丹堂に新しい手伝いの女性が来ました。
三十過ぎのとても気のきく、背の高い美人さんで、名前は須美といいます。
小萩はちょっと須美にジェラシーを感じてしまいました。
特に女房を亡くしている主の徹次が彼女のことを気に入っているようです。
しかし、須美には会うことができない息子がいました。

一方、お店は繁盛しており、色々な注文がきます。
山野辺藩から茶席菓子、下駄屋から亭主の落語会の手みやげ、能楽師から仕舞のおさらい会に子供たちに配るお菓子・・・。

小萩は職人としてまだ半人前の自分に嫌気がさしていました。
このままでなりたい自分になれるのか・・・。
そんな小萩に隠居した弥兵衛はこう言います。
「おめぇにしか考えられねぇことがあるだろう。それを大事にしな」、「男の職人が考えつかないことを考えろ」と。
小萩はみんなの助けを借りながら、自分にしか考えられない新しいお菓子を考えていきます。

菓子職人として徐々に成長していく小萩を温かく見守る周りの人たちがいいですね。
今回は自分の甘さを知るいい機会になりました。
やっと覚悟も決まったことだし、次に繋げていけますね。

気になるのが山野辺藩の杉崎。この人、お菓子ばかり食べているようですが、なかなかの人です。
悩んでいた小萩に「新しいことをはじめる人」になれ、「最初はまえのうまい猿でいい」という言葉をかけます。
小萩は人に恵まれています。

なんとなく気分がすぐれない毎日ですが、おいしい和菓子でも買ってきましょうか。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2020/02/23/9216868/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。