「おくびょう鳥が歌うほうへ」を観る ― 2026/01/14
年末に見たい映画がなかったのですが、1月に入り、次々と見たいものが上映され始めています。
この映画は原題が「THE OUTRUN」で、シアーシャ・ローナンがプロデュース兼主演です。
エイミー・リプトロットによる原作があるそうで、そのうち翻訳がでそうですね。

ロンドンの大学で生物学を学んでいた29歳のロナは10年ぶりに故郷のオークニー諸島に帰る。
故郷には離婚した両親が住んでいる。
双極性障害を患っていている父親はトレーラーハウスに住み、農園で働いている。
母親は宗教に熱心で、家によく信者の女性たちが出入りしている。
ロンドンでのロナは酒で身を持ち崩していた。
仕事も恋人も、すべて失った。
暴力事件に巻き込まれ、やっと思い立ち、ロナはAA(Alcoholics Anonymous)の施設に入り、90日間の断酒をやり遂げる。
断酒をしても、酒への渇望はなくならない。
過去のフラッシュバックがふとした時に蘇る。
父親がうつ状態に陥り、ベッドで動けない時に、ロナはテーブルの上にあった酒に指を浸し、なめてしまう。
やがてロナは孤島に行き、一人で生活する…。
オークニー諸島の風と波が荒ぶるロナの心を表しているようでした。
安定しない家庭環境の中で育ってきたロナは寂しさを抱えて生きてきたのでしょうね。
そのため恋人との関係もうまく行かず、都会での生活にも適応できず、酒を飲んだ時の高揚感が忘れられず、酒にのめり込んでいきます。
お酒の飲めない私は酔うと気持ちがよくなるのは羨ましいですがww。
宗教に逃げざるおえなかった母の痛みと苦しみを知ることにより、ロナは今までのことに折り合いができ、少しずつ再生への道を辿り始めたのではないでしょうか。
AAの集会の初めにみんなで唱えているのが『メイドの推理とミステリー作家の殺人』に出て来た「二ーバーの祈り」です。
どんなに日が経とうが、酒への渇望がなくならないといいます。
ロナのこれからがよくなることを祈らずにはいられませんでした。
嬉しいことに最後にささやかな奇跡が起きましたww。
シアーシャ・ローナンがとてもいいです。
オークニー諸島は、いつもあんなに波が荒いのでしょうか。
明けましておめでとうございます。 ― 2026/01/01

我が家のわんこたちから、新年のご挨拶です。
今年はちゃんと二匹ともにカメラの方を向いてくれ、すぐに写真が撮れました。
見かけは若いですが、今年、兄犬、14歳、弟犬、12歳になります。
健康に気をつけて、長生きして欲しいです。
わんこ共々、今年もよろしくお願いします。
昨年読んだ本は、ブログで紹介したものが約215冊+αでした。
毎年コンスタントに200冊は読んでいるようです。
このペースで今年もいきたいと思います。
では、昨年、読んだ本の中で面白かった本を紹介いたしましょう。
伝記もので女性の生き方を描いた作品が私の好みに合ったようです。
『11ミリのふたつ星』 砥上裕將
『星の教室』 髙田郁
『天までのぼれ』 中脇初枝
桐野夏生の村野ミロ・シリーズ
次に映画を紹介します。
BBCドラマの「Miss Austen」
本当は舞台も見に行きたいのですが、なかなか行けないので、映画で我慢しています。
今年も月に2回ぐらいのペースで映画に行きたいです。
フィンランド語は続いています。
単語が覚えられませんが、ボケ防止にはいいので、長くやっていけば、そのうちどうにかなるでしょうww。
無料Duolingoはしばらく止めていましたが、携帯ではなくてiPadでやるようにして、10月から一日一レッスンをやり続け、やっとSection2、Unit18までいきました。
ノルウェー語もやりたいのですが、フィンランド語をやるとできません。
無料なので仕方ないですね。
今年の御節です。

イタリア風です。
風邪のせいで胃の調子がイマイチで、あまり食べられませんでしたが、美味しかったです。

福袋は、やっと買えたホットマンです。
うっかり忘れていて、売り出し時間から大分経ってから見たら、どこのデパートも売り切れていました。
某デパートは大っぴらに宣伝していなかったらしく、売れずに残っていたので、買えました。
旅行は海外に行こうと計画しています。
わんこたちと一緒の旅行も行きたいですね。
わんこたちが元気でいてくれればいいのですが。
とにかく今年は健康に気をつけることを念頭に置いて、わんこたちと楽しく過ごしていこうと思います。

「では、みなさん、僕たちも楽しく過ごしますので、がんばりましょう」
「なんて楽しいクリスマス」を観る ― 2025/12/10
クリスマスが近づくと、クリスマスの映画が観たくなります。
アマゾンからこの映画をすすめられたので、見てみることにしました。
原題が「Oh. What. Fun.」だそうで、そのまま訳したみたいですね。
クリスマス映画ではありますが、反抗期の、小学五年生から高校生ぐらいの子どもがいる家族はいっしょに見ない方がいいかもしれません。
もちろんクリスマス映画ですから、最後はハッピーエンドですがねww。

テキサスに住むクレアは夫ニックとの結婚生活が35年になるママで、毎年クリスマスに家族が集まるのが楽しみで、はりきって用意をしている。
彼女は家族の誰かが自分たちのママを自慢する「ホリデー・マム・コンテスト」に応募してくれないかと願い、子供と夫にリンクを送るが無視される。
長女で小説家のチャニングが夫のタグ(中東系)と双子のルーシーとベンを連れてやって来る。
実はチャニングたちは両親の家に行くのが面倒になってきている。
来年は自分たち家族だけでスキーに行くと言おうと思っている。
次女のテイラーはヘアスタイリストで、毎年違った女性の恋人を連れてくる。
今年の相手はミネアポリスのDJスエットパンツ。
無職の末っ子のサミーはポートランドで恋人と同棲していたが、クリスマス前にフラれてしまい、独りでやって来る。
隣人のジーン・ワン・ワッサーマン(中華系)は「完璧」な人で、毎年クリスマスにちょっとしたプレゼントを持ってくるが、クレアはそれが尺の種。
今年はクレアが用意した一つの芯のロウソクよりも芯が多い、芯が三つのロウソクを持って来た。
さあ、大変。彼女のロウソクよりも芯の多いものを探さなくては。
チャニングを連れてモールに行って、芯が四つ以上のろうそくを探す。
あったけれど、会計に人が並んでいるので、クレアは会計もせずに持って行く。
(窃盗よね。この場面はクリスマスの映画にふさわしくないわよね)
だってみんなでダンス・ショーに行くんですもの。遅れたら大変。
クレアはジーンにプレゼントを持っていくが、ろうそくは止めた。だって盗んだんですもの。代わりに手作りだと嘘を言って市販のチョコレートを渡す。
ジーンの家から戻り、気が付くと、家には誰もいない。
クレアが一人、残されていた。
クレアはふと思う。
一体今までの私の頑張りはなんだったのかしら。
家族のためにやってきたのに、家族はそれを当たり前だと思い、感謝もしてくれない。「ホリデー・マム・コンテスト」に応募してもくれない。
そこでクレアは家出をすることにする。
家族はショーの最中にクレアがいないことに気づき、すぐに家に戻るが、クレアはいない。
警察に捜査願を提出するが、明日まで様子を見るように言われる。
家族のみんなはクレアがいないがために、クリスマスだというのに険悪なムードに陥る。
一方、クレアは様々な困難に遭いながらも、なんとか参加したかったザジー・ティムズ・ショーの「ホリデー・マム・コンテスト」の会場に入り込み、テレビに映ってしまう。
それだけではなく、今回あったことを洗いざらいしゃべってしまう。
一躍時の人になるクレア。
ザジーに気に入られ、次の日にも彼女の番組に出るが、そこに現れたのは…。
クレア役のミシェル・ファイファーがとても綺麗で、楽しみながらクレアを演じているようでした。
年齢が67歳ですって!そんなに見えないです。
クリスマスの装飾がされた家の中がとても素敵で、眼福です。
やはり本場は違います。
ザジーがクレアたちとお酒を飲みながら言う言葉には家族がいる女性ならその通りと叫びたくなるでしょう。
「ここでは私は女ボス。家じゃ召使」
ザジーの番組でクレアが自分の母親に言いたかったと言った言葉が、「Can I help?」だというのもわかります。
子どもは母親からそうされるのが当たり前と思っちゃうんですよね。
私もそうでした。今から考えると、家族の面倒をみるということは大変なことです。年を取ると体の方もついていかなくなりますからね。
私も「手伝おうか」と言っていればよかったとつくづく思います。
実家に帰るのを負担に考えているのは娘や息子たちだけではなく、親たちもそうなんですよね。
どちらにも負担のかからないような帰省を考えていくといいのでしょうね。
親はいつまでも生きているわけではないですからね。
この映画は大人になった息子や娘世代に見てもらいたい映画です。
親に感謝しつつ、これからどういう接し方をしていくのがいいのか考えるきっかけになる映画です。
ラストにはクレアが羨ましくなりますよ。
ああいうクリスマス、日本ではお正月か、いいですねぇww。
NTL「欲望という名の電車」を観る ― 2025/11/29
NTL(National Theatre Live)は夜の回しかないことが多いのですが、探してみると昼間にやっている所があったので行ってきました。
日本では沢尻エリカや篠井英介などが主演で上演されたようです。

「A Streetcar Named Desire」 (2014年)
上映時間:2時間55分
演出:ベネディクト・アンドリュース
作:テネシー・ウィリアムズ
出演:ブランチ・デュボア ジリアン・アンダーソン
スタンリー・コワルスキー ベン・フォスター
ステラ・コワルスキー ヴァネッサ・カービー
ブランチ・デュボアはニューオーリンズにやって来た。
彼女はかつて南部の大地主の娘だったが、屋敷は失われ、英語教師をして暮らしていたが、ある事情から教師の職を追われた。
そのため妹のステラが兵隊あがりのポーランド系工場労働者スタンリー・コワルスキーと結婚して住んでいるニューオーリンズの家に転がり込んだのだ。
しかし、気位の高いブランチと粗野なスタンリーはそりが合わず、ことごとく衝突する。
ブランチはスタンリーの同僚のミッチと結婚して人生を立て直そうとするが、スタンリーはブランチの過去を詮索し、暴露し、ミッチとの仲をぶち壊す。
望みを失ったブランチは…。
この戯曲は1947年にジェシカ・タンディとマーロン・ブランドで初上演され、
1951年にエリア・カザンがヴィヴィアン・リーをブランチとし、他は舞台と同じ俳優で映画化しました。
同性愛や少年愛、レイプ等が描かれていたため、当時は自主規制がされていたようです。
映画のマーロン・ブランドと比べてはいけないのですが、ベン・フォスターの演じるスタンリーはちょっと粗野っぽさが足りない感じでした。
当時のポーランド系移民は「新移民」として下に見られる存在でした。
彼が執拗にブランチをいたぶるのは、ポーランド系であるというコンプレックスとマスキュリズムが影響しているのでしょうね。
こんな彼と喧嘩しては殴られているというのに離れられないステラは、子供が生まれてから後悔しそうですね。
ブランチ役はジリアン・アンダーソン。
私、彼女の甲高い声が嫌でした。
演技上わざとやっていたのでしょうね。気取ったフランス人っぽい英語。
私の思うブランチはもっと低音の酒で荒れたザラザラした声の人なのですが。
でも、休憩が終わったあたりから、彼女の声が気にならなくなりました。
流石、ロンドン・イブニング・スタンダード・シアター・アワードの主演女優賞やローレンス・オリヴィエ賞最優秀リバイバル賞を取っただけあります。
ブランチがスタンリーたちに偽りの姿を見せていたのは、ブランチの育った家庭や悲劇で終わった結婚生活、その後のすさんだ生活などを鑑みると、彼女が自分の世界を護るためには仕方がなかったのではないかと思えます。
ブランチは私は40~50代と思っていたのですが、ひょっとすると30代?
劇場はロンドンにあるYoung Vic。
舞台の真ん中にアパートの一室があり、周りを観客が取り囲むという形で、360度ステージが回転します。俳優たちの感覚がおかしくならないかと心配でしたww。
幕間に観客たちの前で俳優たちが衣装替えをしたり、スタッフが後片付けなどをするのが見えます。
カメラワークも様々な角度から撮られていて、最前列で見ている感じがしました。
NTL、昼間も上演する劇場が増えてくれるとありがたいのですが。
山本巧次 『大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう その蔵はなぜ狙われる』 ― 2025/11/19
この頃、よく見ている動画があります。
それは「ヒカの台所日記」という50代女性が綴る毎日のご飯の動画です。
元お料理の先生なので、台所や道具はピカピカで、品のいい食器と盛り付けなどを見ていると和みます。
体調がふるわず、手が痛くなり、お料理教室は止め、ご両親の家の近くに一人で住み始めたようです。
よく実家に行き、畑を耕して、そこで採れた野菜を料理しています。
料理なんかできるだけ作りたくないという私と比べると、ちゃんと生きている人だなと思います。
人の声の好き嫌いがあるので、この動画のように調理をする音とバックグラウンドミュージックだけの動画は心地よくて好きです。
そういえば荒川弘の漫画『百姓貴族』のシーズン3が放送されているらしいですね。
私は見ていない、というか放送されているのを知らなかったのですが、YouTubeで見られるようになっています。
4分という短い時間で、北海道の農家の実態がわかります。
興味のある方は見てみてくださいませ。
「大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう」シリーズの十二巻目。

現代の東京から文政年間の江戸の間を自由に行き来する関口優佳ことおゆうは、小料理屋「さかゑ」で飲んでいる時に茅場町の岡っ引きの喜久蔵から、亀戸村にある札差「生田屋」の寮の蔵に三人組の侵入者があったことを聞く。
おかしなことに、蔵は三カ月前に建てられたが中は空っぽ、足跡があったが生田屋の旦那は何も取られていないという。
気になったおゆうは蔵を見に行く。
翌朝、本所緑町河岸で殺しの疑いのある土座衛門が見つかる。
殺された時間から推理すると、例の蔵と関係がありそうだった。
おゆうは科学分析ラボの宇田川に協力してもらい、二つの事件が関連することを突き止めるが、なぜ賊は何も入っていない蔵に忍び込んだのか、その理由がわからない。
調べていくと、とんでもない企みが明らかになる。
今回の江戸時代の有名人は松平越中守こと松平定信です。
大河ドラマに出ていましたっけ。
彼が事件とどのような関係があるのかは読んでのお楽しみ。
なんかおゆうと鵜飼伝三郎の間が進展せず。
その上、鵜飼の謎が未だ解けずで、お話のスピードの遅さに少しイライラしてきました。
このまま何十巻も続くのかしら…?
「アバウト・ライフ 幸せの選択肢」を観る ― 2025/11/13

久しぶりに神明宮に行くと、イチョウの木を刺繍した御朱印がありました。

意外と再現率が高いですね。
今年はファンだった俳優がお亡くなりになる年でした。(まだ一か月ちょっとあるけど)
まず、ロバート・レッドフォード。
ビデオで「追憶」を見た時に、初めてなんて美しい顔の男性なんだと思いました。
バーバラ・ストライサンドが椅子に座って居眠りしている彼の顔を愛おしいそうになでるところが印象的でした。
女優ではダイアン・キートン。年を取ってからの彼女が好きでした。
Prime Videoで「アバウト・ライフ」が見られるようなので、見てみました。
遺作ではなく、「Book Club:The Next Chapter」と同じ2023年の作品です。
英語の題名は「Maybe I do」。

一人で映画を見に行ったグレース(ダイアン・キートン)は、映画館で泣いている男、サム(ウィリアム・H・メイシー)に気づく。
彼の席の隣に行き、慰めるグレース。
話してみると、二人は気が合ったので、モーテルに入ろうとするが、止めて、ずっと歩きながら話を続ける。
ハワード(リチャード・ギア)はホテルのベッド上で頑なに雑誌を読んでいるふりをしている。
四カ月付き合っているモニカ(スーザン・サランドン)はセクシーなナイトガウンを着て彼に関係を迫るが、ハワードは君を抱くつもりはないと告げ、部屋を出ていく。
友人の結婚披露宴に出席したミシェル(エマ・ロバーツ)とアレン(ルーク・ブレイシー)。
花婿からブーケトスでミシェルがブーケを取ることになるから覚悟をしておけと言われ、アレンはブーケがミシェルの手に渡らないようにしてしまう。
そのためミシェルが激怒し、二人の関係は危うくなる。
ミシェルは結婚したいのだが、アレンは結婚はせずに今の同居生活を続けていたいのだ。
その夜、ミシェルは二人のアパートには帰らず、両親の家に行く。
ミシェルからアレンとのことを聞いた両親は話し合いをするためにアレンと彼の両親を夕食に招くことにする。
アレンと彼の母親はその招待を断るつもりだったが、父親が承諾してしまう。
翌日の夜、アレンたちがやって来るが、なんとアレンの両親はサムとモニカで、ミッチェルの両親はハワードとグレースだった。
サムとモニカは仮面夫婦で、二人の関係は冷めきっており、会話もない状態だった。
モニカはインテリアデザイナーで毒舌家。
サムはそんな彼女との会話を諦めていて、グレースとの会話に久しぶりに癒しを感じる。
アレンはそんな両親を見ているので、結婚には懐疑的だ。
ハワードとグレースの関係はサムたちほど壊滅的ではなく、傍目には仲良く見えるので、ミッチェルは両親のような結婚がしたいと思っている。
ハワードは本人曰く、ちょっと冒険がしたくなりモニカと四カ月付き合ってみたが、別れを切り出していた。
モニカはハワードと別れると別のがすぐに表れないからと、ハワードに固執しているだけ。
グレースはハワードの気持ちが自分から離れていることに気づいている。
サムとの楽しい会話に心が弾んだが、結局、自分がハワードをまだ愛していることに気づく。
若いカップルはというと。
アレンは結婚すると、自分が両親のように仮面夫婦になるのではないかという思いが捨てきれず、結婚に踏み切れない。
ミシェルは結婚はいいものだと一途に思い込んでいる。
未来は不確かだけど、今が大事。残りの人生をあなたと過ごしたいとアレンに言うが…。
モニカのような母親に育てられたら、女性嫌悪になってしまっても仕方ないと思えますが、アレンはそうはならなくてよかったですね。
サムは一見いい人そうに見えたのですが、二回しか会っていないのに、グレースにタヒチへ行こうとか言うのですよ。ちょっとストーカー気質?なぜ、タヒチ?
一番いい加減な人はハワードですね。グレースへの気持ちにやっと気づきますが、また浮気しそう。
グレースは信心深そうだから、ハワードがどうなろうが死ぬまで彼と暮らし続けていくのでしょう。
スーザンさんがちょっとイタイ感じの肉食女性を熱演していました。
ダイアン・キートンはダイアン・キートンでした。
素敵なお洋服です。着こなしがいいんでしょうね。
私が同じものを着ると、ただの太ったおばさんになってしまいますわ。
リチャード・ギアは意外と若い頃そのまんまで、少し優しそうになっていました。
いい年の取り方をしているのかもしれませんね。
若い恋人たちがレストランでイチャイチャしているのを見ている時の彼の表情がよかったです。
日本の映画の宣伝でW不倫と言っていますが、少なくともサムとグレースの関係は不倫以前だと思いますけどね。
「チーターズ」というマイケル・ジェイコブス監督自身の戯曲を下敷きにした映画だそうで、会話が主で、一方的に結婚についてどう思っているのか聞かされ、まともに聞いていると疲れますので、覚悟をして見た方がいいかも。
私は会話は適当に聞いて、俳優たちの顔や女性の衣装しか見ていなかったので、十分楽しめました。
まあ、名優たちを無駄に使っているなとか、ちょっと思いましたけど、舞台ならこんな感じよねぇ。
「ハード・トゥルース 母の日に願うこと」を観る ― 2025/10/30
原題「Hard Truths」。イギリス映画です。
副題が余計だと思いますが。

パンジーは朝から晩まで配管工の夫と22歳の引きこもりの息子に不平や文句を言って過ごしている。
虫や動物、植物などを異常に恐れ、毎日家じゅうをピカピカにしないではいられない。
ソファを買いに行くと、店員にクレームをつけ、病院ではいつもと違う若い女性医師の治療に文句をつけ、歯医者でも同じことをしたので他の病院に行ってくれと言われ、駐車場やスーパーではお客と喧嘩をする。
一方、妹のシャンテルは美容師として働きながら、シングルマザーとして二人の娘を育て、いつも笑顔で、笑いが絶えない生活をしている。
母の日に、パンジーはシャンテルに五年前に亡くなった母のお墓参りに誘われる。
パンジーはいやいや墓参りに行く。
母の墓前でパンジーは、母はシャンテルばかりひいきしていたと、母の悪口を言う。
どうもパンジーは母が亡くなっているのを見つけ、それがトラウマになっているようだ。
妹は「あなたを理解できないけど、それでも愛している」と言うが…。
妹の家に夫と息子も集まり、母の日のディナーを食べるが、パンジーは頑なに食べようとはしない。
息子が彼女に花束を買ったと聞き、微妙なパンジー。
家に帰り、一応、花束を花瓶に入れる。
しかし、その後、パンジーは夫に理不尽な怒りをぶつける。
夫はそんなパンジーに対抗するわけでもなく、ただ花束を庭に捨てるだけ…。
何も言わずに、罵詈雑言に耐えている夫と息子に同情してしまいました。
とても素敵な家に住んでいるのに、何が不満なのでしょうか。
夫に追い出されても文句を言えないですよ。
描かれていませんが、何か夫に負い目があるのでしょうか。
夫の方の家に何かありそうな感じが漂っています。
息子には明るい未来を暗示する場面がありましたが、夫はどうなんでしょうね。

運転しながら口をへの字にし、眉間にしわを寄せているパンジー(↑)。
怖いですねぇ(笑)。
パンジーはエレベーターに乗れないことや、人に対して攻撃的なわりに傷つきやすかったりするところから、母親との関係では満たされず、寂しい思いをしてきたことや周りの人たちとも何かあり、人に対する不信感が育まれたんではないかと伺い知ることができます。
何か精神的な病がありそうな感じです。
とにかく彼女の罵倒語の語彙の豊富さには驚きました。
女医さんを「眼鏡をかけたマウス」と言った時には吹き出しそうになりました。
だって、そっくりなんですもの。
たとえ彼女が自分は孤独だと思っていたとしても、理解しようとしてくれる妹がすぐそばにいるということに気づいて欲しいですね。
気づけないところが不幸なんでしょうけど。
この映画も見る人を選ぶ映画です。
中年女性の罵詈雑言に耐性がある方は見てください。
私はうんざりしましたが、悪態をつく言い方にも様々なバラエティーがあるんだなと感心しました。
マイク・リー監督は「脚本を用意せず、即興でリハーサルを重ねて作りあげていく」人らしいので、パンジー役のマリアンヌ・ジャン=バプティストがどう言えばいいか考えたんでしょうかね。
なんかほっこりする映画が見たくなりましたわ。
予告編 (悪態の一部をご覧くださいwww)
「アーサーズ・ウィスキー」を観る ― 2025/10/04
今月は映画館で観たい映画が特にないので、適当にPrime Videoで探して観てみました。
原題も「Arthur's Whisky」。

発明家だった夫のアーサーが雷に打たれて急死した。
ジョーンは親友のリンダとスーザンに手伝ってもらい、夫が使っていた納屋を片付けていた。
すると、冷蔵庫にアーサーが作ったウィスキーが入っていた。
三人で飲んでみる。
翌朝、起きると、三人は20代になっていた。
アーサーが残した記録をみてみるが、速記で書いてあるのでわからない。
たぶんウィスキーを飲んだせいだ。
そう思った三人が納屋をあさると、ウィスキーが4本見つかる。
若くなった三人はウキウキしながら町に行き、カフェに入り、やりたいことリストを作る。
ジョーンはいつ元に戻るかと心配だったが、後の二人は全くそんなことを考えていない。
しかし、しばらくするとリンダの髪に白髪が現れる。
急いでカフェを出る三人。
どうもウィスキーの効き目は6時間ぐらいらしい。
ウィスキーを飲んで若返った三人は今時の服を買い、メイクをしてクラブに行ったりして楽しむ。
ある日、若返った三人はシャーウッドの森に行く。
そこはジョーンの、アーサーに会う前の、カレン・ウォルターズとの幸せな思い出の場所だ。
スーザンはキッチンカーのベネズエラ人男性が気に入ったようだ。
リンダは気をきかせて、その男性にスーザンの電話番号を渡す。
やがてウィスキーは最後の一杯となる。
若返ったリンダは元夫カールの誕生日に彼に会いに行き、復讐を遂げる。
ジョーンはカレンを探しに行く。
スーザンはキッチンカーの男性、ジェームズと会う。
ジョーンと気まずい関係の息子が父親の遺品を取りに来る。
小さい子どもの時にいっしょに撮った写真を見せようと思い探していると、小瓶に入ったウィスキーを見つける。
三人はウィスキーがあるうちに、願望を叶えようと、ラスベガス旅行に行くことにする。
ラスベガスで彼女たちは本当の自分を見出していく・・・。
70代の三人と20代の三人は全く似ていません。
表情とか発言とかで予測がつきましたけど、似ている人がいなかったのかしら。
ダイアン・キートンが好きだったので、この映画をみたのですが、ダイアンは相変わらずのコメディエンヌで、ホント、変わりません。
ジョーン役の女性、パトリシア・ホッジが知的な感じで素敵でした。彼女はイギリス人で主に舞台で活躍している人らしいです。
ラスベガスでボーイ・ジョージが現れ「カーマはきまぐれ」(1983年)を歌い出して、びっくりしました。
いつの映画かと思ったら、日本では2025年1月に公開されています。
最近の映画なのね。知らなかった。(だから昆布茶ラテが出てきたのね)
ボーイ・ジョージも64歳。元気でよかった。
若い人よりもボーイ・ジョージを知っている年齢の人の方が楽しめるでしょう。
見ながら若くなれたら、何をしようかと考えるのもいいかも。
でも若いってことよりも、年を取ったことの方がいいって思えるようになりたいですね。
年齢不詳のダイアンを見習わなければww。
最後にほっこりする(かな?)コメディ映画でした。
「LOVE オスロ、3つの愛の風景」を観る ― 2025/10/02
久しぶりに渋谷に行って来ました。
駅の建て替えが進んで乗り換えに時間がかかるようになり、通勤するのが嫌になってから大分経ちます。
インバウンドの人たちが来る前から混んでいましたが、今はどうなのか心配でした。
でも、映画館が駅前に移っていたので、人混みの中を長く歩かなくてよかったです。
駅前の交差点では噂通りに写真を撮っている人たちがいましたが、赤になるとすぐに歩道に戻っていたので、前よりはお行儀がよくなったみたいです。
歩いている人の7割ぐらいは外国人です。
電車は混雑するのでバスを利用しましたが、観光客らしいひとグループが乗って来て、これ以上増えないでくれと思いました。
それにしても都心の物価は高くなっていますね。
外食はもう少し値上がりしたらできなくなりそうです。
今年のハロウィーンがどうなるのか、色々な意味で楽しみですww。
ノルウェー映画で、原題は「Kjærlighet(愛)」。

泌尿器科の医師、マリアンヌは前立腺がんの患者に手術のことを説明した後、男性看護師のトールに患者が手術のことをよく理解していないようだと告げられる。
仕事の後、友人から誘われ、フェリーに乗り島に行く。
フェリーにトールが乗っていて、二人は患者のことを話す。
トールと別れ、友人がマリアンヌに紹介したいと言っていた地質学者オーレの家に行く。
彼は離婚していて、元妻と娘が近所に住んでいる。
娘は両親の家を行き来している。
マリアンヌは彼に少し興味を覚える。
帰りのフェリーで、マリアンヌはトールと再会する。
彼は眠れない夜にフェリーに乗り、マッチングアプリでフェリーに乗っている男性を探し、会うという。
マリアンヌはオーレに興味はないとは言うが、フェリーに乗り、彼に会いに行く。
泊まらずに帰った夜、フェリーでマッチングアプリを使ってみると、一人の男性がいた。
マリアンヌは彼と話してみる。
トールはフェリーで出会った男性のビョルンが、偶然彼の病院で前立腺がんの手術をしたことを知る。
術後の彼をサポートしたいと思うが、看護師の仕事を逸脱しないか心配で、マリアンヌに相談する。
トールはビョルンに手助けが必要なら連絡してくれと言って電話番号を教える。
果たして二人の愛の行方は・・・。
前立腺がんの術後のことは、はっきり言って女性にはわからないことが多いです。トールは男性で、ゲイでもあるので、手術をした後の患者のことがわかるので、マリアンヌに教えてあげ、マリアンヌもちゃんと受けとめました。
映画を見ていて思ったのは、医師と看護師だからあけすけにセックスの話ができるのでしょうか。
それともノルウェーでは当たり前のことなのでしょうか。
日本人は未だに性の話はタブーですものね。
10代、20代の若者は前よりも話せるようになっているのかしら?
マリアンヌの友人でオスロ市に勤めるハイディが市庁舎の説明をしていましたが、あまりにも極端な説明にびっくりしました。
なんでもLGBTsに結びつけていませんか。
それに市の何周年目かのお祝いにするイベントを考えているのに、亡くなった人の話を聞いた途端にイベントにお金をかけるよりも、もっと有意義なことにお金を使おうと方向転換したりと、面白いキャラの女性ですね。
彼女のおかげで映画が深刻になり過ぎず、よかったですけどww。
マリアンヌとトールはとても真面目に人生と向き合っている人たちです。
彼らは心から信頼できる人と出会いたいんです。
マリアンヌは思い切ってマッチングアプリを使ってみますが、そんな関係は空しいばかり。
フェリーで会う女なんて「無料の売春婦」だという既婚男性、あんたのことよ。
私は殴ってやりたくなりましたが、マリアンヌは優しいですね。何もせずに帰らせるんですから。
「DREAMS」は少女、「LOVE」では愛に悩む大人の男女を描いています。
「SEX」はどうなんだろうと思ったのですが、残念ながら、夜に上映するので見られません。
近くの映画館でやりそうなのですが、来年の忘れた頃になりそう。
北欧の映画は映像、特に風景が美しく、会話も興味深くてくせになります。
アメリカ映画に飽きた方におすすめします。
「DREAMS」よりも聞き取れたノルウェー語の単語が増えたような気がします。
スウェーデン語を独学でやり始めたのですが、ノルウェー語とスウェーデン語は同じ北ゲルマン語派なので、とても似ています。
両言語共に英語やドイツ語と似た単語が出てきます。
曜日がほぼいっしょで、月は英語がわかれば推測できます。
問題は発音です。私は耳がよくない(病気ではないです。単に能力が低いんです)ので、聞き取りと発音が超苦手なのです。といって読むのも得意じゃないですが。
老後の楽しみということにしていますが、真面目にやり始めると時間が足りないです。
映画館での上映は終わりますが、もし見る機会があったら見てみてください。
特に「DREAMS」は主役の女の子が可愛く、オスロの夜景が綺麗なのでおすすめします。
「ファンファーレ!ふたつの音」を観る ― 2025/09/28
原題は「En Fanfare」。

指揮者のティボはオーケストラのリハーサル中に倒れ、白血病だと診断される。
骨髄移植のドナーを探すことになるが、適合検査の結果、妹と血縁関係がないことがわかる。
ティボは養子だったのだ。
生き別れた弟がいることがわかり、ティボは会いに行く。
弟のジミーはかつて炭鉱で栄えた町の学食でパートタイムで働いていた。
母親は亡くなり、父親は誰かはわかっていなくて、近所の家族に引き取られたという。
ティボの養父母はジミーを引き取ろうと思ったが、ちょうどその時に妹を妊娠したため、引き取れなかったらしい。
初めは自分に兄がいたことを受け入れられなかったジミーだが、養母の説得が功を奏して、ドナーになることに同意する。
ジミーは音楽好きで、町の吹奏楽団でトロンボーンを吹いている。
彼に絶対音感があることにティボは気づく。
吹奏楽団がコンクールに参加することになるが、指揮者が異動し、誰が指揮者になるかでもめる。
ティボは指揮者になるなんて自信がないというジミーを勇気づけ、指揮を教える。ジミーは指揮をすることになるが、コンクール当日に思いもかけないことが起こる。
その後、吹奏楽団は市長命令で解散状態になり、楽器は閉鎖寸前の工場に移される。
工場を閉鎖させないために、ティボは工場で自分が指揮をするコンサートを開こうと提案する。
演奏するのは、工場の機械の音を曲にしたという「ボレロ」。
なんとか周りを説得し動き出すが、ジミーは参加しない。
コンサートはどうなるのか。
ジミー役のピエール・ロタンは前に見た「秋が来る時」でヴァンサン役で出ていましたね。
粗野な若者という役柄が多いんでしょうか。
白血病の治療方法はよく知りませんが、今は化学療法よりも骨髄移植を優先するものなのですか。
変なところが気になりました。
思ってもいなかった展開の映画でした。
骨髄移植までのいきさつはサラッと終わり、その後の兄弟の交流が詳しく描かれています。
兄弟の育った環境の違いで人生が大きく変わっています。
そのことに憤りを感じるジミーと後ろめたさを感じるティボでしたが、だんだんと音楽で繋がっていく二人の場面がいいですね。
「ボレロ」はどこで使うんだと思っていたら、いい具合にきました。
音楽の使い方がいいですね。
映画のラストはいいんだけど、でも人生は続いていくのです。
よかったね、で終われない映画でした。
最近のコメント