デボラ・クロンビー 『警視の覚悟』2010/10/24

スコットランドヤードの警視ダンカン・キンケイドと彼のパートナーのノティング・ヒル署警部補のジェマの活躍するミステリーです。
 

前回で、子供を流産し微妙になっていた二人の絆も堅固になり、後はキンケイドの子供と確定したキットの親権問題が残っていました。

今回はキットの親権も無事手に入れ、クリスマスをキンケイドの家族と一緒に過ごすことになります。

クリスマスイヴの日、ダンカン(キンケイド)とジェマ、彼女の息子で5歳のトビー、そしてキットの4人は、ダンカンの両親の住むナントウィッチまで車を走らせていました。

ジェマはキンケイドの家族に自分が受け入れられるかどうか心配していました。
というのも、ダンカンとジェマの家族は全く違うのです。
ジェマはロンドン北部に生まれ育ち、両親はパン屋。一方ダンカンは古い農場で育ち、両親は書店をやっているインテリです。
 
心配はそれだけではありません。キットの学校から呼び出し状が来ています。とりあえず、そのことは棚上げして、クリスマスを楽しむことにしました。
 
両親の家に着いてすぐ、ダンカンの妹、ジュリエットから電話が来ます。自分で工務店を開業したジュリエットは、一人で乳牛舎の壁のモルタルを崩していて、布にくるまれた乳児の遺体を見つけたのです。
 
ダンカンの幼馴染で地元で警部をやっているロニーと一緒に、ダンカンも捜査を手伝うことになります。
 
ダンカンの両親と子供たちはすぐになじみますが、何かありそうなジュリエットの家族です。
 
美しいイギリスの景色とボートで暮らす人々の描写がすばらしいです。
 
殺人事件が起こりますが、それよりも家族の物語として読むといいでしょう。ダンカンとジェマの関係も変わっていきそうです。
 

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