今野敏 『任侠シネマ』2020/09/11



任侠シリーズの第五弾。
今まで書店、学校、病院、浴場と経営再建をしてきた阿岐本組の面々に永神が持ち込んだのは、北千住にある古い映画館『千住シネマ』の再建話でした。
『千住シネマ』を経営しているのは『千住興業』で、調べてみると映画館の他に主に不動産業を営んでいます。
経営状況は、映画館での赤字を他の事業収入でまかない、ギリギリ黒字。
閉館もやむなしという状況です。
昔ながらのファンたちが作った『千住シネマ・ファンの会』では、映画館の存続を願いクラウドファンディングをしています。
しかし、この会に対して嫌がらせがあるようです。

親分の阿岐本雄蔵は代貸の日村を連れ、永神と共に『千住興業』へ出向き、社長の増原と話をすることにします。
見かけから嫌がらせをしている奴らと間違えられながらも、映画を語る阿岐本は増原社長と意気投合し、映画館の再建を引き受けます。
ついでに健さんの映画が上映されているということで、日村と一緒に観ていくことにします。
映画館にほとんど行ったことのない日村でしたが、健さんに惚れたようです。

阿岐本組の子分たちは前みたいに出張って映画館で働けると思っていたのですが、残念ながら出番がありません。
その代わりに元ハッカーのテツは主にパソコンで情報収集、他の子分たちは怪しいと目をつけた常務取締役の犬塚の見張りにかり出されました。

『千住シネマ・ファンの会』への嫌がらせの状況も知りたいということで、高校生の香苗に頼み、ファンの会に入会してもらいます。
それとなく内情を探るはずだったのに、直情傾向の香苗はファンの会の会長の船渡川を組に連れてきちゃいます。

一方、阿岐本組は警察の嫌がらせに困っていました。
北綾瀬署のマル暴に仙川という係長が新任でやってきました。
彼は阿岐本組を潰そう画策し、難癖をつけてきたのです。
出前を取ろうと思ったら、警察の指導があるからと断られ、女子高生を連れ込んだと引っ張られ・・・。
警察が誰かを犯罪者に仕立てようとすればできてしまうという恐ろしい世の中です。

映画愛に溢れた作品です。
と言っても出てくる映画は有名どころ、『ニュー・シネマ・パラダイス』と健さん主演の『日本俠客伝』、『日本侠客伝・浪速編』ですけどね。
私は健さんのヤクザ物は全く観ていません。
ドスで殺すところなんか、怖くて観られませんもの。
前作のような汗水垂らして働くことがなくて、そこが残念です。
今回はお仕事本とは言えませんね。



お兄ちゃんはグルメです。
餌が新しい袋になると、トッピングをしなくても食べます。
前の袋の餌は時間が経っていたので、美味しくなかったのね。
ドッグフードの味のわかる犬です。
ドッグフードには五月蠅いのに、他の食べ物は何でも食べます。
弟はドッグフードなら何でも食べるのに、知らない食べ物はなかなか食べようとはしません。
犬でも違うんですね。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2020/09/11/9294363/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。