小路幸也 『<銀の鰊亭>の御挨拶』&『ハロー・グッドバイ』2022/06/13



『<磯貝探偵事務所>からの御挨拶』の前の作品です。
なんとなく読んだことがあるような気がしますが、読み返してみました。

桂沢光は小樽の大学に進学することになり、母の実家の<青河邸>から大学に通うことにする。
<青河邸>では昨年火事があり、焼け跡から祖父母の遺体の他に身元不明の焼死体が二体見つかった。
その二体のうち一体に刃物で刺された傷があった。
その時、母の妹の文は大怪我をおい、記憶障害を起こしている。
唯一覚えていたのが、たった一人の甥っ子の名前、「光」だった。

文が退院し、料亭旅館<銀の鰊亭>を再開することになる。
光は母から頼まれ<銀の鰊亭>で、文と一緒に御挨拶をするというバイトをすることになる。
早速やってきたのが、常連で不動産会社を経営している篠崎と医者の小松、外食産業を経営している、遠い親戚の加原だった。
どうも彼らは何か目的があってやって来たようだ。

そんな頃、光は大学の正門を出たところで刑事の磯貝に話しかけられる。
彼は独自に<銀の鰊亭>の焼死体のことを調べていて、光に秘かに捜査協力をしてほしいというのだ。

二体の焼死体は誰で、なぜ祖父母と彼らは死ななければならなかったのか。
文は彼らの死と何らかの関係があるのか…。
光は磯貝と、そして文と共に謎を追っていく。


「東京バンドワゴンシリーズ」の第17弾目。今回は通常営業です。

いつものように堀田家の一日が始まります。
近所の田町家が取り壊され、増谷家と会沢家に生まれ変わろうとしています。
<バンドワゴン>の中にある<かふぇ あさん>は夜営業を始め、好評だったのですが、不思議な忘れ物が現れます。
<バンドワゴン>のワゴンに入れられていた文庫本が喫茶店の椅子の上に置いてあり、中に千円札が挟まれていたのです。
それも毎日一冊ずつ置いてあり、全部で五冊。
一体誰が、何のためにと不思議に思う堀田家のみんな。
他にも童話の謎があり、懐かしい人に会えます。

イギリスに行った藍子とマードック、そして池沢さんに転機が…。

登場人物が多くて、誰だっけと思うこともありますが、堀田家のみんなと会うのを
毎年の楽しみとしています。
また来年お会いしましょう。

前も言いましたが、どちらの本も本格的ミステリーではないですので間違ってよまないように、笑。
日本のコージー・ミステリーとして読んで下さいね。
小樽と谷中の雰囲気がいいです。また行きたくなりました。