丸山正樹 『龍の耳を君に デフ・ヴォイス新章』 ― 2019/02/01
『デフ・ヴォイス』が面白かったので、2巻目を読んでみました。
手話通訳士になった荒井尚人は、法廷や警察で事件の被疑者となったろう者の通訳を続けていた。
しかし、ただ通訳するだけという自分の役割に疑問を持ち、ある男の通訳をしている時に自分の立場を逸脱してしまう。
そのため手話通訳士としての資格はないと思い、一端働くのを止めることにする。
そんな頃、一緒に暮らしている女性の娘の同級生で緘黙症の少年に手話を教えることになる。
彼は積極的に手話を覚えるようになる。
ある日、少年が住んでいるアパートの向かいの部屋でNPOの男性が殺害される。
少年は殺された日に男性が男と喧嘩しているのを見たと言い出す。
はたして彼の証言は認められるのか…。
本の中に出てきたのですが、
<龍はツノはあるけど耳はない。龍はツノで音を感知するから耳は必要なくて退化したんだ。使われなくなった耳は、とうとう海に落ちてタツノオトシゴになった。
だから龍には耳がない。聾という字は、それで「龍の耳」と書くんだよ>
諸説あるらしいのですが、いい話ですね。
荒井は手話通訳士を辞めて何をするのでしょうか。
同棲相手と結婚するのでしょうか。
続きを早く読んでみたいです。
小湊悠貴 『ゆきうさぎのお品書き 1~7』 ― 2019/02/02
このシリーズも食べ物にまつわるお話です。
母が亡くなってから、食事を満足にとれなくなってしまった大学生の碧はとうとう貧血で倒れてしまいます。
「ゆきうさぎ」という小料理屋を営む大樹に助けられます。
彼の作った料理と彼のたべっぷりに惹かれた碧はバイトとして「ゆきうさぎ」で働くことにします。
実はこのお店は碧の父親もちょこちょこ訪れるお店でした。
碧と父親は「ゆきうさぎ」で食欲と元気を取り戻していきます。
大樹は祖母が営んでいた「ゆきうさぎ」と祖母の味を相続していました。
小料理屋を訪れるお客様のために、色々と料理を考え、作るのが大樹のやり方でした。(1巻~5巻)
そんな大樹の前に叔父の零一が現れ、遺産相続の話を始めます。
「ゆきうさぎ」は売却しなければならないのか・・・。(6巻)
大学四年生になった碧は亡き母と同じ教師になるために努力を続けてきました。
採用試験の前日、思わぬ病気に罹り入院という羽目になってしまいます。
どうなる碧。
そして、大樹との関係にも変化が・・・。(7巻)
こんな小料理屋が家の近くにあれば、毎日でも通いたくなります。
もちろんランチもありますよ。
ポテトサラダ、親子丼、ちらし寿司、味噌グラタン、天ぷら、茶碗蒸し、おでん、メンチカツ・・・。
どの料理も家庭でも作れますが、大樹の手にかかると一段とおいしくなります。
元気の源は食ですね。
表紙の絵がなんともおいしそう。
ちゃんとした物を食べて行きたいと思いますが、結構いい加減なので、インフルエンザなんてひいちゃうんです。
気をつけますわ。
今野敏 『継続捜査ゼミ』 ― 2019/02/03
刑事の後、警察学校の校長をし退官した小早川は再就職先として女子大を選びました。
警備ではなく、教える方。
4年目からは教授になり、『刑事政策演習ゼミ』(別名:『継続捜査ゼミ』)で5人の女子大生と共に未解決の殺人等重要事案の中から課題を選び、調べていくことになります。
最初に選んだのが、15年前の老夫婦殺人事件。
捜査(といっていいのかしら?)は警察OBとしてのコネを使い、ゼミメンバーの個性も十分で、意外といい方向へと進んでいきます。
なんか小早川は捜査を初めてすぐに犯人がわかった感じがするんですけど・・・。
この事件の合間に、スニーカー盗難や合成写真事件などが起こり、これらもみんなで解決していきます。
こんなゼミがあったら入りたいぐらいですけど、でも実際にはこういうのはまずいのでしょうね。
現職さんも3名、参加しちゃって、警察の面目丸つぶれです(笑)。
続編も発売されていますが、ゼミとしてもっと活発に活動するのでしょうか。
この頃読んだ漫画 ― 2019/02/05
ねむようこ 『午前3時の無法地帯 1~3』&『午前3時の危険地帯 1~4』
パチンコ専門のデザイン会社が舞台の漫画。
『無法地帯』は七瀬ももこというまだ未熟なデザイナーが主人公で、『危険地帯』は新人の小倉たまこが主人公。
デザイン会社とはいえ、ブラックです。
でも、頑張るももちゃんとたまちゃんがかわいいです。
ねむようこ 『三代目薬屋久兵衛 1~5』
バツイチで実家の漢方薬屋を継ぐために故郷に戻ってきた三久と人見知りで植物にだけ心を許す叶との恋物語。
不思議な雰囲気の漫画です。
こやまゆかり 『バラ色の聖戦 1~20』
専業主婦をしていた30歳の女性が銀行員の夫の反対を押し切りモデルとなり、一流モデルへの路を歩いていく様子を描いた漫画です。
頭の固い夫、ライバルを蹴落とそうと画策する女・・・。
ベタな内容ですが、ついつい読んでしまいました(笑)。
池辺葵 『プリンセスメゾン 6』
え~、最終巻だったの!まだ続くと思ってた。
要さん、東京から去ってしまうし・・・。
でも、幸せになるんならいいか。
夏緑 他 『しっぽの声 1~3』
アメリカの大学で獣医学を学び日本に戻り、父親の動物病院で働き始めた獅子神太一と動物保護シェルターを運営する天原たちが直面するペットたちの悲惨な現実を描いた作品。
今は犬よりも猫の方がペットとして多く飼われるようになったとか報道されていますが、そんなことよりペットたちがどのように扱われているか報道して欲しいと思います。
ペットを飼おうかなと思ったら、読んでください。
宮川さとし 『母を亡くしたとき、僕は遺骨を食べたいと思った』
題名だけみるとびっくりするかもしれませんが、漫画家の男性が亡くなった母を悼むという内容です。
もっと闘病生活のことが書かれているかと思ったらそうでもないし、元気な時の母の話もそれほど多くなくて、ちょっと残念でした。
女性が描いたらもっと違う感じになるかも。
読みながら男の人はみんな大なり小なりマザコンなのかもしれないと思いました。
穂積 『僕のジョバンニ 1~4』
海沿いの町に住む哲雄はチェロを弾くことが好きでした。
ある日、彼の弾くチェロの音に導かれ、海難事故で死にかけていた郁未が浜辺に流れつきます。
身元引受人のいない郁未は哲雄の家で引き取られることになり、二人はチェロを通じて親しくなっていきます。
しかし、郁未のチェロの才能を知った哲雄は劣等感にさいなまれ、プロのチェロ奏者の蘇我百合子に弟子入りし、イタリアへと旅立ちます。
五年後、哲雄は日本へ帰って来て、二人は再会しますが・・・。
チェロとイケメン二人。
どうなるのか、楽しみです。
他に『フラジャイル 13』、『マリアージュ 16』、『トレース 6』、『山と食欲と私 9』などを読みました。
シリーズ物はいつ出るのかチェックし、続けて読むのが大変です。
秦本幸弥 『パティスリー幸福堂書店はじめました 1~2』 ― 2019/02/07
二日前から兄犬の○○ちが緩くなりました。
特にこれといって悪い物を食べていません。
何故なのか、とっても心配です。
昨夜からビオフェルミンを砕いて飲ませています。
犬はしゃべれないから困ります。
美味しそうなケーキと書店、いい組み合わせですね。
どんな話なのか、読んでみました。
父親が始めた書店が閉店すると聞き、安子は三年間で赤字になったら止めるという約束で後を継ぎました。
しかし、なかなか本は売れず、これでは駄目だと思い始めた時に、美味しいケーキを作るパティシエ洋野創と創を助けている日向と知り合いになります。
そこでひらめいたのが、カフェを併設した書店があるなら、ケーキ屋を併設した書店があってもいいのではということ。
創と日向に相談するとすぐにOKがでて、日向の資金でお店もリニューアルしました。
パティスリー兼カフェ兼書店ということになった幸福堂はだんだんとお客も増えていきます。
安子は幸福堂という名にこだわり、ここに来るお客さんにも幸せになってもらいたいということで、個人的にお客さんの悩みを聞き、解決しようとします。
でも、安子が気になるのは、お客さんより日向のこと。
彼は一体誰なのか。
何故、お金を沢山持っているのか。
安子のプライバシーの侵害が気にならないなら、読んでもいいでしょう。
私は美味しそうなケーキが読めればいいのです。
この前欲張ってイチゴのケーキとシュークリームを食べたら、次の日、胃の調子が悪くなりました。
ケーキを1つしか食べられなくなったなんて、悲しいわ。
仕方ないので、目で食べますわ(笑)。
頭を使わず、のほほんとした本が読みたかったら、どうぞ。
すぐに読めます。
北大路公子 キミコのダンゴ虫的日常 『石の裏にも三年』&『晴れても雪でも』 ― 2019/02/09
北海道札幌在住の北大路さんのエッセイを読んでみました。
一年間の日記みたいな内容ですが、毎日毎日雪かきとビールという印象しか残っていません。
昨日からのニュースは北海道の寒波の話ばかり。
さぞ北大路さんは困っているのでしょうね。
雪かきだけはしたくないです。
あの吹雪と寒さを想像するだけで寒気が襲ってきます。
スキー教室など拷問のようでした。
今でもしているのかしら?
もう二度としたくないです。
それにしても北大路さんのご両親の面白いこと。
実際はいつもいつも同じことをやらかされると頭にくることもあるのでしょうが、そこはうまく誤魔化して(失礼)描いてあります。
人間できてるわぁ。
北海道移住の夢を持ちましたが、今一度考え直します。
やっぱり雪かき嫌ですもの。
札幌の繁華街のマンションなら雪かきしなくてもいいかぁ。
夏は北海道、冬は東京。
このパターンがいいかしら。
そういえば夏も暑い時があったわ・・・。
夫が定年を迎えるまで、ゆっくりと考えますわ。
ラム肉、食べたい…。
ラム肉ではないですが、甘い物を食べてきました。
西荻窪のAmy's Bakeshopでマフィンとエリザベスケーキ(だったと思う)を食べました。
お昼ご飯を食べていないので2個いけるかと思ったら、胃が…。
もう若くはない、私の胃(泣)。もたれました(笑)。
他にニューヨークチーズケーキやブラウニー、キャロットケーキも買って、家で夫と分け合い、楽しみました。
食べてみて思ったのは、アメリカ風のスイーツは私はあまり好きではないみたい。
何しろ甘い。
好みの問題なのですが、ケーキなどはもっとしっとりしている方が好きです。
かわいいお店なので近辺に行くことがあったら試してみてください。
J・D・ロブ 『凍てつく夜の戯曲 イヴ&ローク45』 ― 2019/02/10
この頃、kindleでイヴ&ローク・シリーズも販売しています。
買ったのはいいのですがよくよく考えてみると、このシリーズは38巻までしか読んでいなかったみたいです。
1巻1事件という感じなので、イヴとロークの関係性が変わっていなければ途中から読んでもいいかな(笑)。
そういえば、この本も寒い冬だわ・・・。
2061年2月。
イヴとロークは慈善パーティに出席していました。
その帰り道に全裸で血まみれの女性がいるのを発見し、保護します。
彼女は悪魔に襲われたと証言します。
彼女の邸へ行ってみると、中は荒らされ、夫は殺されていました。
その日、彼女の家ではパーティが開かれており、そのパーティの最中に犯人は邸に忍び込んでいたのです。
同様の事件がないかと調べてみると、2件見つかります。
同じように夫妻が自宅で狙われ、妻はレイプされ、夫は暴行を受け、妻のドレスと宝石などが盗まれていましたが、夫妻は殺されることはありませんでした。
しかし、一度殺人を犯してしまうと、犯行がエスカレートし、次は・・・。
幼い頃のトラウマと戦っているイヴ。
そして、そんなイヴを身近で見守り、温かい愛情で包み込むローク。
夫婦の絆も相変わらず強固ですね。
久しぶりに読みましたが、600ページもあるとは思えないぐらいすぐに読めてしまいました。
安定した内容ですね。
39巻から44巻までは読んだことにし、次から読みますわ(笑)。
今野敏 『エムエス 継続捜査ゼミ2』 ― 2019/02/12
警察学校の校長から女子大の教授になり、ゼミを持つようになった小早川に一大事が起こります。
ゼミでどの冤罪事件をテーマにしようかと悩んでいる時に、学園祭で毎年開催されるミスコンの反対運動のリーダーとされている高樹晶が、ミスコンの可否について小早川に議論をふっかけてきました。
小早川の研究室でミスコンについて議論をした直後、高樹は何者かに襲われ救急車で運ばれます。
襲われる前に会っていたのが小早川だということで、高樹に対する傷害容疑で小早川は任意同行させられる羽目になります。
警察OBであるのにもかかわらず、何故か目黒署の大滝係長は小早川を犯人だと決めつける始末。
冤罪事件をテーマにしようと思っていたところ、自分が冤罪容疑をかけられてしまいます。
ゼミの方は駅ホームでの暴力事件を取り上げることになり、警察担当者と容疑者とされた人にインタビューできることになりました。
しかし・・・。
これを読むと、警察とは関わりを絶対に持ちたくないと思いました。
それほど精神力が強靱ではないので、尾行され、ネチネチと質問され、果ては警察署に監禁されちゃうと自白してしまいそうですもの。
怖いわぁ~。
高樹への傷害事件の犯人は読んでいるとすぐにわかってしまいますが、1作目よりも違和感が少なくなった感じです。
でも、民間人である大学生に捜査はさせないわよねぇ。
連休中は雪が降るからと外出を最小限にした(すべって転ぶのが怖いので)のですが、降らなくて残念でした。
外食をしようということで、焼肉の予定が鰻になってしまいました。
ちょっと骨が多かったかな。
若竹七海 『殺人鬼がもう一人』 ― 2019/02/13
都心まで一時間半。
限界集落にもゴーストタウンにも見える、僻地の寂れた昔々のベッドタウンの辛夷ヶ丘町にある辛夷ヶ丘署は吹きだまり。
訳ありな警官が飛ばされてくる。
事件らしい事件もない、のどかな町だったのだが、放火殺人事件から状況が一変して、次々と事件が起こる。
そんな署に飛ばされたのが、身長178㎝の「不倫した大女」、生活安全課の捜査員、砂井三琴。
定年まで勤め上げるのが、彼女の望み。
相棒はチビデブの田中盛。
二人は事件を解決しつつ、不労所得で稼いでいく。
警官ばかりか住民も腹黒い。
なんと言えばいいのか、ブラック・ミステリですかね。
こういうのが好きな人にはいいでしょうね。
私は大好きです(笑)。
葉村晶が出てこなかったのが唯一の残念な点でしたが。
石井睦美 『ひぐまのキッチン』 ― 2019/02/15
昨日はバレンタインデーだったにもかかわらず、チョコを買うのを忘れていました。
いつもはデパートの宅配にするのですが、頼もうと思った時はすでに遅く、14日以降の配達になっていました。
年々愛情(チョコに対する)も冷めていくのかしら?
樋口まりあは学業成績はいいのですが、就職試験の面接が全くダメで、ことごとく入社試験に失敗し続けていました。
そんなある日、祖母の知り合いの会社で人を探していると聞き、面接を受けることになります。
その会社は「コメヘン」という食品を扱う小さな商社でした。
何故か社長に気に入られ、全く大学で学んだことは生かされない社長秘書として働くことになりますが、実は社長秘書業務の他に仕事がありました。
それは会社の同僚や取引相手、社長の友人などに料理をふるまうことでした。
料理など全くやったことのないまりあでしたが、あだ名の「ひぐま」から「ひぐまキッチン」を開催することとなりま~す。
まあ、なんてことのない話です。
でてくる料理もなんということのない物です。
表紙の絵を見ておわかりのように、お好み焼きやおにぎり、卵かけご飯、オムレツなどですから。
こういうなんということのない物が素材の良さが一番わかりますけどね。
こんな会社ないよなと思いつつも、登場人物たちのほんわかした感じに癒やされました。
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