丸山正樹 『龍の耳を君に デフ・ヴォイス新章』2019/02/01



『デフ・ヴォイス』が面白かったので、2巻目を読んでみました。

手話通訳士になった荒井尚人は、法廷や警察で事件の被疑者となったろう者の通訳も続けていた。
しかし、ただ通訳するだけという自分の役割に疑問を持ち、ある男の通訳をしている時に自分の立場を逸脱してしまう。
そのため手話通訳士としての資格はないと思い、一端働くのを止めることにする。

そんな頃、一緒に暮らしている女性の娘の同級生の緘黙症の少年に手話を教えることになる。
彼は積極的に手話を覚えるようになる。
ある日、彼は住んでいるアパートの向かいの部屋で殺害されたNPOの男性が、殺された日に男と喧嘩しているのを見たと言い出す。
はたして彼の証言は認められるのか…。

本の中に出てきたのですが、

<龍はツノはあるけど耳はない。龍はツノで音を感知するから耳は必要なくて退化したんだ。使われなくなった耳は、とうとう海に落ちてタツノオトシゴになった。
だから龍には耳がない。聾という字は、それで「龍の耳」と書くんだよ>

諸説あるらしいのですが、いい話ですね。

荒井は手話通訳士を辞めて何をするのでしょうか。
同棲相手と結婚するのでしょうか。
続きを早く読んでみたいです。