松嶋智左の「流警」シリーズの二冊 ― 2025/09/16

お祭りをやっているというので行くと、程よく神輿がやって来ました。
この神輿は男の人ばかりでしたが、女の人も担いでいるのもありました。
声が高いせいか担ぎ声が金属音っぽかったです。

『流警 傘見警部交番事件ファイル』
南優月巡査部長は傘見警部交番の警務係だ。
彼女は被疑者を護送中に事故を起こし、捜査一課を一年も経験しないで出され、傘見警察署へ異動していた。
彼女にとって傘見警察署は流刑の地だ。
傘見警部交番は元は傘見警察署だったが、地域の人口が減少し、産業も衰退した結果、警部交番に格下げされ、今は総勢十七人の署員が勤めている。
東大出身のキャリア、榎木孔泉が県警本部の地域部長から傘見に異動してくる。
彼は迎えの車にも乗らずにやって来て、専用住宅があるというのに職員寮に住み、自分で料理を作るようだ。
傘見に配属されたことに全く不満はないようで、恬淡な態度を取っている。
優月はそういう孔泉の態度が解せなかった。
交番長は警視正という階級に拘らず、普通に接するようにと言うが、優月は素直に頷けない。
何かしくじって傘見に飛ばされたのか、それとも上と揉めたのか・・・。
孔泉の世話係になった優月は彼とともに行動するが、彼の思惑がわからず、彼に振り回されることとなる。
孔泉はどうもコニュ障があるようですが、捜査能力は抜群で、傘見地区に起こった殺人事件や傷害事件、警察官の不祥事などをうまく解決に導いていきます。
ついでに優月が傘見に飛ばされるきっかけになった出来事の裏を的確に見抜きます。
最初の方では優月のやる気のなさがとても嫌で、そのせいなのか話がつまらなく、読むのを止めようかとも思いましたが、だんだんと面白くなっていきますので、安心して読み進んでいって下さいww。
孔泉の警察官としての矜持は素晴らしいです。
『流警 新生美術館ジャック』
総合アミューズメント施設『フェリーチェパーク』の五月オープンに先駆け、『新生美術館』が四月に開館することになり、開館式典が始まろうとしていた。
県警本部警備部警備第一課の巡査部長・志倉悠真は警備部長の随行兼警護の任務に就いていた。
式典開始の八分前に、激しい爆発音が轟き、美術館は狐面をつけた集団に占拠される。
その時、美術館の中にいたのは、副知事の秦玖理子と一人の少女、そして警備部長の榎木孔泉だった。
犯人たちは現金十億円と地元の陶芸家の作品が盗作であることを公表するように要求する。
孔泉たちは県警と密に連絡を取りながら、狐集団の正体を探りつつ脱出の機会を伺う。
犯人たちの真の目的は何なのか。
そして孔泉たちは無事に脱出できるのか。
読みながら似たような話を思い出しました。そういえばドラマでもありましたよね。
二番煎じみたいとも思いましたが、可愛い凜ちゃんが出てきたので許します。
彼女がいたからこそ悪巧みが明らかになったんですものね。
孔泉さん、めちゃ副知事に嫌われていましたが、彼のような男は副知事のような女は相手にしたくないでしょうね。
孔泉に人間らしさが少し出てきたようです。
読み始めは一作目の南優月巡査部長がいつ出てくるのかと思いましたが、最後まで出てきませんでした。
このシリーズは毎回孔泉が異動していき、異動先で孔泉と関わる警察官が主人公として語るお話なんですね。
だから次々と職場が変わっていくという意味で「流警」なんですか。
三作目も八月に出ていて、なんと舞台が温泉街です。
特に孔泉さんの裸は見たくないのですがww。
まだ電子書籍になっていないようなので、そのうちに読みます。
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