アリスン・モントクレア 『奇妙な花嫁候補 ロンドン謎解き結婚相談所』2025/11/09



前よりも黄色が強くなったと思います。
そろそろここのイチョウは葉が落ちそうです。


ロンドン謎解き結婚相談所シリーズの五作目。


アイリス・スパークスとグウェン・ベインブリッジが経営する<ライト・ソート結婚相談所>に予約なしで様々な人たちがやって来る。
とにかく娘をすぐに片づけたいという父親、自分が死んだ後に昆虫学者の夫に後添えを望む、余命わずかな女性、オックスフォードの卒業生で蛾を愛する22歳の女性…。

その頃、グウェンは精神医療裁判所に身分変更の申し立てをしていた。
同じ頃、モリソン卿から<ベインブリッジ・リミテッド>の取締役会に出席することを求められる。
取締役会ではグウェンの後見人のオリヴァー・パースンが動議を提出し、最高経営責任者からベインブリッジ卿を解任するように求めた。
動議は否決されたが、今度は精神医療裁判所の審議でパースンは取締役会での出来事を口実に、グウェンの身分変更の申し立ての同意を取り下げたいと言い出す。
グウェンは一週間で近友を召喚しなければならなくなる。
絶体絶命の状況に陥るグウェン。
それだけではなく、夫に後添えを望んだ女性、アデラ・レマーゲンの遺体がエセックス州の森で見つかる。
警察は自殺だと判断するが、アデラはグウェンと彼女の夫の再婚相手を探す代わりに自殺はしないと約束していた。

アイリスはグウェンの苦しみを少しでも和らげるために、他殺を疑っているエセックス州警察ラウトン署のヒュー・クイントン巡査の捜査を手伝うことにする。

グウェンは近友にふさわしい人がいないかと考え続け、やっと一人思いつく。
そして喜びのあまり愚かな行為をしてしまう。
その夜、パースンが撲殺された。

二つの殺人事件の容疑者になるアイリスとグウェン。
彼女たちは今までのように自分たちの力で事件を解決できるのか…。

グウェンは夫が戦死したと知らされた時とひとり息子の監護権が義父母に奪われたと知った時の二回、自殺未遂をし、1944年3月17日に精神医療裁判所から精神疾患者と宣告されました。
それから二年が経ち、息子の監護権を取り戻すために身分の変更を申し出たのですが、いくら貴族でも、女ですから、軽んじられているんです。
その怒りが突如として出現してしまい、彼女が不利な立場になることがあります。
今回もそうですが、アイリスという得難い友人が助けになります。
前のドールハウスのお話もそうでしたが、戦後のアメリカもイギリスも同じような状況だったのですね。

本の中に出てくる「近友(きんゆう)」というのは「指名された第三者としてミセス・ベインブリッジの申し立てを助ける人」だそうですが、イギリスの裁判用語なんでしょうか。
原書でなんと書いてあるのか確かめたいところですが…。

来年の1月に八作目が発売されるようです。
六作目は『Murder at the White Palace 』で、依頼人たちのために大晦日の夜会を開催しようと、二人は空きビルを探し回りますが、そこで遺体を見つけてしまうようです。
グウェンの監護権を取り戻すための裁判がどうなるのか、そして次なる二人の活躍が楽しみです。

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