直島翔 『転がる検事に苔むさず』2026/03/12

テミスの不確かな法廷』を書いた直島翔のデビュー作で、第三回警察小説大賞受賞作。


久我周平は東京区検察庁浅草分室の刑事部に所属する検事で、主に簡裁へ罰金刑を求めるという軽めの事件を扱っている。
区検の検察官室には久我と久我が指導官を務めている新人検事、倉沢ひとみがいて、事務官はまだ空席だ。

ある夜、久我が倉沢が届けるのを忘れた書類を墨田署に持っていくと、交通巡査の有村に検視官と間違えられて事件現場に連れていかれる。
若い男が東成電鉄の高架から転落して猛スピードの車に衝突し、死亡したという。
間違いついでに、検視官が遅れて来るというので、友人の刑事課長、追出に頼まれ、久我は遺体を調べた
翌日、久我は追出から刑事志望の有村の面倒をみてくれないかと頼まれる。
高架下の事件が自他殺のどちらにしろ、きちっと事実を固めてくれれば、推薦理由になるといいうのだ。
久我は倉沢と有村に協力する形で事件を調べていく。

久我は検事としての能力が高いのにも関わらず、知らない間に検察の派閥争いに巻き込まれ、期待していた異動が叶わず、今は出世コースから外されています。
嫌がらせもあり、ちょっとかわいそうです。
忸怩たる思いはありますが、ふてることなく、それなりに仕事を続けているのは偉いですね。
家庭に恵まれています。特に奥さん、理解があります。
娘は高校生で年頃なので、父親に素直になれませんが、ひょっとしたら跡継ぎになるかも。
倉沢は猪突猛進で、指導教官に対しても遠慮なんていう言葉はないですw。
もう少し思慮深くなるといいのですが。
彼女のような性格の方が検事や刑事などの仕事には向いていそうです。
有村は実直な警官と言う感じで、人としてはいい奴なんですが、刑事としてはどうなんでしょう。

なんで検事が警察官と一緒に捜査をするのかという疑問がありますし、ミステリとしてはそれほどではないですが、魅力的な登場人物が多いので、それだけで最後まで読んでいけました。
『テミス…』が好きなら読んでもいいかも。

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