小路幸也 『東京バンドワゴン』 ― 2012/09/15
知り合いの息子さんが、文化祭でこの本をもとにして劇をすると聞き、どんなものなのか読んでみました。
語り手は幽霊。幽霊と言っても全然怖くない、76歳で亡くなったおばあさんのサチさんです。
幽霊ですから便利です。
どらえもんのどこでもドアがなくても、瞬時で空間移動ができてしまいます。
人の内緒話も気づかれずに聞くことができます。
今ではめったにない、大家族のお話です。
東京の下町でお寺や路地の多いところというと、そうです。谷根千付近でしょうかね。東大が近いので、古本屋もあるでしょう。根津神社らしき神社も出てきます。
「東京バンドワゴン」ってバンドの名前かと思ってしまいますが、実は古本屋の名前なんです。いわれがあるようなのですが、ここには書きませんので、気になったら本を読んで下さい。
築70年ぐらいの日本家屋に古本屋とカフェがあります。
古本屋は昔から営んでいるのですが、カフェはお嫁さんの元国際線スチュワーデスの亜美が言い出して始めたようです。
この「東京バンドワゴン」を営むのが、堀田家です。
おじいさんの頑固おやじ勘一を始め、息子で伝説のロッカー我南人(がなと)、娘の藍子、藍子の娘花陽、我南人の息子の紺、紺の妻の亜美、紺と亜美の息子研人、我南人が愛人に産ませた息子の青。
以上8人がこの古い日本家屋に住んでいます。
8人でも多いと思うのですが、シリーズが進むにしたがい、もっと増えていくようです。
知らなかったのですが、この本、人気があるらしく、シリーズ化しています。
著者は北海道に住み、年に一回、春にこのシリーズ物を出版するようにしています。
もう7冊出版されているようですね。
堀田家を中心に起こる日常生活の些事を、ほのぼのとしたタッチで描く、古き良き昭和の香りが漂うシリーズです。
もうドラマ化か映画化をしているとばかり思っていましたら、まだしていないそうです。
何故なのでしょうね。
こんなに出演者が多いと時間が合わないからでしょうか。
誰がこの役にいいかという話も出回っています。
是非読んで考えてみてください。
私の案はしばらく考えてから紹介します。
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