サラ・ハーマン 『うちの子が犯人なわけない』 ― 2025/07/11

三十一歳のフローレンスは10歳の息子を持つシングルマザー。
元ガールズ・グループのボーカルをしていたが、子どもを産んで正気を失い、再結成の時にバンドを外された。
その時からずっとカムバックを狙っている。
定職にもつかず、行き当たりばったりの生活をしている。
息子の学校のママたちをバカにし敵対心を持っているため、ママ友も友だちさえいない。
息子のディランが校外学習に行った日にとんでもない事件が起こる。
アルフィー・リズビーが行方不明になったのだ。
ディランによると、その日、彼はアルフィー・リズビーと組んでいたが、彼がゴミ箱を探しにいっている間にアルフィーはいなくなったという。
ディランはそれを言わなかったため、学校に戻ってからアルフィーがバスに乗っていなかったことがわかり大騒ぎとなったのだ。
ディランが元夫のもとに行った後に、フローレンスはディランのベッドの下にアルフィーのリュックサックを見つける。
その中にあった日記帳にディランがアルフィーに「殺してやる」と言ったことが書かれていた。
まさかディランが・・・。
フローレンスは日記帳を燃やす。
息子の嫌疑を晴らすため、フローレンスは双子が同じ学校に通う弁護士のジェニー・チョイを巻き込み、犯人探しを始める。
原題が「All The Other Mothers Hate Me」です。
はっきり言って、フローレンスが嫌われるのは仕方ないです。
彼女はイギリスにいるイケイケのアメリカン・ガールで、容姿に自身があり、男は睫毛をパチパチすりゃあ落ちると思っているのですから。
友だちになったジェニーから痛烈なことを言われています。
「あなた、容姿が衰えたらどうするつもり?代わりの策があるわけ?ああいう手管には賞味期限があるのよ」
その通り。
他にもここには書きませんが色々とえげつないことをしています。
そんなフローレンスですが、最後の方でやっと気づきます。
「やっとわかった。この十年間、あたしはずっと楽な道を選び続けていたのだ。
(中略)決まった仕事も恋人もなく、ほかのママたち全員から嫌われている」
自分の息子を助けるために犯人探しをしていたのですが、やっと最後に正しいことをやろうと思うフローレンス。
満身創痍にはなりましたが、ちょっとは利口になったかな。
母の愛は強しというお話でした。
『ババヤガの夜』とは違った意味で、読む人を選びます。
私は何度も読むのを止めようかと思いました。
はっきり言ってフローレンスみたいな女性、大嫌いwww。
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