柚月 裕子 『ウツボカズラの甘い息』2015/12/17



家事と育児に追われ、劇太りでかつての美貌をなくした高村文絵の今の趣味が懸賞でした。
久しぶりに懸賞で当たったディナーショーに行くと、中学校で同級生だったというサングラスの女に声をかけられます。
女は『加奈子』と名乗り、文絵にあこがれていた、文絵に恩返しをしたいと言いはり、強引に鎌倉の別荘に文絵を誘います。
文絵が別荘に行ってみると、持ちかけられたのは化粧品販売セミナーの講師になるという仕事で、謝礼は高額なものでした。
文絵はダイエットをして仕事に臨み、セミナーは上手く行くのですが・・・。

神奈川県警捜査一課の刑事秦は鎌倉署の女性刑事中川菜月と組み、鎌倉の貸別荘で起こった殺人事件の捜査をすることになります。
秦が気になるのは、別荘に出入りしていたというサングラスの女。
一体彼女は誰なのか。
彼女を追ううちに、事件は思いがけない方向へと進み始めます。

最初はあまり登場人物が好きなタイプでもなく、過去の栄光が忘れられない馬鹿な女の話かと思ったのですが、そんなに単純ではありませんでした。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが。

秦と菜月のコンピでまた違うものを読みたいです。