筑前助広 『颯の太刀 好敵手』 ― 2025/01/09

筧求馬の前に蓮台寺の仙波迅之助と名乗る男が現われ、徳前屋庄兵衛が求馬の命を狙っていると報せて消える。
その頃、公儀御用役である求馬は田沼意知から信州の小県の土師で起っている辻斬り事件の解決を命じられる。
信州までの道中、求馬は困っている人を見捨てられず、腰を痛めた老婆や父を殺された娘、破落戸に絡まれていた子を連れた母親を助ける。
その合間に蒲池伊織たちと山賊たちを追い、求馬に興味を持ち、後を尾行ていた仙波迅之助とともに、吉隅村への復讐を果たそうとする男を斬る。
旅の最後、士師で、求馬は辻斬りをしているという辻神逸刀を止められるのか。
そして、最強の刺客とどう立ち向かうのか…。
私が気になったのが、吉隅村の件です。
20年前に自分を見捨てた村人たちに復讐しようとした甚六が可哀想でなりません。
せめてお敬が甚六が斬られるのを見ていただけではなく、身を挺して甚六を諭して欲しかったと思います。
これからの楽しみは、仙波迅之助がどう求馬と絡んでくるのか。(絡んでもらいたいです。この後も登場しますよね)
そして、求馬が人を斬ることに対する葛藤とどう折り合いをつけていくのか。
「人を斬らずに悪を斬る」、「他人を活かし、自分も生きる」という「目指すべき活人の剣」をどう突き詰めていくのか。
この三つです。
求馬の剣士としての成長を楽しみしながら、このシリーズを読んで行こうと思います。
*『颯の太刀 好敵手』について筑前さんがお書きになったものを見つけましたので、興味のある方はご覧下さい。
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