劇団四季「ハムレット」を観る2008/01/19

「ハムレット」は、前にイギリスの劇団のを観たことがあります。
英語は少しぐらい(?)わかんなくたって、大丈夫。
イギリス人だって、シェイクスピア劇のすべてがわかっているわけではない、と誰かから聞いてから安心しています。
でも、本当にそうなんでしょうか?
日本人に能のセリフがすべてわかるというわけではないというのと同じですかね?
シェイクスピアの英語は耳に心地よく、韻を踏んでいるし、比喩なんかも豊富ですが、日本語になるとどうでしょうか?
はっきり言うと、日本語のハムレットは饒舌すぎ。
まあ、シェイクスピアの台詞をすべて日本語にすると、そうならざるえないのでしょうが。

舞台は黒。遠近感をだすためか、6本(だったと思う)の白い線が、中心に向けてひいてあります。(写真)
大道具を最小限にし、椅子などの小道具で場面展開を表します。
後で四季の説明を見ると、イギリス人のジョン・ベリーが舞台装飾をしたそうですが、しゃれた舞台だと思いました。

ハムレットの俳優さんは細い方で、まあ、ハムレットとしてはOK。(写真中央左、小さすぎで見えませんね・・・)
オフィーリア役の方は、小柄な人ですが、どちらかというと私の見た感じでは、下町のチャキチャキしたお姉さんという感じでした。
背が高くてもいいから、もっと繊細そうな人で、気品ある顔の人の方がいいなぁ。
友人のホレイショーは、役柄のイメージにピッタリ、私の好みでした。

『ハムレット』の筋は…。
元国王の亡霊が出るという噂を聞き、息子のハムレットは会いに行きます。
その亡霊は、自分は弟の現国王クローディアスに、寝ているときに耳に毒薬を入れられ、殺された語ります。
それを聞いたハムレットは、父の仇を討とうと決心します。
ハムレットは気がふれたような振る舞いをし始めます。
ハムレットが本当に気がふれたのかを知りたいクローディアスは、探りを入れるために、オフィーリアを利用しようとします。
それを知ったハムレットはオフィーリアに「尼寺へ行け」とまで言いきります。
たまたまやってきた旅芸人を使い、ハムレットは父親の殺害の場面を演じさせます。
そのときのクローディアスの様子を見て、ハムレットは父を殺害したのがクローディアスだと確信したのです。

劇の後、ハムレットは母の部屋に呼ばれます。
彼女は彼の行いを諫めようとしますが、カーテンの後ろに誰かがいることに気づいたハムレットは、それがクローディアスであると思い、剣で突き刺します。
それはオフィーリアの父親である宰相ポローニアスでした。
オフィーリアは度重なる悲しみのあまり狂い、やがて溺死してしまいます。
ポローニアスの息子で、オフィーリアの兄レアティーズは父と妹の仇をとろうとします。
ハムレットの企みに気づいたクローディアスは、ハムレットをイギリスにやり、イギリス王に殺させようとします。
ところがハムレットは、旅の途中にイギリス王に宛てたクローディアスの手紙を盗み見て、イギリスには行かずにデンマークに戻ってきます。
クローディアスはレアティーズを使い、ハムレットを殺そうとします。
毒剣と毒入りの酒を用意してハムレットを剣術試合に招き、秘かに殺そうとするのです。
試合中にハムレットに飲ませるはずの毒薬を、王妃が飲んでしまい、ハムレットとレアティーズの二人は毒剣で傷ついてしまいます。
死にゆくレアティーズから真相を聞かされたハムレットは、王を殺して復讐を果たした後、事の顛末を語り伝えてくれるよう親友ホレイショーに言い残し、死んでいきます。

まあ、今からして見れば、なんとくだらない、などと思えてしまう筋ですね。
母親が再婚したことに対するハムレットの憤りを見ていると、ハムレットってひょっとしてマザコンか、もしくはウブだったってことですかね。
ハムレットの嘆きが大げさに思えてしまう私って、もう悲劇を受け入れなくなってしまったのでしょうか。
翻訳物は本当に難しいものです。
これからは楽しいミュージカルを観た方がいいようです。