エヴァ・ビョルク・アイイスドッティル 『軋み』2024/07/18

アイスランドのミステリで英語からの翻訳です。


エルマは恋人と別れたことをきっかけにして、レイキャヴィーク警察を辞め、故郷のアークラネスに戻り、アークラネス警察の犯罪捜査部の刑事として働き始める。

そんなある日、年齢が三十代から四十代の女性の死体がアークラネス灯台の麓の海岸で見つかる。
その数日後、パイロットの妻、エリーザベトが職場に病気で休むと電話を入れた後に行方不明になったと夫から届け出がある。
灯台の死体と同一人物だと思われた。
彼女は子供時代にアークラネスに住んでいたが、町を嫌い、町には絶対に行かなかったという。
嫌うには何か理由があったのか。それなのに何故アークラネスに行ったのか。
検視によると、彼女は車にはねられた後に発見現場まで運ばれたようだ。

エルマはエリーザベドの過去を探り始める。

アイルランド人は姓のない名前で表記されていて、多数は名前の後に父親の名を属格として、男の子の場合は「-son」、女の子の場合は「-dottir」をつけるそうです。
例えば、アイスランド首相のKatrĺn Jakobsdóttir(カトリーン・ヤコブスドッティル)は、名前がKatrĺn でJakobsdóttirはJakobsの娘という意味なのです。
ヤコブスドッティルは姓ではありませんので、正式にはカトリーンと呼ぶそうです。
他のアイスランドミステリを読んだはずなのに、気づきませんでした(恥)。

救いようのない話で、いかにも北欧らしいミステリと言っていいと思います。
小さな町の雰囲気が重苦しく、機能不全の家族、そして…この先は書きませんが、気持ちのいいものではありません。

傷心のエルマは気持ちに折り合いをつけることができるのでしょうか。

このシリーズはForbidden Icelandシリーズと言うようで、英語で五巻まで翻訳されています。
二巻目は『Girls Who Lie』でエルマは殺されたシングルマザーの過去に迫ります。
翻訳が待たれます。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2024/07/18/9702267/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。