「ボレロ 永遠の旋律」を観る ― 2024/08/30
バレエで有名な「ボレロ」がどうやってできたのか、興味があったので、観に行って来ました。

ジョゼフ・モーリス・ラヴェルは1875年フランス領バスク地方のシブールで生まれる。母のマリーがバスク人。
パリ音楽院で学ぶ。
1900年からローマ大賞を取ろうとするが、5回も落選する。
第一次大戦で空軍に入ろうとするが、入れず、衛生兵となる。(Wikipediaでは輸送兵)
大戦中に家に帰ると、母は病気で、彼が帰った日に亡くなる。
1928年、アメリカへ演奏旅行に出かけるモーリスにダンサーのイダ・ルビンシュタインがバレエ音楽を依頼する。
しかし、モーリスは深刻なスランプに陥っており、一音もかけない。
そのためアメリカから戻ってからもイダから逃げ回っていた。
結局、20分の曲が欲しいと言うイダに交渉して、17分にしてもらう。
彼が「ボレロ」の曲想をもらったのは、工場の機械の音やメイドの女性の好きな流行歌、時計の音など様々な音からだった。
出来上がった曲をイダに渡すと、彼女は気に言ったようだ。
だが、リハーサルの舞台で踊る彼女を見て、モーリスは激怒する。
ここは娼館か!
パリオペラ座での「ボレロ」の初演は成功裏に終わる。
モーリスはイダと和解する。
残念ながら「ボレロ」以降、モーリスがかいた曲はわずか三曲。
何らかの神経変性疾患にかかり、軽度の記憶障害や言語障害が現れ、動作が次第に緩慢になり、手足をうまく動かせなくなっていく。
脳の手術も受けるが、治らず、62歳で生涯を終える。
映画の音楽はすごくよかったです。音楽を聴いているだけで満足しました。
内容的には、時間があちこちに飛び、これはいつのことなのか、すぐにはわからなくて、ちょっと混乱しました。
「ボレロ」よりも彼に関わる女性たちが気になる映画です。
特に母親とミシアが気になりました。
彼は母親を熱愛しており、マザーコンプレックスがありそうです。
ミシアは友人の妹で最愛の女性です。
彼は音楽にすべてを捧げるために、結婚はしないと決めていたようですが、ミシアとの縁は切らずにいます。ミシアの夫は金持ちで自分は浮気をするけど妻の浮気は許せないという勝手な奴ですが、モーリスがミシアに手を出さないと知っているので、二人が会うことを許しています。
モーリスはフェティシズムがありますね。娼館に行っても娼婦にミシアが忘れていった手袋をはめさせて、喜んでいるんですもの、笑。
性的に奥手なのか、性的なものに恐怖心を抱いているのがわかります。
だからイダの振り付けしたダンスに嫌悪感を持ったのでしょうね。
彼は細かいところに神経質な人だったのでしょうか。
靴が履きたい靴ではないと言って、演奏者たちが待っているのに、リハーサルに行かないとわがままを言ったり、テンポがちょっとでも狂うと演奏を止めさせたり…。
実際はどうかわかりませんが、映画での彼は付き合うのが相当面倒な人のようです。
最初と最後にボレロが演奏されています。
オープニングではクラシックだけではなく様々な演奏家が演奏するボレロが出てきて、見ているだけで楽しいです。
エンディングでは「ボレロ」を演奏するオーケストラの間をぬってダンサーが踊っています。
元パリオペラ座のエトワール、フランソワ・アリュらしいです。
若い頃と雰囲気が違っていますねww。
有名な男女二人の「ボレロ」を見てみて下さい。
ギエムのは彼女が引退する前に東京で見たことがあります。
ベジャールの「ボレロ」を踊るシルヴィ・ギエム こちら
ジョルジュ・ダン こちら
コメント
_ ろき ― 2024/08/30 18時50分17秒
_ coco ― 2024/08/31 11時03分08秒
ラヴェル役のラファエル・ペルソナは結構写真のラヴェル本人と似ていますが、20代には見えず、歳相応(40代)に見えてしまい、そのためか時間が変わってもいつの時代なのかわかりずらかったです。60代では髪を白くすればいいので、わかりましたが、笑。
「ボレロ」を作曲してから10年近くもまともに作曲ができずに生きているというのは、作曲家にとってとても辛い事だったのではと思います。それでなくとも、何やらこだわりのある人だったみたいですからね。
天才にとって才能は「大きなクセ」かもしれませんねww。
「ボレロ」を作曲してから10年近くもまともに作曲ができずに生きているというのは、作曲家にとってとても辛い事だったのではと思います。それでなくとも、何やらこだわりのある人だったみたいですからね。
天才にとって才能は「大きなクセ」かもしれませんねww。
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才能は「大きなクセ」ともいえるから、本人には大変な人生だったのでしょう。
映画館に来たら観に行きたいです。