「ハード・トゥルース 母の日に願うこと」を観る2025/10/30

原題「Hard Truths」。イギリス映画です。 
副題が余計だと思いますが。


パンジーは朝から晩まで配管工の夫と22歳の引きこもりの息子に不平や文句を言って過ごしている。
虫や動物、植物などを異常に恐れ、毎日家じゅうをピカピカにしないではいられない。
ソファを買いに行くと、店員にクレームをつけ、病院ではいつもと違う若い女性医師の治療に文句をつけ、歯医者でも同じことをしたので他の病院に行ってくれと言われ、駐車場やスーパーではお客と喧嘩をする。

一方、妹のシャンテルは美容師として働きながら、シングルマザーとして二人の娘を育て、いつも笑顔で、笑いが絶えない生活をしている。

母の日に、パンジーはシャンテルに五年前に亡くなった母のお墓参りに誘われる。
パンジーはいやいや墓参りに行く。
母の墓前でパンジーは、母はシャンテルばかりひいきしていたと、母の悪口を言う。
どうもパンジーは母が亡くなっているのを見つけ、それがトラウマになっているようだ。
妹は「あなたを理解できないけど、それでも愛している」と言うが…。

妹の家に夫と息子も集まり、母の日のディナーを食べるが、パンジーは頑なに食べようとはしない。
息子が彼女に花束を買ったと聞き、微妙なパンジー。
家に帰り、一応、花束を花瓶に入れる。
しかし、その後、パンジーは夫に理不尽な怒りをぶつける。
夫はそんなパンジーに対抗するわけでもなく、ただ花束を庭に捨てるだけ…。


何も言わずに、罵詈雑言に耐えている夫と息子に同情してしまいました。
とても素敵な家に住んでいるのに、何が不満なのでしょうか。
夫に追い出されても文句を言えないですよ。
描かれていませんが、何か夫に負い目があるのでしょうか。
夫の方の家に何かありそうな感じが漂っています。
息子には明るい未来を暗示する場面がありましたが、夫はどうなんでしょうね。


運転しながら口をへの字にし、眉間にしわを寄せているパンジー(↑)。
怖いですねぇ(笑)。
パンジーはエレベーターに乗れないことや、人に対して攻撃的なわりに傷つきやすかったりするところから、母親との関係では満たされず、寂しい思いをしてきたことや周りの人たちとも何かあり、人に対する不信感が育まれたんではないかと伺い知ることができます。
何か精神的な病がありそうな感じです。
とにかく彼女の罵倒語の語彙の豊富さには驚きました。
女医さんを「眼鏡をかけたマウス」と言った時には吹き出しそうになりました。
だって、そっくりなんですもの。
たとえ彼女が自分は孤独だと思っていたとしても、理解しようとしてくれる妹がすぐそばにいるということに気づいて欲しいですね。
気づけないところが不幸なんでしょうけど。

この映画も見る人を選ぶ映画です。
中年女性の罵詈雑言に耐性がある方は見てください。
私はうんざりしましたが、悪態をつく言い方にも様々なバラエティーがあるんだなと感心しました。
マイク・リー監督は「脚本を用意せず、即興でリハーサルを重ねて作りあげていく」人らしいので、パンジー役のマリアンヌ・ジャン=バプティストがどう言えばいいか考えたんでしょうかね。
なんかほっこりする映画が見たくなりましたわ。

予告編 (悪態の一部をご覧くださいwww)