北森鴻 『親不孝通りディテクティブ』&『親不孝通りラプソディー』2012/02/11

北森さんの本は全部は読んでいませんが、ほぼ知っていると思っていました。
甘かったです。
この「鴨ネギコンビ」シリーズは知りませんでした。
私の好きな民俗学や骨董の世界を描く作品ではありません。


博多長浜でカクテルとおでん、ラーメンを出す屋台をやっているテッキこと鴨志田鉄樹と高校の同級生で結婚相談所の調査員のキョータこと根岸球太。
このコンビと言えないような二人のお話。彼らの姓を取って「鴨ネギ」コンビ。(ベタな名をつけてます・・・)

『親不孝通りディテクティブ』は短編集です。
まっとうに屋台商売をやろうとしているテッキのところに、厄介な事件がやってきます。
事件を運んでくるのが、コンビの片割れで、お調子もん、頭を使うことが苦手なキョータや鴨ネギたちの高校の元教師で華岡結婚相談所経営者のオフクロ、ライブハウス≪セブン≫の経営者にして伝説の歌姫、そして博多署に勤めながらも危ないバイトをしている刑事です。
テッキって頭脳派で事件を鮮やかに解決していくのが格好いいですが、見かけがあまりよくないのかしら?女にもててません。


『親不孝通りラプソディー』は鴨ネギコンビが高校時代に起こした、とんでもない事件の話です。
もちろん、その事件の発端はキョータですよ。
キョータはいいところのボンボンで、父親が県会議員に立候補しようかという人です。
自分は格好よくて、もてると勘違いしていて、歌姫の経営する≪セブン≫でひっかけた女の子とトイレの中でいいことをしていると・・・美人局に引っかかってしまいます。
用意するのは一千万。金を寄越さないとテメエのやったことを世間にばらしてやるぞ、ということになります。
そこでどうしようもなくなり、キョータが考えたことは鴨、失礼、テッキと一緒に金を用意することです。どうやったかはネタバレするので書きませんが。なんで自分だけでやればいいのに、テッキまで引き込むのでしょうかね。

北森さんって山口出身なのに、博多のことをよく知っているようです。
博多って屋台が有名ですよね。私は一度も博多に行ったことがないので、よく知らないのですが、たぶん北森さんの描いているような雰囲気の所なのでしょう。
冬は寒そうなので、暖かくなったら行ってみたいです。ラーメンもいいけれど、餃子も美味しそうです。

関係ない話ですが、今日、餃子の大将で持ち帰り餃子を頼んだところ、相棒に笑われてしまいました。

私:「餃子12個ください」
店員:「二人分ですね」

大将では餃子は一人分、二人分と頼むのですね。なにしろ王将に1回しか入ったことないですから。

北森さんの本で彼の死後、公私共にパートナーであった浅野里沙子が完成させた『蓮邪馬台 蓮丈那智フィールドファイルⅣ』が出版されているそうなので図書館で探して読んでみたいと思っています。

この親不孝通り、いえ、鴨ネギシリーズもシリーズ化するつもりで書いていたのでしょうね。
続きが読めなくて、ホント、残念です。