沼礼一 『吉祥寺の探偵1~2』2015/03/15



吉祥寺と言えば、「住みたい町第一位」の町として有名ですね。
私も一年間だけですが住んでいたことがあります。
その時はそんなに有名ではなくて、喫茶店がたくさんあり、夜にはジャズを聞きに行ったりできる静かな町でした。
吉祥寺と探偵ってあまりそぐわない気もしますが、おもしろそうなので買ってみました。
残念ながら、本格ミステリではなく、どちらかというと数字パズルの本でした。

毎月の家賃と給料に悩む、井之頭公園入口に近い古いビルの四階の一室にある貧乏探偵事務所が舞台です。
所長の葛樹は脱サラして探偵事務所を開きました。いつも金銭の悩みに頭を痛めています。
ベテラン社員の久保田は暇に任せて居眠り三昧。
若手の啓介はコンピューターでお金になりそうな事件を探しつつも、ロジャースで買ってきたせんべいばかり食べています。
紅一点の涼美はスタイル抜群だけど厚化粧でお水と勘違いされる人です。もちろん自分よりも若くて美しい女性が大嫌い。

お金が入らないなら社員を全員首にすればいいのに、何故かしないんです。
その上、いつもみんなでランチに行き、所長が全額払います。
実はこの本、彼らが昼飯に行くお店が詳しく書いてあるので使えそうです。
メモをしておいて、今度吉祥寺に行ったら入ってみようと思います。
内容自体はミステリファンにはどうってことないですが、グルメに興味がある人には参考になるかもしれません。
あ、でも、有名なお店ばかりなので、吉祥寺を知っている人には参考になりませんね。
吉祥寺という名前に惹かれて読むと残念な結果になるかもしれません。
帯にユーモアパズルミステリとありますから、そういうのが好きな人用です。