中山七里 『ハーメルンの誘拐魔』2021/02/09

刑事犬養隼人・シリーズの三作目。


週に一度の通院の日に、母親がドラッグストアに寄りちょっと目を離した隙に、月島香苗は行方不明になってしまう。彼女には記憶障害があり、今では母親さえ認識できない。母親の綾子はしばらく一人で探し回るが、見つからず、交番に飛び込み助けを求めた。
手分けをして探し回った二時間後に、香苗が姿を消したドラッグストアの前で落ち合うが、香苗は見つからない。綾子は失望のあまりその場に蹲ってしまうが、その時に偶然に自動ドアの隅に二枚の紙片を見つける。それは香苗の生徒証と絵葉書だった。絵葉書には一人の男に先導されて村から出て行く子どもたちのイラスト、有名な童話の<ハーメルンの笛吹き男>の絵が印刷されていた。

月島家は母子家庭で、財産もないので、身代金目当ての誘拐ではなさそうで、犯人から連絡が来る可能性が低そうだ。
猥褻目的か本人か母親に対する復讐か?

今回の事件で犬養隼人は高千穂明日香とペアを組むことになる。
高千穂は25歳で、捜査一課の紅一点。犬養を毛嫌いしており、何かと皮肉を言ってくる。思い込みの激しそうな、相棒にはしたくない部類の人だ。

その頃、犬養親子の間に変化が訪れていた。沙耶香がやっと言葉を交してくれるようになったのだ。
いつものように沙耶香のところに行くと、香苗の事件を担当しているのかと聞いてくる。彼女は前から綾子が書いた香苗の闘病記録のブログを読んでいたそうで、香苗は子宮頸がんワクチンの副反応で記憶障害に陥ったというのだ。
犯人がブログの読者で、コメントを寄せているのではないかと思いつく犬養。

数日後、下校途中に寄った神社の境内に、忘れた携帯電話を取りに行った女子高校生が行方不明になる。境内にはいなくなった女子高校生のスマートフォンと<ハーメルンの笛吹き男>の絵葉書が残されていた。
誘拐された女子高生の父親は日本産婦人科協会の会長だった。

子宮頸がんワクチンの被害者と加害者の双方の子どもが誘拐された。
犯人の狙いは一体何なのか?

今回は子宮頸がんワクチンがテーマです。
前に子宮頸がんワクチンを扱った本『10万個の子宮 あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか』を読みました。
この本と一緒に読むと、より深く子宮頸がんワクチン問題についてわかると思います。
是非若い女性の方と、娘さんを持った親に読んでもらいたいと思います。


<今週のおやつ>
千葉県のパイのお店からのお取り寄せ。


これはアップルパイです。他に甘くないパイが5種類入っていました。
レンジとトースターで暖めると、熱々で美味しかったです。

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