中山七里 『氏家京太郎、奔る』2025/04/23

鑑定人 氏家京太郎』の続編。


東日暮里のアパートの一室で腐乱死体が発見される。
部屋はゴミ屋敷と化し、死後二月が経っており、殴殺された形跡があった。
被害者は天才ゲームクリエイターの九十九耕輔で、現場から採取されたティッシュのDNAから九十九の同僚である御笠徹二が逮捕される。

警視庁科学捜査研究所のOBで、今は民間の<氏家鑑定センター>の所長である氏家京太郎はネットニュースを見て驚く。
御笠徹二は高校時代からの親友だった。

御笠は一度も九十九の家に足を踏み入れていないと主張し、犯行を否認する。
氏家は御笠の無実を証明するために、自ら奔走する。

前作に比べると、ちょっと中だるみかな。
親友のためなら、クールな氏家も本気になり、刑事事件に不慣れな美能弁護士に不安を覚えながらも、きっちり仕事をします。
警察と検察のやり方が汚いですが、何しろ経験値が低い美能弁護士ですから、見くだされても仕方ないです。
最後にやっとドンデン返しがありますので、お楽しみに。

最後の方で氏家の言うことに同意します。

「(前略)犯罪を犯した者を分母としてサンプルを取っているが、経済的貧困や教育的貧困に喘ぎ、家庭内暴力や愛情不足に悩まされても真っ当に育った人間は大勢いる。まともに育っているからサンプルに選ばれていない。こういう統計の取り方をすれば当然、劣悪な家庭環境に育った子どもが長じて犯罪者になる確率は高くなる。数字のマジックだ」

特殊清掃人の五百旗頭(いおさべ)と私立探偵の鳥海が氏家と仕事をし、氏家の頭の中にだけ御子柴弁護士が出てきます。
そろそろ御子柴弁護士に会いたいのですが、五月は高頭冴子シリーズの新刊が出版されるようです。

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