一色さゆり 『ロゼッタストーンの暗号 コンサバターⅥ』 ― 2025/09/29
コンサバター・シリーズの六作目。

ルーヴル美術館での任務を終え、糸川晴香とケント・スギモトはロンドンに戻ったが、すぐに大英博物館の副館長になったばかりのウィンストン・キースに呼ばれる。
また大英博物館に籍を置いて、晴香には展示室のリニューアルを支える修復チームに入り、スギモトには大英博物館が抱えている最重要課題に取り組んでほしいと言うのだ。
スギモトは返還部門に所属することになったが、彼の元恋人であり、オークションハウス、キャサリンズでナチスの略奪品や文化財返還の問題に取り組んでいる調査チームの一員であるアンジェラが返還部門のチーム長になっていた。
返還部門の最重要課題は、不法または非道徳的にコレクションになった作品のリスト化だったが、なかなか進まない。
焦りを感じるアンジェラに脅迫メールが届く。
その頃、スギモトは美術特捜班のマクミランに会い、2つのこと頼む。
不法輸入されたカンボジア美術を調べることと行方不明になっている英国の暗号解読者ハンス・エドワードの詳しい情報を教えてほしいと。
晴香は新任レジストラーの陽曉東と親しくなるが、彼は何かを計画しているようだった。
やがてルーヴル美術館からエジプト美術の収蔵物が盗まれ、犯人からとんでもない要求が出される。
大英博物館に行ったことがありますが、とんでもなく広くて、一日で全部は回れません。途中で足が痛くなりました。
エジプトの展示室を見た時には、よくこんなに盗んで来たわね、と思うぐらい多くのミイラがありました。
石の神殿もあり、どうやって運んで来たんだろうと思いました。
持って帰るために、どれほど多くのものを破壊してきたのでしょうねぇww。
とにかく大英博物館はすごいです。
今回、晴香が関わる展示は「性の歴史」、「ペットの歴史」、「文字の歴史」、「お札の歴史」です。
「性の歴史」では葛飾北斎や喜多川歌麿などの春画、「ペットの歴史」ではエジプトの≪猫のミイラ≫、「文字の歴史」では解読を待っている15万の粘土板やシリンダー、「お札の歴史」では最古の紙幣からカラヴァッジョのリラ札などが取り上げられています。
蘊蓄が面白いので、興味のある方は読んでみて下さい。
そうそう大英博物館に猫なんかいるんですか?
調べてみると、今はいませんが本物の猫がいたことがあるようです。
お話が中途半端に終わり、次に持ち越されてしまいました。
できれば切りよく一冊で事件は終わって欲しいですね。
<シリーズの順番>
⑥『ロゼッタストーンの暗号 コンサバターⅥ』(本書)
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