髙田郁 『志記(一) 遠い夜明け』 ― 2025/10/19
髙田さんの新しいシリーズの開幕です。

黒兼藩で代々藩医を勤める家系である蔵源家の一人娘、美津は文化元年(1804年)、如月の清明の日に生まれた。
彼女の祖父、教随は秘密裏に腑分けを行い、藩校としての医学校「青雲館」創設に尽力し、父の恵明は「青雲館」を引き続き、その発展に尽くした。
十五の歳から美津は青雲館で医学を学び始めた。
開校以来初めての女の学生であるため、美津は後ろ指を差されないように、三年間常に首席を取り続けた。
最終年の首席者は京、大阪、江戸のうち、好きなところへの遊学が許されている。
しかし、美津は女であるが上に遊学先を見つけられずにいた。
藩主に付いて江戸にいる恵明は見かねて、江戸で美津の遊学先を探し始める。
美津と同じ時に生まれた備前の刀鍛冶の一族の娘、高越暁は刀工を目指し、江戸の神田紺屋町の刀工、三石真達の弟子となる。
暁の祖母は『女忠光』と異名を取った女刀工だった。
女であるが上に、兄弟子たちからの嫌がらせが続いていた。
医学を志す美津と刀工を目指す暁。
二人の人生が江戸で交差する。
美津の後見人、精華院尼が言った言葉、『灯りを高々と掲げて、その道を行くがよい』は前に読んだ『らんたん』に通じるものを感じました。
江戸時代に困難な道を歩こうとする二人の女性の人生を、これから描いていくのでしょうね。
帯に「私のライフワークとなる新シリーズ」と書いてありますので、今まで以上に面白いお話になりそうで、楽しみです。
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