狭山公園に行く♡2023/10/16

犬と行ける、それほど遠くない、草のあまりない公園を探しています。
湖のそばなんかよさそうと思い、狭山公園に行ってみることにしました。

駐車場から堤防の方まで行ってみました。


左に見えるのが多摩湖の取水塔。


堤防を歩いて行き、振り返った景色。


右手に見えるのが風の広場。堤防から階段を降りていきます。


わんこたちはいつもと違うのがわかるらしく、嬉しそうに元気に歩いていきます。


アラ、あちらに見えるのは富士山ではないですか。


拡大すると、雪が積もった頂上が見えます。


ススキと一緒に撮ってみましたが、ススキの穂がまだ開いていないので、変わり映えしないですね、笑。

わんこには階段がよくないので、端まで歩いて行き、坂を降りて広場の方へ行ってみました。
道が舗装してあり、サイクリングやウォーキングなどによさそうです。
途中まで行って、わんこを抱き、広場から堤防まで階段を上りました。
ママは日頃の不摂生のため、休み休み登りました。
筋肉痛になりそうです。


堤防の上で記念写真。
お座りはしても、相変わらず前を向いてくれないわんこたちです。


最後にもう一枚。
お座りしないけど、兄だけ前を向いてくれました。
この後、お座りしてくれましたが、そっぽを向いています。

今まで行った公園の中で、また来たいと思える公園でした。
次は太陽広場とか野鳥の森とかにも行ってみたいです。
桜も咲くみたいです。

わんこたちは疲れたのか、おやつのおいもを食べた後、グッスリ寝ています。
次はどこに行こうかしら。
可哀想に、わんこたちはこれからもママの趣味に付き合わされるみたいですww。

桜木紫乃 『ヒロイン』2023/10/15



バレエ教室を経営している母親の命じるままにバレエを始め、コンクールに出るようになった岡本啓美。
彼女の人生が狂ったのは、コンクールでどこの留学資格も得られなかった時なのか、母の支配から逃れるために「光の心教団」に入信した時なのか、それとも…。

1995年3月、渋谷駅で毒ガス散布事件が発生する。
実行犯として指名手配されたのは宗教団体「光の心教団」の男性幹部・貴島紀夫と 23歳の信者・岡本啓美。
啓美は事件当日、たまたま禁じられていた五階に行き、貴島に見つかり、何一つ知らされずに彼と行動を共にしただけだった。

最初は貴島と潜伏するが、彼に失望し、彼の持っていたお金の一部をひそかに盗み、啓美は逃亡する。

事件から三ヶ月後、新潟。
母と離婚後、父はみどりという女と再婚し、すみれという娘がいた。
すみれには皮肉にも啓美にはなかったバレエの才能があったが、父はバレエをするのを禁じていた。
父の家でしばらく暮らすうちに、啓美はみどりから父の別の顔を知らされ、気づけばみどりたちと父を陥れていた。

埼玉県、鬼神町。
啓美はフリーの記者鈴木真琴に頼まれ、孫の「鈴木真琴」と偽り、真琴の祖母・梅乃の経営するスナックで働くようになる。
スナックに来る中国人技能実習生ワンウェイと関係を持つが…。

次々と流されるままに、姿を変え、名前を変え、啓美は居場所を求めさすらう。
彼女の求めているものは何なのか。
彼女は本当に罪を犯したのか。
犯したとしたら…。

17年間に渡る逃亡劇を描いた作品です。
啓美のことを愚かだと思うことは簡単です。無実なんだから逃げる必要はないのですから。でも、それが彼女。
母から逃れ、世間から逃れ、罪を犯し、罪から逃れ、やっと定住できるのかと思ったら、そうは上手くは行かなかった。
男は弱く、彼女にしがみつくか、彼女の前からいなくなってしまう。
女は弱さを装うが、したたかで、強い。
啓美の幸せの形ってとってもささやかなものだったのではないでしょうか。
それが逃亡生活の中で得られたというのが、憐れでした。

定番の北海道が出てきて、嬉しかったです。
逃亡生活を送る主人公のお話っていくつかありますが、作者によって描き方が違っていておもしろいですね。
今思いつくのが『八日間の蝉』とか『火車』、『白夜行』、『ゴールデンスランバー』ですが、他にもあるので、一緒に読んでみるといいかも。
この本は好きですが、この中で一番かというと微妙…。


<昨日のわんこ>


やっと涼しくなって、昼間にお散歩ができるようになりました。
弟のグイグイもなくなり、ゆっくりのんびりお散歩ができます。
でも、二匹だと嬉しいのか、弟がアッチャコッチャに行くので、足を踏みそうで怖いです。

<今週のおやつ>


もらいもののファンドリーの焼き菓子。


これももらいもののキウイ。自宅で栽培したそうです。
市販のものより小さく、毛が少ないみたいです。
ヨーグルトとグラノーラと一緒に食べました。(スプーンでキウイを半分にしたら、汚い見かけになっちゃいました、笑)

どちらも美味しかったです。ご馳走さまでした。

大山淳子 『猫弁と狼少女』2023/10/13

猫弁シリーズ、第二シーズンの四作目。


猫弁こと百瀬太郎は迷い猫絡みの脅迫状をもらったという老女からの依頼を受け、調査に乗り出す。
そんなある日、百瀬は依頼主の家の塀の上にいた少女に話を聞こうとしたところ、彼女が裸足であることに気づき、背中を貸そうとして、未成年者略取及び誘拐未遂の疑いで逮捕されてしまう。

「助けて」と言った少女の心に寄り添い、百瀬は黙秘を続ける。
百瀬は当番弁護士の沢村透明と面会し、彼にやるべきことを頼む。

百瀬法律事務所のバイト、正水直は、百瀬の指示で沢村のところに予備試験の準備について聞きに行ったついでに沢村と行動を共にする。

百瀬法律事務所の秘書、野呂法男と事務員、仁科七重は百瀬のことを信じ、事務所を守っていく。

百瀬の婚約者の大福亜子は警察から連絡が来ない自分の身の上に思いをはせ、あることを決意する。

堀の上にいた少女の聞き取りは母親に阻まれた。
冤罪だが、どうなる猫弁!

百瀬の思い出に残る少女のお話が出てきます。
昔から彼は神童でしたが、心優しい子であったことがわかります。
こんな風に大人になってもスレていない人は珍しいですね。

大福さんと同居までいったのに、なかなか結婚しない百瀬。
一体いつになったら結婚するのよとは思っていましたが。
今回は大福さんの父親が素敵でした。
百瀬のことは大嫌いだけど、百瀬を選んだ娘には感心していたなんて…。
お母さんもあっぱれでした。

「子どもの涙をぬぐう指だから親指っていうんだな」

こういう両親にそだったからこそ、大福さんは大福さんなんですね。

たいした事件ではなかったですが、人と人が信じ合い、思い合い、互いに助け合うことの大切さを思わせられるお話でした。
こんな善人しかいないお話もあっていいですよね。


<昨夜のわんこ>
一緒のスペースで暮らし始めてから三日が経ちました。
今まではちょっかいを出す弟に苛立ち、怒る兄犬でしたが、今回はそうでもないです。兄も年をとったので、怒る気力がなくなったのかな?
互いのスペースを尊重し合うようになりました。


この二つとも、兄が利用していたのですが、左側の下のクッションが取り外しできる方を弟が取ってしまいました。
弟はクッションの下にもぐり込むのが好きなのです。
これと今までのクレートのハウスが弟の寝床になりました。


兄は真ん中のベッドと右端に少し写っているハウスが彼の寝床になりました。
二匹が寝ているものは夏用なので、もう少ししたら冬用にしようかと思いますが、どうなるかしら?

とにかく弟の胴が長いので、トイレからはみ出し、オシッコや〇んちが床の上ということがなくなったので、いつもお掃除をしていたママは手がかからなくなり、嬉しいですわ。
それに弟がトイレの上に寝たりしなくなり、臭くないので、前以上に抱いてあげれるようになりました。
ホント、臭かった、笑。

このまま仲良くやっていっていただきたいものです。

中山七里 『いまこそガーシュウィン』2023/10/12



ショパンコンクールで入賞した、アメリカで指折りのピアニストであるエドワード・オルソンは悩んでいた。
一月のカーネギーホールでのコンサートまで後三ヶ月。
なのに何を演るか決まっていないのだ。

Black Lives Matterの抗議運動が全米中に広がり、暴動が発生していた。

今のこの時期、この国でコンサートを開くのに、相応しい曲は何だろう。
考えた末、エドワードはガーシュウィンの<ラプソディー・イン・ブルー>を演ることに決める。
しかし、マネージャーのセリーナ・ジョーンズはそれでは客を呼べないと反対する。
エドワードはショパン・コンクールで人命を救い、<五分間の奇跡>で有名になった岬洋介と二台のピアノでガーシュウィンを演ると決める。

岬は承知し、コンサートの初日は大晦日になる。

ある組織では新大統領の暗殺計画が進められていた。
殺し屋の”愛国者”は、大統領が妻のお供である場所に行くことを突きとめた依頼人から、本来の仕事を利用するように強いられる。

果たしてエドワードと岬の二人による二台のピアノの<ラプソディー・イン・ブルー>は成功するのか。
そして、大統領暗殺はどうなるのか…。

期待して読んだのですが、残念ながら今までのように楽しめませんでした。
BLM運動に関して、それほど深く掘り下げていないし、ガーシュウィンが悪いわけではないのですが、音楽の説明を読んでいても高揚感がないし、強いて言えば、”暗殺者”がこの人だったのか…という軽い驚きがあったぐらいです。
そうそう、トランプさんはこんなに嫌われているのに、なんで大統領になっちゃったんでしょうね。

そんなに次々と本を出さなくてもいいので、岬洋介シリーズの最初の頃のようなものを書いて欲しいです。
このシリーズの次作『とどけチャイコフスキー』(かな?)の舞台はモスクワなので、ウクライナ情勢を描くのでしょうか。
プーチンがどう風刺されるのか、興味があります。
カエル男は読んでいないので、こっちのシリーズの方を早く出版してもらいたいです。

トリミングの日2023/10/10

今月は二匹でトリミングです。
涼しくなったので、わんこたちは舌も出さずに歩いています。
サマーカットをしていたのですが、今回は一段階長くしてもらうことにしました。

お迎えに行くと、狂犬病の注射の後に兄犬が吐いたそうで、何やら目つきが悪いです。
弟犬は治療台に張り付いています、笑。
兄はサッカーやラグビーの試合をパパが見ていると、落ち着きがなくなり、舌を出してハアハアし始め、挙動不審になります。会場の歓声に反応しているのか、獣医に聞いてもわからないみたいでした。
兄犬だけのなのかしら?
みなさんのわんこは試合中に行動がおかしくなりませんか?

さて、いつものように写真を撮ります。


顔の毛がいつもよりも多いですね。


帰ってからボーロをやると、ムシャムシャ食べていました。
お腹がすいていたみたいです。


動物病院では診察台にへばりついて耳を寝せているのに、家に帰ると耳を立ててこういう顔をします。


弟は家以外ではチキン(臆病者)です。


おやつを見せると前を向いてくれます。


兄が弟に何か言っています。ガンを付けているのかな。


兄はちょっと太って、3.4㎏、弟はちょっと痩せて3.1㎏。
兄にウエットのドッグフードを食べさせるようになったので、量がよくわからず、調整中なので、少し食べ過ぎているみたいです。

今までは兄が嫌がるので別々のスペースで過ごさせていたのですが、今日から一緒に生活させてみることにしました。
それなりに喧嘩もせずに過ごしています。
このまま仲良くやってくれるといいのですが。

別所沼公園とヒアシンスハウス2023/10/08

私が花粉症になったのと、兄犬が具合悪そうだったので、しばらく公園行きはお休みしていました。
そろそろどこかに行きたいなぁと思ってネットを見ていたら、立原道造が構想したヒアシンスハウスに辿り着きました。
立原道造は夭折した詩人として有名ですが、東京帝国大学の建築家を卒業している建築家でもあるのです。
この公園は犬もOKのようなので、涼しくなったこともあり、行ってみることにしました。

駐車場が小さいと書いてあったので、駐車場が開く9時ちょうどに到着しようとしましたが、道を一本間違えてしまい、5分過ぎてしまいました。
車が多く、2台分しか空いていません。
幼稚園の運動会が開かれていたからかもしれません。


一生懸命、子どもたちは頑張っています。
わんこたちは初めての場所なので、落ち着きません。


相変わらずカメラを向けるとそっぽを向きます、笑。


メキシコ広場にあった「風の神様」。遺跡で発掘されたそうです。
パパは河童と言っていましたが、笑。


別所沼会館。宿泊できるらしいです。ランチは11時半からです。


沼の周りにジョギングコースがあり、沢山の人が走ったり歩いたりしています。
1周940メートルで、近くに住んでいたら、毎日歩きたくなるようなコースです。
沼の周りの木はメタセコイアだそうです。
釣りも出来るらしく、釣り糸を垂れている人がいました。何が釣れるのでしょうね。


浦和は鰻が有名だそうで、食べたいと思っていたのですが、公園の近くにある「うらわのうなぎ萬店」は11時開店だそうで、残念ながら行けませんでした。


弁天島の弁財天。パワースポットらしいです。


兄はお外が大好きなので、とても嬉しそうです。
弟は初めての場所が苦手なので、挙動不審です。
ヒアシンスハウスを見たいと思ったら、違う方向に歩いていたみたいで、戻りました。


アラ、なにやら作っているような…。
木のそばにあるのがヒアシンスハウスのようです。
意外と小さいですね。


近寄って写真を撮ります。こちらは裏みたい。


窓辺にヒアシンスが飾ってあります。


グルッと回ってみます。


こちらが入り口のようです。


雨戸に十字が刻まれています。


10時から見学ができると書いてありましたが、外でドームを作っているので、扉が開いていました。
中を見ると、ドームを作っている人たちが使っているようで、ペットボトルやらなんやら私物が置いてあり、ゴチャゴチャしています。
正面にドームがあるので、正面からの写真は撮れません。
立原道造を知っている人も少なくなり、夢のある建築というよりただの倉庫みたいなものと思われているのでしょうか。
なんか大事にされていない感じがしました。
立原道造の世界に浸りたかったのに…。
(ヒアシンスハウスと立原についてはここをご覧下さい)

パパが児童広場にあった足裏のツボ押しをやりたいと言ったので、戻って行ってみました。


パパが来るのをジッと見ているヨーキー弟。


人がいなくなってから体験しました。
私もやってみましたが、少し痛かったです。
ペギニーズを連れた家族のパパさんが弟を見て、「可愛い」と何回も言って下さりました。
弟は見かけは可愛いのですが…。


「ママちゃん、しつれいですよ」


「ぼくはかわいいんですよ。テへ…」


忠犬ハチ公みたいに、トイレに行ったパパを待ちます。
ずっと座っているように見えますが、実はウロウロしていました。
「ママ、ばらさないでください」

一時間ぐらい滞在し、戻ってきました。
前に行った石神井公園みたいで、広い野原がないので、兄犬は不満みたいでした。
今日は涼しくて、わんこたちの負担も少なかったようです。
次はいつもの公園に行きましょうか。
たぶん花粉は飛んでいないと思うのですが、どうでしょう。

この頃観たドラマと映画2023/10/07



「ホーム・カミング シーズン1」
ハイディ・バーグマンは「ホームカミング」というPTSDに悩む帰還兵を支援し、社会復帰させる施設でカウンセラーをしている。
そこにウォルター・クルーズが入所してくる。
ハイディとウォルターは面接を通して親しくなるが、ハイディはウォルターが治療が進むにつれ記憶をなくしていくことに気づく。
施設の本当の目的に気づき、罪悪感を抱いたハイディは思いきった行動を取る。

四年後、町の食堂でウエイトレスをやっているハイディのところに、国防省の審査官トーマス・カラスコが尋ねて来る。
彼はホーム・カミングに関する苦情を調査しているという。
辞めた理由を聞かれるが、ハイディは自分が何故辞めたのかも、そこで何をやっていたのかも、何も覚えていないことに困惑する。
4年前に何があったのか、ハイディは調べてみることにする。

五十歳を超えたジュリア・ローバーツがハイディ役です。ウォルター役が二十代なので、恋愛感情を持つことが少し不自然だったかもしれません。
電話でしゃべりまくる上司のコリンがホント、嫌な奴です。
全10話ですが、1話が約30分なので、それほど長く感じませんでした。
過去と現在が絶妙に交錯し、意外性はありませんでしたが、面白かったです。


「台湾、街かどの人形劇」
台湾の人間国宝で、布袋戲(ぷーたいしー)の人形遣い、陳錫煌を10年に渡り追ったドキュメンタリー映画。

布袋戲とは、台湾の民間芸能で、布袋でできた人形の衣装の中に手を入れて繰ることから布袋戲といわれた。
陳錫煌は「戯夢人生」にも出演していた、布袋戯の大家・李天禄の長男だが、母の姓を継いだことで父と確執があり、家督は弟の李薄燦が継いでいる。

布袋戲は1960年代にテレビで放映され、一時期人気があったが、1980年代後半から廃れてきている。
陳錫煌は80歳を超えた今も布袋戲を継承していくために、海外からも弟子を受け入れるなどして尽力している。

人形劇というと日本では文楽があり、無形文化遺産にもなっていることもあり、後継者がうまく育っているようですが、台湾では後継者を育てるために苦労しているようです。
片手だけで人形が生きた人間のように動くのがすごいです。
陳錫煌さんの手が人生を物語っていますね。


「求婚」
母が亡くなってから12年間、修道院に預けられていたイダは修道院から出るために、生徒の恋文を自分のものと偽る。
家に帰ると、父のピーターは苦い顔。
ここは男の家でお前の居場所はないと宣い、イダより一歳若いノラと結婚するというのだ。
ノラとは一緒に暮らしたくないというと、父はイダに内緒で新聞に「娘の結婚相手募集中」という広告を出す。
イダが文句を言うと、ノラと暮らせないなら結婚しろ、嫁げない娘などいらないとまで言う。
やって来た男の中から画家のバローフが選ばれる。
イダは彼に形式だけの結婚にするという条件を出し、結婚するが…。

オースティンの小説みたいな映画かと思って観始めました。
ところが聞えて来たのは英語ではなく、何語?
出てくる俳優か監督らしき人の名前で検索すると、どうもハンガリー映画っぽいです。
思っていた通りのハッピーエンドでした。
2022年の映画らしいのですが、こんな映画、今でも撮っているのね。
私は女性のドレスに興味があるので、興味深く観ていられました、笑。


「フラワーショー」
アイルランドの田舎で育ったメアリーは自分の夢を叶えるために、有名なガーデンデザイナーのシャーロットのアシスタントになる。
しかし、メアリーのアイデアをシャーロットが盗み、首にされる。
どん底に陥ったメアリーは挫けず、コネも金もないのにロンドンのチェルシーで開催されるフラワーショーに出場しようと決心する。

彼女のデザインした「ケルトの聖域」は出展権を勝ち取るが、庭を作るためには莫大な費用と職人、500種類の野草が必要だ。
あてもなく自然保護団体を訪れたメアリーは、そこで密かに思いを寄せる植物学者のクリスティと再会する。
腕利きの庭職人でもあるクリスティに協力を求めるが、拒否される。
さて、どうする、メアリー。

2002年に史上再年少でチェルシー・フラワーショーの金賞を受賞し、ランドスケープ・デザイナーとして活躍しているメアリー・レイノルズの実話を基に作られた映画です。
雄大な自然と庭が素敵な映画で、それだけ観れればいいわと言える映画です。


<今日のわんこ>
久しぶりのわんこたちです。元気ですので、ご心配なく。


ママに遊んでくれと五月蠅いヨーキー。


おやつで釣らないと写真を写させてくれない兄。
来週トリミングなので、ボッサボサです、笑。

中島要 『誰に似たのか 筆墨問屋白井屋の人々』2023/10/06



江戸日本橋の筆墨問屋白井屋の店主・太兵衛は三代目にして店を大店にした人物。
商売には長けてるが、女癖が悪く、若い女を次々と妾にしていたが、隠居してから妾とは手を切り、五十九で亡くなるまでの四年間は妻と仲良く物見遊山に出かけていたが…。

太兵衛の妻、お清は亡くなってからも夫に妾がいたことがわかり、大激怒。
それからは好き勝手に出歩くようになり、勘当された娘のお秀のところや自分と同じ身の上の屋台の蕎麦屋に入り浸るようになる。
息子の太一郎は世間体が悪いのが気になり、注意するが、言うことを聞かない。
そのため姉のお秀に母に意見してくれと頼む。

太兵衛とお清の娘、お秀は浮世絵師と恋仲になり、親の反対を押し切って家を飛び出した。娘が生まれ、これからという時に亭主が亡くなり、親に頼ることもできず、仕立物をして細々と暮らしている。
父の葬式には呼ばれたが、なかなか実家は敷居が高い。
母がくれるお金でなんとか暮らしを保っている。

太兵衛とお清の息子の太一郎は困っている。
商人として父に及ばないことはわかっていたが、父が死んでから周りの態度が変わってきたのだ。
そんな時に息子の一之助の育て方を巡って夫婦の間で言い争うことが増えてきた。
一之助がこのままつらいことから逃げているようでは立派な五代目になれないと思う太一郎は一之助に厳しく当たるのだが…。

太一郎の妻のお真紀は実家の畳表問屋野田屋のことで困っていた。
店は弟の万作が継いでいるのだが、妻のお律との間に子ができないのに、女中との間に家継ぎの子が産まれたというのだ。
お律はお真紀よりひとつ下で、妹のように親しくしていたが、彼女が弟の子を孕ったというので、お律の呉服屋との縁談が流れ、それ以来口をきいていない。
それなのにお律はお真紀に泣きついてきた上に嫌みまでいう始末。

太一郎とお真紀の子、一之助は隠居した祖父の太兵衛とおしゃべりをするようになっていた。
勘当した娘に対する太兵衛の気持ちを父に話してから、叔母のお秀とその娘のお美代が店に来るようになり、お美代と親しくなる。
何物にもとらわれない、好き勝手に生きているお美代は彼の憧れだった。
母と祖母は一之助の気持ちに気づき、心配していた。

お秀の娘のお美代は蕎麦屋の店主にいい舌をしているとほめられことから、料理人になることにする。
十四で深川八幡門前の料理屋「なか乃」で奉公を始める。
そんな時に、蕎麦屋の主人の娘で幼馴染みのお民が、男手ひとつで育ててくれた父を捨て、十年前に出ていき、金貸しの妾をしている母と一緒に暮らすと聞く。
男の薄情さを知り、嫁入りをせずに料理人になろうと固く誓うお美代。

こんな白井屋の人々の複雑な心境を描いた作品です。
「隣の芝はよく見える」とは言ったもので、誰もが他人と比べて自分は不幸だと思いがちです。
幸福か不幸かは自分が決めるだけで、本当のところはわかりません。
どんな状況になろうが、自分は幸福だと思えると、運も上がっていくかもしれませんね。

それにしても江戸時代の女性は生きづらいですね。
 
「男は商人として秀でていれば、他はどうでもいいのだろうか。
 女は妻として、母として、嫁として、すべてできて当たり前とされるのに。
 望んで女に生まれたわけではないのに、この差は一体何なのか」

「男なんて己の思い通りにならなければ、妻や娘を捨てる薄情者だ。どんな男と所帯を持っても不幸になるだけだろう」

などと女の怨嗟が満ちています。
結構私も愚痴る方ですが、人の振り見て我が振り直せで、気をつけますわ。
軽いタッチで書かれていますから、男性は心配せずに読んでください、笑。
これから白井屋の方々がどうなるのか、興味があります。特にお美代は嫁に行かずに本当に料理人になるのでしょうか。
半端な終わり方だったので、続編を読んでスッキリしたいです。


<今日のおやつ>


「これは何?」と思うでしょう。
『言葉の園のお菓子番 復活祭の卵』に出てきた、「HIGASHIYAの棗(なつめ)バター」です。
棗の上に発酵バター、クルミがのっている果子(と書くそうです)です。
バターの味が濃厚で、棗はどこだろう…。
味のわからない私なので、明日もう一粒食べてみて、味を確認しますわwww。

石田衣良 『神の呪われた子 池袋ウエストゲートパークXIX』2023/10/05



主人公のマコトがGボーイズのキング、タカシとGボーイズの助けを借り、持ち込まれたトラブルを解決していくというシリーズ。
現代の社会問題を取り上げた四編。

「大阪ウヰスキーバブル」
マコトの行きつけのバー「BOLERO」で、中国のウイスキー専門サイトで八千万という値がつくシングルモルトウヰスキーの山城四十五年が見つかる。
このことをマルコというヴィンテージウイスキーのバイヤーが聞きつけ、自分たちに売るようにと嫌がらせを始め、マコトはマスターから相談される。

日本のウイスキーが海外で評判がいいということは知っていましたが、中国人たちが投機目的で買いあさっているということは知りませんでした。
儲かる物はどういう手段を使ってもいいから手に入れるというのは浅ましくて嫌ですね。

「<私生>流出」
マコトとタカシは芸能事務所アロイジアの女社長からボーイズグループ『サン・エ・シロ』の悪質な<私生>の二人をどうにかして欲しいと頼まれる。

<私生(サセン)>って何のことか知っていますか?
韓国語で、「主にアイドルや芸能人の個人情報を追い求め、ストーカー行為やプライバシーの侵害を行うファンのこと」だそうです。
個人情報とは電話番号とか住所(家族分も)、日々のスケジュール、SNSの裏アカウントなんかです。
本に載っていたのですが、搭乗する飛行機と座席番号までも知られてしまい、<私生>が隣の席を予約して、トイレに行くのについていって、その後に入って写真を撮っていたりするんですって。何を撮っているのやら、笑。
携帯を新しくすると、その30分後にもうその電話番号が<私生>に漏れていたなんてこともあるらしいです。
こういうのが続くと、精神的に病みますね。

「フェイスタトゥーの男」
闇サイトの高額バイトで集まった男たちが強盗を働き、高齢者を殴りつけるという事件が立て続けに三件起っていた。
マコトの高校時代の友人、コウシがやっている古着屋の新人バイト、ジュンペイが連続強盗団と関わっており、仲間に拉致される。
マコトたちはジュンペイを助けに行くが…。

一軒家に住む高齢者が狙われることが増えてきましたね。
それにしても皆さん、お金を持っていますね。私なんか、使うばかりで…(恥)。
ア、違うところに話がいってしまいました。
若者たちがよりよい未来を描けない時代になっているのかもしれませんね。

「神の呪われた子」
宗教の勧誘に母親と娘の二人がやって来る。
別の日、マコトは娘が一人で勧誘をしているのを見かけ、話しかけると、彼女は急に意識を失い倒れる。
マコトは知り合いの子ども食堂に連れて行き、話を聞くが、しばらくしてシゲキという教団の男が彼女に手を出すのをやめるように言ってくる。

宗教二世問題と子ども食堂を扱ったお話です。
宗教のすべてが悪いわけではないですが、金儲けの手段になっていてはいけません。宗教法人は宗教活動が営利を目的に行われていないからという理由で税金を取られていませんが、もうこうなったら取ってはいかがでしょうか。そして、そのお金を子ども食堂など、子どものために使えばいいんじゃないですか。
この頃、ジャニーズ問題ばかりであまり宗教二世問題は取り上げられなくなっていますが、どうなっているのでしょうか。

次のマコトが考えたことに一理あるなぁと思いました。

「①学歴なんて頭のよしあしにさして関係ない。②おれたちは真実より耳当たりのいい嘘のほうが好きだ。③そこにつけこむ悪党がいつの時代にも存在する」

今回はマコトが頭脳を使い解決というよりも、タカシたちGボーイズの面々が荒事で決着をつけるという感じでした。
「東京バンドワゴン」シリーズ同様、年に一回、マコトたちに会えるのを楽しみにしていきます。
マコト、次はもっと頭を使おうね。

堂場瞬一 『棘の街』2023/10/03



一匹狼の県警捜査一課の刑事、上條元は北嶺の誘拐事件の身代金受け渡しでポカをやり、事件から外された。
犯人は逃亡し、事件は未解決となる。

誘拐事件発生から一年。
二ヶ月前に被害者、上杉光良の遺体が見つかったことから、上條はいてもたってもいられなくなり、ツテを使い、北嶺署刑事課に異動する。
彼の中では自分以外の刑事はみな馬鹿で無能。頼りになるのは自分のみ。

北嶺は上條が生まれ育った街で、高校卒業後に捨てた街だ。
一年前に父が亡くなり、父が経営していた店を引継いだ荻原に帰ってきたことを告げに行くと、店の外で数人の若者が一人の少年に暴行を働いているのに遭遇する。
成り行きで少年を助けるが、彼は記憶喪失になったようで、何も覚えていない。
仕方なくしばらく少年の面倒をみることにし、その代わりとして彼を店で働かせることにする。

上條は再度、事件関係者に当たっていくが、新しい事実はなかなか出てこない。
しかし、本屋で光良の買った本がわかり、光良のベッドのマットレスの中から茶色い封筒が見つかったことから事件は動き出す。

なんか上條の唯我独尊風が鼻につき、嫌われ者なのがよくわかります。
不幸な出来事は可哀想に思いますが、同情はできません。
彼の父親もそうですが、男は配偶者の死に出会うとこんなにも人間的にダメになるものなのですか。
お父さんの方が仲間がいて、趣味もあったので、幸せなように思います。
上條が心を入れ替えて、関わりのある人たちと、これから誠実に向き合ってくれるといいのですが、どうでしょうねぇ。

とにかく主人公や登場人物たちの性格がクソみたい(失礼)で、読んでいると気分が悪くなりました。
唯一ヤクザの小野里が男前で、結構好きです。なんで彼のことを上條が信じないのか、私にはわかりません。
少年の身元がすぐに予測できてしまうので、そこが残念。
堂場さんの作品としては、イマイチでした。