石田衣良 『池袋ウエストゲートパークⅥ&Ⅶ』2007/11/10

石田衣良のシリーズ物、池袋ウエストゲートパークは好きなシリーズです。
主人公のマコト君がいいのです。
人助けに、一銭も取らないなんて、ありえません。
一見ぱっとしない男の子ですが(そういう風に書いてあるんです)、性格もよく、頭もよく、クラッシックファンだというところもいいです。

池袋ウエストゲートパークⅥは『灰色のピーターパン』という題です。
原題のお話は、小学5年生で、女の子のパンチラ盗撮映像を撮り、DVDにして売っていた男の子が、学校の先輩に恐喝され、マコト君に助けを求める話です。
ちょっとこの男の子、問題ありですね。
でも困っている人を助けずにはいられない、特に年下の子に対するマコト君の優しさがわかるお話です。

同じように、ウエストゲートパークⅦ『Gボーイズ冬戦争』の中の「バーン・ダウン・ザ・ハウス」でも、マコト君の優しさが発揮されています。
マコト君は、自分の家に放火して、どうこれから生きていったらいいのかわかっていない男の子の面倒を見て、一緒に店の放火犯を見つけます。
その後、放火で怪我をした祖母の所に謝りに行く男の子につきそう場面なんか、涙なしでは読めません。(おおげさか・・・)

「Gボーイズ冬戦争」では、何者かが池袋の力関係を崩そうとします。
マコト君が池袋の平和のために立ち上がります。
キング、タカシとマコト君の間には、友情らしきものがあったのですね。
タカシが妙に熱いです。クールさが売りだったのに。

マコト君みたいな子が本当にいたら、彼のくだもの屋をひいきにしちゃいますね。
さて、次なる依頼は?