江國香織 『ぬるい眠り』2007/03/04

『ぬるい眠り』は、江國香織が二十代に書いたものが五編入っている短編集です。
今の書いたものより、より江國っぽい感じがします。
というのも、彼女独特の感性が描かれているからです。

プレスリーを好きな母親に、毎晩プレスリーを名乗り電話する父親の話(「ラブ・ミー・テンダー」)。
江國によくある、年上の男と不倫をしていて、別れた後に忘れられず、年下の男と関係を持つ女の話(「ぬるい眠り」)。
飼っている猫がノミをどこからか運んできていて、体中にブツブツができ、何故か男と別れてしまう話(「災難の顛末」)。
小学校教師の恋人がいるのに、複数の男と関係する女の話(「とろとろ」)。
全然知らない人のお葬式に行く夫妻の話(「清水夫妻」)。
「きらきらひかる」の十年後、不思議としか言えない人たちの話(「ケイトウの赤、やなぎの緑」)。

一言で内容を書いてみても、彼女の独特の感性はわからないかもしれませんね。
「災難の顛末」と「清水夫妻」を読んでみてください。
なんとなく、彼女の持つ、独特の感性がわかり、薄気味悪くなりますよ。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2007/03/04/1226879/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。