経済小説二冊 ― 2011/12/27
この頃、毎週、大田黒公園に行っています。
公園の入り口に門松があり、お正月の用意ができていました。
公園の入り口に門松があり、お正月の用意ができていました。

今週の公園は紅葉も終わり、葉は茶色に変り、イチョウの葉は大分落ちています。道の上の落葉は掃き清められていました。

竹林の下のイチョウはそのままです。

池の方へ行くと、結婚式前なのでしょうか、新婦と新夫がカメラマンに写真を撮ってもらっていました。韓国などでは結婚式前に観光地に行って写真を撮って、アルバムを作るということを聞いたことがあります。日本でもやり始めたのでしょうか。
先週なら紅葉が綺麗だったのにね。

新婦は美人さんです。旦那になる人は嬉しそうです。

後ろから撮れせていただきました。大田黒公園に和服が似合います。
誰か和服のモデルになってくれないかしら。
さて、経済小説です。
まず、テレビで「カンブリア宮殿」に出演し、経済人と対談をしている村上龍が書いた『希望の国のエクソダス』です。

2001年6月。日本人の少年がパキスタン北西部アフガニスタンとの国境付近で地雷により負傷し、その時の映像がテレビで流れます。
この少年が中学生のサイトで「ナマムギ」と呼ばれることになり、フリーの記者の関口は「ナマムギ」に会いにパキスタンに行くことになります。
そのパキスタン行の飛行機で出会ったのが中村君という中学生です。
2001年の秋。集団不登校がクルーズアップされるようになります。都市部の中学校の3~4割の生徒が学校に登校していないのです。
彼らの間ではナマムギがヒーローとして取り上げられるようになっていました。
この頃、日本は倒産や失業、有能な人材の国外流出などが続き、経済の危機を迎えていました。
子どもたちの間には大人たちの言う、いい学校に行っていい会社に就職する人生がもはやよいものとは見なされなくなっていたのです。
「この国には何でもある。だが希望だけがない」
「希望だけしかなかった頃とほとんど変わらない教育を受けているという事実をどう考えればいいのだろうか」
中村君はポンちゃんたちとASUNAROを作り、新たなビジネスを始めます。
私、この本を二回読みました。一回目は途中で読むのを止めてしまったのです。
たぶん村上龍の理屈っぽさが読みにくかったんでしょうね。彼は経済について一言ある人ですから、色々と書きたいのでしょう。そのために小説を読んでいるのか、経済学の本を読んでいるのかわからなくなることがあります。
彼の小説の方向性としてはそちら側に行くのでしょうね。
最後は『エンデの島』っぽい終わり方でした。エンデは団塊の世代(以前?)、希望は中学生ですがね。
新しい価値観の構築が必要なようです。
この少年が中学生のサイトで「ナマムギ」と呼ばれることになり、フリーの記者の関口は「ナマムギ」に会いにパキスタンに行くことになります。
そのパキスタン行の飛行機で出会ったのが中村君という中学生です。
2001年の秋。集団不登校がクルーズアップされるようになります。都市部の中学校の3~4割の生徒が学校に登校していないのです。
彼らの間ではナマムギがヒーローとして取り上げられるようになっていました。
この頃、日本は倒産や失業、有能な人材の国外流出などが続き、経済の危機を迎えていました。
子どもたちの間には大人たちの言う、いい学校に行っていい会社に就職する人生がもはやよいものとは見なされなくなっていたのです。
「この国には何でもある。だが希望だけがない」
「希望だけしかなかった頃とほとんど変わらない教育を受けているという事実をどう考えればいいのだろうか」
中村君はポンちゃんたちとASUNAROを作り、新たなビジネスを始めます。
私、この本を二回読みました。一回目は途中で読むのを止めてしまったのです。
たぶん村上龍の理屈っぽさが読みにくかったんでしょうね。彼は経済について一言ある人ですから、色々と書きたいのでしょう。そのために小説を読んでいるのか、経済学の本を読んでいるのかわからなくなることがあります。
彼の小説の方向性としてはそちら側に行くのでしょうね。
最後は『エンデの島』っぽい終わり方でした。エンデは団塊の世代(以前?)、希望は中学生ですがね。
新しい価値観の構築が必要なようです。

池井戸の本は飽きたとかいいながら、銀行の話ではないので『鉄の骨』を読んでみました。
あとがきによると、この本の当初の題名は『走れ平太』だったそうです。『鉄の骨』というと何やら硬そうですが、読んでみると『走れ平太』そのものです。
中堅ゼネコン、一松組の若手、富島平太は現場から業務課に異動させられます。
業務課とは何をやっているかというと、大口公共事業の受注部署なのです。
入札をして仕事を請け負うのですが、そこには「談合」というものがありました。
なんとしても地下鉄工事は欲しい。
平太はどう走らされるのでしょうか。
談合はこういう風に・・・。ふむふむ度が上がります。
本の中のいい言葉。
「いまが一番いい。そう思うことが大事なんだ。過去を懐かしむのは構わない。だが過去を羨んではいけない。決してな」
「人間であることを忘れたサラリーマンはつまらない部品になってしまう。部品から人間に戻れなくなった者にとって、人生はただ不毛な瓦礫だ。そしてそういう部品は往々にして腐る」
今までの本とは違い、若い平太が走る様が初々しくて、平太と一緒にドキドキしてしまう本です。
なんで『鉄の骨』にしてしまったのでしょうね。『走れ平太』、いいじゃないですか。
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