高橋由太 『もののけ本所深川事件帖 2~4』 ― 2012/07/07

第二弾は『オサキ鰻大食い合戦へ』という題名で、題名通りに手代の周吉が鰻の大食い合戦に出場するという話です。
何故わざわざそんなものに出るかというと、お店の大事な預かり物の高級掛け軸が何者かによって燃やされてしまったからです。その掛け軸は百両で売って欲しいといわれていたものです。
百両なんて大金、お店にはありません。このままではお店が潰れてしまいます。
そこで考えたのが、周吉が優勝者に百両という鰻大食い合戦に出るという事です。
オサキモチは不思議なことに、いくら食べてもお腹がいっぱいにならず、いくらでも食べられるという力が備わっているのです。
これでは周吉の一人勝ちかと思ったら・・・。
第三弾は『オサキ婚活する』。
本所深川で疱瘡が流行り、娘たちは戦々恐々。というのも、疱瘡にかかってしまうと顔にあばたがのこり、器量が落ち、嫁に行けなくなるからです。
娘たちは「疱瘡地蔵」へお参りに行き、疱瘡に罹らないようにお願いしていました。
そんな時に、娘が何者かによってさらわれる事件が起こります。
そんな頃、周吉は主人から娘お琴と結婚しないかと言われます。しかし、周吉は煮え切りません。そんな周吉にみんなは呆れるばかり。
そこにお琴の見合い話がもちあがります。
相手は勘定方の武家。
お見合いはちょうど桜が見ごろの大川堤で行われることとなりました。
大川堤では毎年桜の頃、女比べが開かれます。
女比べとは、誰が一番綺麗かという今でいうミスコンみたいなものです。
普通ならお琴が大川堤に行っても問題ないのですが、今年に限って裕福な旗本の三男坊の小暮祐三郎が結婚相手を探しにやってくるというのです。
お見合いの日はよりにもよって祐三郎が来る日なのです。
周吉はどうするのでしょうか・・・。
第四弾は、『オサキと江戸の歌姫』。
雨が多い毎日。このままでいくと、大川が氾濫してしまいます。
ちょうどその時、雨止めの伝え歌「十人の仔狐様」を歌う十人組みの歌組”本所深川いろは娘”が大流行になっていました。
”深川本所いろは娘”とは昔のモー娘。みたいなものです。
十人の歌の上手い娘たちが歌を歌っているのです。
ある日、一番人気の小桃が大川で死体となって見つかります。
小桃の後を埋めるために、お琴が入ることになり、手代の周吉はお琴に付き添うことになります。
”本所深川いろは娘”は仔狐寮で一緒に生活しています。
お琴と一緒に寮に行ってみると、「十人の仔狐様」の歌詞のように次々にいろは娘たちが死んでいきます。
さて、誰が娘たちを殺しているのでしょうか。
江戸時代の風俗など知らないのですが、本当に鰻の大食いとか女比べ、”深川本所いろは娘”とかあったのでしょうか?
最後のいろは娘は作者の創造のような気がしますが。
私が気に入っているのが、蜘蛛ノ介です。
いつもいつも周吉が絶体絶命の時に現れ、峰打ちだといいながら斬ってしまうという変なお方です。どういう人なのでしょうね。
他の江戸物に比べると内容・文共に稚拙に思いますが、オサキがかわいいので許しましょう。
神田明神に寄ると、本殿の左右に笹の葉が。お参りする人たちが何やら書いて結びつけています。(なんとなく右側に見えませんか・・・)

四時から七夕祭をするようでした。
神田明神は夜に灯りをともしたり、神馬を飼ったりと色々と人を呼ぶために努力しているようです。
そういえばあかりちゃん、今日はいませんでした。
雨が降ってきたので、小屋に入れたのかもしれませんね。
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