高田 郁 『出世花』2013/02/06

今日も雪が降っていますね。
今週は休日出勤をしたので、今日は代休。交通機関が混乱しているようなので、遊びに行けませんが、休みでよかったです。


同僚と本の話をしていて、「みをつくし料理帖」を再読していると言うと、『出世花』は読んだかどうか聞かれました。読んでいないと言うと貸してくれました。

「みをつくし料理帖」シリーズもおもしろいのですが、私はこちらの本の方がもっといいと思いました。
高田さんは元漫画原作者で、この作品が作家デビュー作だとのことです。

不義密通のうえ出奔した妻と同僚を討つため諸国放浪をしていた矢萩源九郎とその娘艶は、行き倒れになっていたところを青泉寺の住職、正真に助けられます。
青泉寺は死者の弔いを専門とする「墓寺」で、助けられた後すぐ亡くなった艶の父は寺で荼毘に付せられました。
父の望どおり住職により「縁」という新しい名前を与えられた艶は青泉寺で暮らすこととなります。
しばらくして、桜花堂という大店から養女の話が持ち上がります。
しかし、縁はそれを断り、寺に三昧聖として残り、湯灌師として生きていくことにします。

今の時代はこの本に出ているような湯灌をしていないように思います。
少なくとも祖母が亡くなった時はしませんでした。
映画『おくりびと』でも清拭だけで湯灌はしていませんでしたね。
ひょっとしたら、頼めたのかもしれませんね。
ちなみに「湯灌」とは遺体を入浴させることです。「現世の苦しみを洗い流し、来世への生まれ変りを願う大切な儀式」なのだそうです。
江戸時代では亡くなった人は(全員ではないようですが)ちゃんと湯灌していたようです。
こういう仕事をしている女性を主人公にしたというところが、作者の発想力の豊かなところだと思いました。

「みをつくし料理帖」シリーズを終わらせた後に、この話も続けて書く予定だそうです。でも、「みをつくし」の続きもなかなか出版されないのですから、どうなることやら。


雪のため散歩中止になり、ガッカリしているわんこですが、ベランダに連れて行くと、クンクンと雪の匂いを嗅いでいました。
ケージから出して遊ばせると、相変わらず小さな毛布に齧りついています。


ひと暴れした後なので、また耳が静電気でボサボサになっています。
まるで青っ洟をたらした男の子のようです。


何か(おやつかな)を期待して見ています。


「なんだ、くれないのかよ」とむくれています。