原田ひ香 『まずはこれ食べて』2020/02/01



ほっこりする食べもの系を期待して読んだのですが、ちょっと嫌な感じの残るお話でした。

大学時代の友人たちが企業した医療系ベンチャー「グランマ」の従業員は、社長の田中とIT担当の百田、事務担当で紅一点の胡雪、営業担当の伊丹、それにバイトたちです。
もう一人、企業言いだしっぺの柿枝がいましたが、今は行方不明。
彼の不在が微妙な影を与えています。
大手が契約してくれたおかげで仕事も順調、忙しさにみんなの生活は不規則になり、食事もおろそかになる始末。
社内も殺伐とし、これではいけないと思った社長の田中が会社の費用で家政婦を雇うことにします。
そして、家政婦の筧みのりがやってきます。
愛想はないが完璧な家事を行い、料理が上手いという50代の女性です。
彼女のおかげでみんなの生活は少しずつよくなっていきます。
しかし、それと同時に隠していた秘密が徐々に暴かれることに・・・。

いつまでも仲良しこよしの仲間ではいられない。
それぞれが自立して、それから一緒にやるなら良いのだけどね。
事実を知った後、「グランマ」がどうなるのかは別のお話。
筧さんが色々な会社に家政婦として行くというので続きが書けそうですね。
「家政婦の筧さんが見た・・・」なんてね(笑)。

出汁をたっぷり使い作る料理は美味しそうです。
特にかやくご飯、食べたいわぁ。
私が作るかやくご飯は何故かべちゃっとして美味しくないのよ。
炊飯器の水加減が未だにわかりません。

お話に喉に引っかかった骨みたいなところがあるのですが、そこに筧さんの作るご飯がでてきて、ほっこりします。
食べることは人間の根底なのですね。
さて、今夜は何をたべようかしら。

今月のトリミング2020/02/02



二匹で写真を撮ると、兄がとっても嫌そうです。


今回はクッションを置いたので、珍しくくっついています。


いつも舌をチョロッと出す弟です。


こうすると利口そうですが。


なかなか前を向いてくれない兄。


耳が少し長いようです。
お年をとったので少し毛が乾燥気味。
シニア用の餌が身体に合っているようで、幼い頃から便が少量だったのですが、この頃、立派なのを出します。
弟は療養食の消化器サポートにしたら目やにが減り、今は全くありません。
人間もそうですが、食べるものって大事なのですね。

長岡弘樹 『風間教場』2020/02/03



ひょっとすると風間と会えるのも今回で最後かなぁ・・・。

警察学校第百二期短期課程の教官を務める風間公親。
彼は警官の資質がないと思った生徒には容赦なく退校を命じる。
しかし、今回、校長の久光はとんでもないことを風間に言います。
「退校者ゼロ」にしろと。
もし退校者が出た場合は風間も一緒に警察学校を去れとまで言うのです。

元教え子の宮坂定に世話係を頼み、助教の平優羽子の助けを借り、風間は「退校者ゼロ」の任務を達成できるのか。

『教場』の時の刃のように切れる、非人間的な感じだった風間が、実は心の中で教え子に慈愛の目を向けていたのですね。
私的には『教場』の風間が一番ですけど。

そういえば、キムタクが演じた風間は本当によかったのですか?
もっと渋い俳優が演じたら見たのに(笑)。


「母との約束、250通の手紙」を見る2020/02/05



フランスの作家、ロマン・ガリの『夜明けの約束』の映画化。
ロマン・ガリって有名な作家だったのですね、知らなかった。
ゴンクール賞を2度も取った作家だそうです。
作品を読もうと思って図書館で借りようと思ったら予約が入っていました。
残念ながらしばらく読めそうもないです。
(ネタバレあり)

メキシコ旅行中に倒れたロマンはメキシコシティの病院へと運ばれます。
車中で妻は夫が寝ている隙に原稿を読み始めます。

ロマンと母のニナはロシアからポーランドに渡り、帽子の訪問販売で生計を立てていました。
周りのポーランド人のやっかみか、ユダヤ人いじめか、警察に盗品があると密告されたりする日々。
母は詐欺まがいの嘘をでっち上げ、高級ブティックを始めます。
店は一時期繁栄しますが、お金を払わない貴婦人が現れ、経営は悪化、店を手放し、二人はフランスのニースに行くことにします。

ニナはロマンを溺愛し、この子は将軍になる、フランス大使になる、作家になるとロマンにも言い聞かせ続け、周りにも吹聴していました。

ロマンたちはフランスの国籍を取り、ニナはホテルを経営するようになり、やがてロマンはパリの大学に入学します。
母の期待に応えようと、ロマンは授業をサボって作品を書き続けます。
やっと一作品が新聞に掲載されますが、その後はパッとしませんでした。

大学を卒業したロマンは空軍士官学校に入りますが、300人中ただ一人、留年してしまいます。
ユダヤ人で帰化してからの期間が短いからでした。
母の心を傷つけないためにロマンは校長の奥さんとできてしまったからと嘘をつきます。

戦争が始まり、ド・ゴールがイギリスへ亡命。
その後を追ってロマンたちもイギリスへ亡命しようとしていました。
しかし、当日、病院からの電話に出ている時にロマンが乗るはずだった飛行機が爆発し、ロマンは命びろいをします。
母は糖尿病が悪化して入院していたのです。
母の病状の説明を求めるのですが、医師はロマンを無視します。
怒ったロマンは医師を殴り、医師に母を自分の母親だと思って診るようにと言います。
それからしばらくしてロマンはイギリスに亡命し、母の「どんなことがあっても書き続けろ。死ぬな」という手紙に勇気づけられ、アフリカ戦線に送られてからも、そして病に倒れても書き続けます。
やがてロマンはパイロットとして成功し、小説も出版されます。

戦争が終わりフランスに戻ったロマンは母に会いに病院に行きますが、母の病室には見知らぬ男が寝ていました。
医師に母はどこにいるのかと聞くと、母は三年前に亡くなり、その時250通の手紙を託され、スイスの友達に頼んで送ってもらっていたと言うのでした・・・。


映画を見ていると、母の強すぎる愛情に辟易します。
尋常ではないです。
ロマンも母の愛に反発したく思うこともあったのでしょうが、溺愛の重圧に負けることなく、母と彼の夢を叶えていきます。
ものすごいマザコンですね。

ロマンの生涯を見てみると、作家として成功し、外交官となり、2度結婚しています。
映画の人は一度目の人で2度目は有名な女優のジーン・セバーグとです。
順調な一生に見えますが、ロマンは66歳で自殺します。
(ちなみにジーン・セバーグも自殺しました。)
映画では母親に反抗せず、母の期待に応えようと努力する素直な息子に描かれていましたが、実際は母の呪詛から逃れられず、苦悩していたのではないでしょうか。
すべてをなし遂げた後、何を目標にして生きればいいのかわからなくなったのでは・・・。

とにかく母のエキセントリックさに圧倒され続けた映画でした(笑)。

読んだ本&漫画2020/02/06



相沢沙呼 『medium 霊媒探偵城塚翡翠』
推理作家の香月史郎は大学の後輩に頼まれ行った先で霊媒師の城塚翡翠と出会う。
彼女は霊視で殺人犯がわかるという。
香月は警察と協力してきたこともあり、香月の論理力と翡翠の霊視を組み合わせて事件を解決していくことにする。
その頃若い女性を殺す連続殺人鬼が世間を騒がせていた。
香月は翡翠と共に殺人鬼を追いかけることにするが、魔の手が翡翠に・・・。

「このミス」1位ということで読んでみました。
表紙の絵を見て内容を想像するとわかるはずでした。
最後のどんでん返しが面白いといえば面白かったですが、正統的なミステリが好きな人には勧めません。

内舘牧子 『すぐ死ぬんだから』
『終わった人』の女性版みたいな話かと思って読んだら、ちょっと違っていました。
主人公は78歳の忍ハナ。
酒店を息子に譲り、夫の岩造と仲良く隠居生活を楽しんでいました。
おしゃれに気をつかい、努力して実年齢に見えないようにしていることが彼女の誇りでした。
ところが、岩造が急に亡くなり、遺書に思ってもみなかったことが書かれていたのです。
今までの岩造との生活は何だったのか・・・。

軽い読み物としてはいいでしょう。
ハナさんのように年を取っても身ぎれいにしていたいものです。

秋川滝美 『ひとり旅日和』
人見知りがひどく就活で失敗ばかりしていた日和は、大学の教授の紹介でやっと就職できました。
しかし、愛想が悪い上に要領も悪いので、上司にネチネチと嫌みを言われ続ける毎日。
そんな時に社長から気晴らしに旅を勧められます。
旅初心者なので最初は日帰りからと、旅好きの同僚にも勧められ、旅に出ることにします。
美味しい食べものに思わぬ出会いがあり、日和はだんだんとひとり旅を満喫するようになります。

日和の行った先は熱海、佐原、仙台、金沢、博多。
佐原以外は行ったことがあるので、なんとなく想像できました。
佐原は東京から2時間もかからないで行けそうなので、行ってみようかと思います。
鰻食べたいもの(笑)。

山本一力 『たすけ鍼 立夏の水菓子』
『たすけ鍼』の続編です。
病気を鍼灸で治すお話だと思っていたら、どうもそれ以上の世直しのお話だったようです。
深川で鍼灸師を営む染谷は近所に住む漢方医の昭年と共に人助けに励む毎日。
今回は朝鮮人参やお菓子屋の騒動に奔走します。
もっと染谷たちが活躍すると思ったのですけど。
内儀の元辰巳芸者、太郎さん、素敵です。

≪漫画≫
高口里純 『紅のメリーポピンズ 1~4』
英国ノーランド・カレッジ出身のナニーが活躍するシリーズ。
ナニーとは住み込みで子どもの面倒を見るイギリスの乳母のこと。
ナニーの吏糸双葉は窃盗の罪で警察に追われ日本に逃げてきていました。
たまたま出会った日本の迷えるお母さんたちの育児問題を次々と解決していきます。
あっけない終わり方でしたが、子育てに悩んでいるママさんが読むと参考になることもあるかも。

高口里純 『グランマの憂鬱 1~6』
『紅のメリーポピンズ』に出てきた百目鬼村の女総領・百目鬼ミキがバッサバッサと村に起こる出来事を解決していきます。
彼女の気っぷのいいこと。
こんなおばあさんがいたらいいなぁ。
孫ちゃんも可愛いわ。
まだまだマキさんの活躍は続きます。

たちばなかおる 『そもそもウチには芝生がない 1~4』
40代女性の人生劇だそうです。
三人の子を持ち、夫は仕事で帰ってこない漫画家のスミ。
認知症気味の姑の面倒を見ている恵子。
年下の男と同棲中のマキ。
この3人が、あることを機にスミの家で暮らし始めます。
40代女のあるあるを等身大で描いています。

サムソン高橋、熊田プウ助 『ホモ無職、家を買う』
ホモに興味を持ったのではなく、無職なのに家を買えるの?という疑問から読んでみました。
サムソンさんは仕事をしてお金が貯まると外国を旅するという人です。
読んだことはありませんが、『世界一周ホモの旅』という本を出しています。

たまたま見た家の値段が800万円。
貯金が900万円。
そういうわけで買っちゃったのですよ。
何故そんなに安いかというと、30年の旧借地権付だからでした。
家は三階建ての古い物件で、もちろんリフォームが必要です。
お金がないので、自分でやるしかない。
自らのことを語りながらも家にまつわることが色々と描いてあります。
特にもてなかったこととか知りたくないのですが(笑)。
サムソンさん、お風呂をリフォームするために(ではないか)、能町みね子さんと結婚を前提に同居したみたいです。
詳しくは能町さんの著書『結婚の奴』を参照。(私は読んでいないけど)

円城寺マキ 『恋はつづくよどこまでも 3~7』
読むつもりがなかったのに、読んでしまいました。
ドラマになっていますけど、見てません。
結局、上手くいくのね。
4巻から女性コミックらしくなります。
テレビではどう描くのかしら?

この中では『グランマの憂鬱』がお勧めです。


珍しく伏せをした弟。相変わらず兄は嫌そう。
近頃、弟が兄に向けて餌(療養食)をばらまきます。
兄は弟の餌が美味しいと思ったのか、手を伸ばして取ろうとします。
毎日同じ餌は飽きるのでしょうね。
兄が自分の餌(シニア用)を食べない時はチュールをのせてあげます。
チュールって美味しいらしく、餌を食べます。

「家族を想うとき」を見る2020/02/07



原題が「Sorry We Missed You」。
不在票に書かれている言葉だそうです。
舞台はイギリス、ニューカッスル。
(ネタバレ有り)

マイホームを買おうと思い真面目に働いてきたのに、金融危機でローンが組めなくなり、建設の仕事まで失い、その後職を転々としてきたリッキー。
マイホームが欲しいので、フランチャイズの宅配ドライバーになって稼ぐことにします。
仕事をするためにはトラックが必要なので、訪問介護士をしている妻が仕事で使っている車を売り、資金にします。

仕事はフランチャイズとはいえ、週6日、1日14時間も働かなければなりません。
休みを取ろうと思ったら、代りのドライバーを自分で見つけなければならず、見つからなければ罰金を取られます。
配達する荷物は多く、ルートなどを機械に指示され、トラックを2分離れているとお知らせブザーが鳴り出します。
トイレに行く時間さえありません。
機械で楽に仕事をするのではなく、機械に支配されています。

妻のアビーの方はというと、自分の親のつもりで介護をしているという心優しい人ですが、車がなくなっためバスでの移動に時間がかかり、1日6軒を回るのは大変です。
そんなことを認知症の人たちはわからず、せかされるのに気分を害し、ご飯を食べなかったり、食器をひっくり返したりとされ、余計に時間がかかってしまいます。

リッキーもアビーもいっぱいいっぱいの毎日です。
このつけは子どもたちにきました。
高校生の息子のセブは学校をサボり、友達と町中にグラフィティを描いています。
家族思いの小学生の娘のライザは夜に眠れず、おねしょまでしてしまいます。
成績がいいんだから大学に行っていいんだよと言われても、セブには自分の未来が見えません。
とうとうセブは学校で問題を起こしてしまいます。
しかし、代りが見つからず仕事を休めず、学校からの呼び出しにリッキーは行けませんでした。
そのためセブとの溝は深まるばかり。
なんとかして家族との時間を取ろうと、1週間の休みを取ろうとしますが、代りが見つかりません。
とうとうセブは万引きをして警察に捕まってしまいます。
息子を犯罪者にしてはいけないと仕事を休んだリッキーはセブに怒りをぶつけ、携帯を取り上げます。
セブは家を飛び出してしまいます。
次の日、仕事に行こうとしますが、トラックの鍵が見つかりません。
実は鍵はセブではなく、ライザが隠していたのです。
リッキーが仕事に行かなければ、前のような家族になれると思ったのです。

別の日、リッキーは配達をしている時に強盗に遭い、怪我をしてしまいます。
病院では長時間待たされ、イライラしている時にフランチャイズを統括しているマロリーから電話がきます。
仕事を休むペナルティの他に強盗に盗まれたパスポートと壊された機械の賠償をしろと言うのです。
あの温厚なアビーがリッキーから電話を奪い、怒鳴ります。
家に帰ると、父親のことを心配してセブが帰ってきました。
次の日の朝、リッキーは家族が止めるにもかかわらず、トラックに乗ります。

「働けど働けど猶我が生活楽にならざりぢっと手をみる」
この歌が思い出されました。

イギリスだけの話ではなく、日本でもフランチャイズの問題が起きていましたね。
例えばセブンイレブン。
私なんかコンビニに滅多に行かないから、なおさらそう思うのでしょうけど、お正月にお店が閉まっていたっていいし、24時間開いていなくてもいいと思うのですが。
宅配便もすぐに届くのはありがたいですが、そんなにすぐに欲しいものかしら?
便利になっても、働く人たちの健康や生活が害されるのでは本末転倒です。

大怪我をしていてもペナルティを受けたくないと職場に行こうとするお父さんが哀れでした。
私、彼が死ににいくのかと思いました。
彼にとって職場は戦場か。

リッキー家族が痛ましくなっていく映画です。
誰一人として悪くはないのですから。
真面目に働くことで幸福になっていく社会でなければいけないのに。


群ようこ 『今日もお疲れさま パンとスープとネコ日和』2020/02/08



美味しいサンドイッチとスープのお店をやっているアキコの日常は頑張らない、
疲れたら休んで無理をしないという感じです。
(ネタバレアリ)

異母兄の住職が亡くなったということを知り、どうしようかと思っています。

アキコの片腕のしまちゃんは結婚するとか言っていたのに、籍は入れず、一緒には暮らさず、たまに会うそうです。
せっかく指輪を買ってくれたのに、ネコの遊び道具になっていたり、パンツの後ろのポケットに入っていたりします。
アキコはしまちゃんのパートナーのシオちゃんが可哀想になります。

そんなある日、パン屋さんのご夫婦が店を閉めることになり、新しいパン屋をさがさなければならなくなります。
しまちゃんはシオちゃんを使い、新しいパン屋を探すと言います。

お店の前の喫茶店はインスタ映えするとかで、この頃人気で若いお客さんが増えています。

こんな風にアキコの周りはすこしずつ変わってますが、アキコはのんびりとお店をやり、休日にはネコと遊んでいます。

なんと言うことはないお話で、すぐに読めてしまいますが、そんな緩い感じがいいんでしょうね。
次はどういう出来事が起きるのかしら?



我が家の犬たちは昼間はママがかまってくれないのを知ったので、寝て過ごし、パパが帰ってくる頃には、起きてかまってくれるのを待ちかまえています。
パパはママみたいにかまってくれないのにね。

山口恵似子 『婚活食堂 2』2020/02/09



表紙の絵が文庫本になったら変わったのがわからず、漫画化したのかと思っていたら、続編が出ていたのね。
続編は単行本では出版されず、文庫で出たようです。
山口さんの本は美味しそうなお料理が出てくるので楽しみです。
最後にレシピがあります。
調味料の量が書いてないので私は作ったことがありませんが、お料理好きな方は挑戦してみるのもいいですね。

元占い師で今はおでん屋「めぐみ食堂」の女将をやっている玉坂恵が主人公のお話です。
おでん以外に出てくるお通しが美味しそうです。
手作りのあん肝とかおでんの蟹面、食べたい(涎)。

読むたびに不思議なことは、恵がお店にやってくる女性に積極的に婚活を勧めるってことです。
今回は今時のマッチングアプリを活用した婚活を勧めています。
そのために婚活女性が変な男に騙されそうになったりしています。
恵の知り合いの男性の協力を得て、大事にはなりませんでしたが。
アプリを利用してみようと思う方がいたら、参考になるかも。

こんなおでん屋があったら週一ぐらいでお邪魔したいですねぇ。
ただし未婚の方は女将が面倒かも(笑)。

読んだ本&漫画2020/02/11



紙吹みつ葉 『おいしい給食』
数学教師の甘利田幸男は、毎日、給食を楽しみにしています。
というのも母親が料理下手だから、唯一美味しいものが食べられるのが給食なのです。
給食が彼の関心のすべてと言っていいほどです。
彼の担任する一年一組に神野という生徒がいます。
彼も甘利田と同じように給食を生きがいにしていました。
彼のすごいところは斬新な方法で給食を食べるというところです。
甘利田は神野をライバル視していますが、いつも彼の食べ方をみるたびに負けた・・・と思うのです。
こんな二人の勝負も終わりが近づいてきました。
というのも・・・。

昔も今も人気ナンバーワンはカレーとかフルーツポンチかしら?
揚げパンも美味しいですよね。
今の給食は私の頃より、ずっと美味しいんだろうなぁ。

似鳥航一 『お待ちしてます下町和菓子栗丸堂 5』
このシリーズの最終巻です。
浅草にある和菓子屋「栗丸堂」の店主、栗田はお茶会用に「若鮎」を作ることになります。
そんな折、昔、葵の父親の店で働いていた富樫が現れ、栗田の「若鮎」にダメだしします。
彼のダメだしのおかげでいい「若鮎」ができましたが、何故今頃富樫が葵の前にあらわれたのかわかりません。
栗田は富樫と対決することにします。

あっさりしたハッピーエンドです。
和菓子について少しは知識が増えたかしら?

山邑圭 『刑事に向かない女 違反捜査』
警察行政職員の試験を受けるはずだったのに、間違って警察官試験を受けてしまい、警察官になった椎名真帆は、マンションで片耳を切られて殺されていた女性の事件で、大森湾岸署の村田と組まされることになります。
村田は先輩である椎名を無視し、単独行動をとる奴でした。
村田の行動に怒りを覚える椎名でした。
しかし、別々の方法で事件を追っていても、なぜか椎名も村田も同じように事件の真相に迫っているのでした。

最後の盛り上がりに欠けました。
椎名は来年、行政職員になるつもりですが、うまくいくのかしら。
結構刑事に向いているような気がしますが(笑)。

《まんが》
柴門ふみ 『恋する母たち 1~5』
ある名門中学に息子が通っている三人の既婚女性のそれぞれの恋模様。
久しぶりの柴門さんです。
世のアラフォはこんな方々が普通なのでしょうか?

星野ルネ『アフリカ少年が日本で育った結果』
    『アフリカ少年が日本で育った結果 ファミリー編』
カメルーンで出会った日本人男性とカメルーン人女性が結婚。
カメルーン女性には息子が一人いて、その子が日本に4歳でやってきて、関西で育つ。
彼が経験し、感じた日本やカメルーンのことが面白いです。
彼のようにポジティブに育つといいですね。

東元俊哉『テセウスの船 1~10』
田村心の父は28年前、21人を毒殺したとして逮捕されていました。
妻が出産後亡くなってしまい、妻の遺品を見ていた心は、妻が28年前の事件を調べていたことを知り、事件を自分でも調べなおしてみようと思い立ちます。
事件現場である北海道の音臼村を訪れると、突如濃霧に包まれ、気がつくと28年前の1989年にタイムスリップしていました。
そこで心は警察官をしていた父・佐野文吾と出会い、彼の家にお世話になることになります。
心は未来を変えようと奮闘しますが・・・。

犯人が分かった時にびっくりしました。
どこで出てきたのかを忘れていたからです。
出てきたかしら・・・?
それにしても心は犯人捜しには全く向かないですね。

テレビドラマは見てませんが、漫画とは違っているのでしょうね。
タイムスリップした話ではドラマもよかった『仁』の方が面白いかも。



去勢してからお腹がすくのか、ものすごい勢いで餌を食べる弟犬です。
今日は兄の残り物を手でやると、すべて食べました。
兄は残り物は絶対に食べません。
兄と弟の気質の違いかも。

蒼空チョコ 『こうして僕らは獣医になる』2020/02/13



実は私、獣医になりたいと思ったことがあります。
『野生のエルザ』シリーズを読んで、アフリカで獣医をやるのもいいなぁと若気のいたりでのんきに思ったりしていました。
結局、兄の「獣医学科の奴らはそこら辺にいる犬を捕っていって解剖するんだぞ」という言葉と、6年間学業を続けなければならず、学費が高いということもあり、諦めました。
獣医に向いていたかどうかはわかりませんが、インドで鶏が首をはねられるのをじっとみていることができたので、解剖などは平気そうです。
今から考えると、ちゃんとした試験のある国家資格を取っておけばよかったと思います。
国家資格があれば、何歳になっても働けますから。
高校生の皆様、よく考えてね(笑)。

馬好きの親から勧められ、獣医大学に現役入学した日原祐司は三人のクラスメートと親しくなります。
それぞれが実家が畜産業だったり、親が獣医師だったり、エキゾチックアニマル好きだったりと、日原とは違いちゃんとした将来への見通しがあって獣医大学へと進んでいました。
大学には独自の『パートナー動物』制度があり、日原は腎不全で高齢の雄猫コウと共同生活を送ることになります。
日原は初めて経験するパートナーとの別れや解剖される動物の世話などを通し、特別な志もなく獣医大学へ進んだ己を省み、命を扱うことの意義を学んでいきます。

私だけかもしれませんが、獣医って人間の医師と同じ、つまり動物病院に勤めている獣医しか頭になかったのです。
でも、獣医の仕事ってそれだけではないんです。
本の中には獣医大学卒業の四万人の国家資格所持者のうち、小動物(いわゆる動物病院の獣医)が四割、公務員が二・五割、産業動物系が一割、その他(大学関係者と製薬会社系)が一・五割、不明が一割と書いてありました。
ホント、私の知識って浅いです。
本気になって調べてないということもありますが、よく考えてみればわかったことなのにねぇ。

ちょっと悲しい現実。
ペットが死んだら、「燃えるゴミ」と同じ廃棄物になるそうです。
家のイヌたちは個別火葬をしてもらい、散骨するか、私の骨と混ぜてもらい、一緒にお墓に入りたいのですけど。

今は色々な本が出版されていて、昔よりも仕事に関する本が多くあり、自分の仕事を考える時に役に立ちます。
この点、今の学生さんたちがうらやましいですわ。
獣医に興味があったり、獣医学部に進学しようかなと思っている人、読んでみてください。
すべてこのままということはないですが、獣医学部の様子がわかると思います。