山本瑤 『エプロン男子 1&2』 ― 2020/03/01
おやつを置いて、1分間待たせました。
兄はジッとおやつを見ていますが、弟はママの方を見ます。
30秒ぐらいでママが動いたら、二匹が間違えておやつをパクッと食べてしまいました。
次は動かず、1分間待たせました。
兄は3分ぐらい待てますが、弟は食い意地がはっているので、隙があったらすぐに食べようとします。
のんびり兄とちゃっかり弟。
新型コロナウィルスに罹ったらどうなるのかと考えると、軽症で家にいられるといいのですが、重症になり入院すると犬が困ります。
元同僚が預かってくれそうですが、千葉県の方で持病のある方ですから、わざわざこちらまで来ていただくことはできません。
どうしたらいいのかしら?
近くで犬を預かってくれる所か、もしくは里親を斡旋してくれる所を探しておかなければと思うこの頃です。
『君が今夜もご飯を食べますように』で家具職人の弟子になっていた倉木相馬が、家具職人として独立し、東京で家具を作りながら「エデン」という出張料理人の店を立ち上げていました。
「エデン」は一見さんお断りで、お客さんの紹介者のみを受け付けており、お客さんはシェフに触ってはいけないなどと色々としてはいけない取り決めがあります。
というのもシェフは4人いて、イケメンばかりだからですから。
食べたい料理を頼めば、何でも作ってくれます。
その料理がとても美味しく、疲れた心を癒やしてくれます。
今日もワケあり女子が「エデン」に電話をかけてきます。
こんな出張サービスがあれば頼みたいと誰もが思うでしょう。
はっきり言って、毎日ご飯を作るのは大変です。特にメニュー考えるのが面倒。
夫と息子が3人いる主婦が出てきましたが、彼女の気持ちがよくわかりますわ。
現実としてはこんなイケメンシェフがやってきたら、惚れちゃう女子が沢山いて、ストーカー被害なんかありそうですが。
表紙の感じから軽い恋愛物かと思うかもしれませんが、癒やし系のお話です。
ワケあり女子に自分を重ねる人もいるかも。
一時、現実を忘れてみましょう。
どのイケメンシェフを頼もうかしら(笑)。
谷瑞恵 『めぐり逢いサンドイッチ』 ― 2020/03/03
開店して三年目の『ピクニック・バスケット』はサンドイッチ専門店。
蕗子と笹子の姉妹がやっています。
笹子が主にサンドイッチを作っています。
彼女はお客さんの具材の思いや記憶をサンドイッチにしていきます。
例えば、卵サンド。
関西風は卵焼きが、関東風はゆで卵をマヨネーズで和えた物が入っています。
卵焼きも家それぞれで、砂糖を入れたり、お醤油を入れたり、出汁を入れたり、色々とあります。
うちは出汁なし砂糖入りかな。
それぞれの具材にどんな物語があるのかは読んでのお楽しみ。
結構、サンドイッチって深いのね。
私には思い出の味はないけれど、昔に比べれば美味しいサンドイッチのお店が増えていますね。
そういえば近所に二軒、サンドイッチ屋がありましたが、二軒とも閉店してしまいました。
何故なのかしら?
幡大介 『大富豪同心 八巻卯之吉放蕩記』 ― 2020/03/04
20巻以上も出版されているので、面白いのかと思って読んでみました。
NHKでテレビドラマ化もされているようですね。
江戸一番の札差・三国屋の末孫の卯之吉は、おじいちゃんから大層かわいがられていました。
お金は唸るぐらいあるので、かわいい孫のためと、祖父はなんと同心株を買ってしまいます。
そんなわけで、今まで放蕩三昧をしていた卯之吉が定町廻同心見習いになってしまいます。
出自を隠しつつ、ちょっと普通の武士とは違う卯之吉は、周りの勘違いから出来る同心見習いと思われ、家来のように働いてくれるヤクザ者まで現れ、豊富な財力と知恵を使い、江戸の町に起こる難事件を次々と解決していくこととなります。
武術はまるっきりダメ、刃物を見ると気絶・・・色々と情けないところのある卯之吉ですが、甘やかされたわりに性格がいいので愛されキャラです。
新型コロナで気分が落ち込んだ時に、こんな馬鹿馬鹿しい時代劇なんかいいかも。
中山七里 『テミスの剣』 ― 2020/03/05
昭和59年11月、浦和インター近くのラブホテル街にある不動産屋で夫婦が何者かに殺されているのが見つかった。
浦和署の渡瀬巡査部長は教育係の鳴海警部補に呼び出され現場に赴く。
鳴海は隠されていた帳簿から不動産屋が高利貸しをしているのを知る。
それを捜査会議では報告はせず、渡瀬と共に帳簿に書かれていた65人の顧客1人1人に当たっていく。
その中で楠木明大という男に突き当たる。
鳴海は彼を犯人だと見なし、強引な取り調べを行い、渡瀬は鳴海に協力していく。
楠木は罪を認めなかったが、ある証拠物が不利に働き、裁判で死刑を言い渡されてしまう。
やがて楠木は東京拘置所で自殺をする。
それから5年後、平成元年、盗難事件と殺人強盗事件を扱っていた渡瀬は手口が同じことからこの2つの事件は同一人物の犯行ではないかと考え捜査をしていた。
ある人物に行き着き、2件の犯行を認めさせるが、渡瀬は5年前の事件もこの男、迫水二郎がやったのではないかという疑念を持ち始める。
そして、渡瀬は迫水に確かめてしまう・・・。
平成24年、渡瀬は埼玉県警捜査一課の警部になっていた。
迫水は府中刑務所から出所するが、公園のトイレで刺されて死亡しているのが発見される。
新聞で迫水のことを知った渡瀬は管轄外ではあるが、自らの事件に決着をつけるために独自に調べ始める。
冤罪事件を起こした刑事が30年間に渡り、自分のおかした罪を背負い、正義を通そうとします。
最後の最後までどんでん返しがあります。
重いテーマの割に、ある理由が軽いですけどね。
読んだ漫画 ― 2020/03/06
猪川朱美 『鵼の絵師 1~8』
たまたま肖像画を描いた人が2人続けて亡くなったことから、「生者を描けば魂を奪い、死者を描けば蘇らせる」と言われるようになった菅沼英二郎は「鵼(ヌエ) の絵師」と呼ばれています。
普段は色々な動物のパーツを組み合わした絵を描いていますが、依頼があれば生者のために死者の肖像画を描きます。
彼の描く肖像画には深い思いが込められており、生者の心を癒やしていきます。
舞台が昭和初期というのがいいですねぇ。
私、日本の江戸時代と昭和初期が好きなんです。
お勧めの漫画です。
埜納タオ 『百花日和 1~3』
専門学校のいけばな芸術コースで学んでいる南ちゃんのお話。
生け花を教えている専門学校ってあるんですねぇ。知りませんでした。
中学校時代に生け花を習ったことがありましたが、ほとんど忘れてます。
そういえばお生花というのがありましたね。これは究極の生け花だと思います。
習っていた頃は若すぎて、ただ先生のマネをしていけるだけでしたが、今なら色々とわかるかもしれません。
生け花は深いですね。
二宮敦人、土岐蔦子 『最後の秘境 東京藝大2:天才たちのカオスな日常』
この本、1巻で終わるのかと思っていたら、続きが出たのね。
ますますすごい藝大生が登場しています。
口笛チャンピオンやからくり人形を作る人を始め、指揮者、彫刻科、建築科・・・と色々な科の人たちなど。
それぞれが個性の塊で、お友達にいたらおもしろそうですけどね。
藝大のすごさを知るのに必読です(笑)。
東村アキコ 『タラレバ娘 シーズン2 1~2』
『タラレバ娘』も新しいステージへ。主人公を変えて登場しました。
新ヒロインは30歳でフリーターの廣田令菜。
親元でアルバイトをして暮らしていますから、家では何もせず、グータラしています。親も何も言わないのねぇ。
家の近くの図書館でバイトをすることにしますが、そこにいた変な司書さんに連れられ変なバーに出入りするようになり、店主の影響で自分の夢を探し始めます。
が、その夢が「婚活」!
どうなることやらねぇ。
水谷緑 『こころのナース夜野さん 1』
新米精神科ナースの出会った患者さんたちのお話。
とてもきつい内容ですが、救いのある終わり方です。
昔出会ったリストカットの少女たち、生きてるかなぁ・・・。
山本亜季 『賢者の学び舎 防衛医科大学校物語 5』
なんと、5巻で終わってしまいました。
それも4年間あるはずなのに、1年生の時ばかり長くて、2年から4年までこの巻で軽く触れている程度です。
人気がないから?『あおざくら』は続くのに。
防衛医科大学校についてもっと知りたかったです。残念です。
おかざき真里 『かしましめし 1~3』
28歳、独身の男女3人が一緒にご飯を食べることに楽しみを見いだし、ついでに一緒に住み始めてしまいました。
それぞれに悩みがあり・・・。
出てくる食事がとても美味しそうです。
いつまでこの学生みたいなノリが続くのかしら?
シリーズ物も読んだりしていますが、活字に飽きたら面白い漫画を求めて0円まんがを読んでリサーチしています(笑)。
森晶麿 『探偵は絵にならない』 ― 2020/03/07
若くして画家として評価を受けたのに、絵が描けなくて、画家として失業状態の濱松蒼は、同棲していたベトナム人のフオンがいなくなったので、彼女を探しに二人の出身地である浜松に戻ります。
浜松で落ち着いた先はアロマテラピストの友人、小吹蘭都のところ。
とりあえずお金を稼がなければならないので働くのだけど、小吹が持ち込むのは奇妙な依頼ばかり。
蒼はフオンを探すことができるのか。
匂いには不思議な力があるのですね。
「あなたの匂いが消えた」なんて言われたら、どうしましょう。
普通の人なら体臭がしなくなったと喜んだりしてそうですが。
黒猫シリーズも好きですが、黒猫とは違う世界が面白いです。
浜松って行ったことがないのですが、いい町そうですね。
浜松まつりに行ってみたいです。
トリミングに行く ― 2020/03/08
イヌたちをトリマーにまかせ、夫とドラッグストアに行きました。
開店から10分しか経っていないのに、ティッシュペーパーもトイレットペーパーも売り切れでした。
店員さんに聞くと、「うちは大手とは違い届く個数が少ないので」とのこと。
少し高くてもネットでしばらく買うことにしますわ。
弟犬は寒がりなので、コートを着せています。
兄は疲れたのか静かです。
弟はハイになっていて写真を撮ろうとしてもすぐに動いてしまいます。
おやつを見せてもダメです。
仕方ないのでパパに抱いてもらいました。
兄は弟といるといつも無表情です。
弟は久しぶりのコート姿です。
パパの姿を目で追っていて、カメラは無視です。
真面目な兄はお座りというとちゃんとお座りをします。
おやつはすべて兄の口に入ってしまいました(笑)。
似鳥鶏 『彼女の色に届くまで』 ― 2020/03/11
画商の息子で画家を目指している緑川礼は冴えない高校生活を送っていました。
友人と言えば筋肉マニアの変人、風戸のみ。
美術部に入っても美術室に来るのは彼だけ、美術展の公募には落ちてばかり。
果てには絵画を破損した犯人にまでされてしまいそうになります。
そんな彼を助けたのが無口な美少女の千坂桜。
彼女は緑川の欲しかった才能を持っていました。
彼女の才能に惚れ込んだ緑川は彼女に協力し、同じ美術大学へ入学します。
大学に入学した千坂は大学には行かなくなり、飲み食いを忘れ、下宿に閉じこもって創作活動をしています。
そんな彼女の世話をするのが緑川でしたが、何故かまた絵画に関する事件が起こり、またまた千坂がそれを解決していきます。
才能を持つ者と持たざる者の違いは残酷ですね。
でも、同性ではないから、それほどドロドロとしたものになっていないようです。
風戸君、面白いです。
彼がいたから話が暗いものにならなかったのかも。
相変わらず後書きがおもしろいですねぇ。
楓ヶ丘動物園シリーズとは違う世界が楽しめましたが、やっぱり動物園が好きです(笑)。
新作よろしくお願いします。
森谷明子 『涼子点景1964』 ― 2020/03/12
1964年、東京。
「もはや戦後ではない」と言われ、オリンピック開催が目前でした。
競技場近くに住む健太は書店主から漫画を盗んだと疑われ、自分の無実を証明すべく、証人としてその日にたまたま話をした涼子お姉さんを捜し回ります。
彼女は同級生の太郎の姉だと思っていたのですが、姉ではなく、太郎は住んでいる場所を知らず、近いうちに遠くへ引っ越すと言っていたとのことでした。
しかし、運良く涼子に出会え、健太への疑いは晴れました。
涼子は不思議な魅力のある美少女で、家は貧しいはずなのに、彼女のことを「お嬢さん」と呼ぶ男性と一緒にいるところを見かけられました。
一体彼女は誰なのか。
明らかにされていく彼女の境遇は・・・。
涼子が最初はどういう子なのか分からず好きにはなれませんでしたが、読んでいくうちに、秘密を胸にしまい、人には頼らず、困っている人がいると手助けをし、自分で自分の道を切り開いていこうとする、聡明な女性であることがわかりました。
あの時代はまだまだ日本は貧しくて、生活は大変だったんですね。
今年のオリンピック(もうないと思いますが)の時代は果たしてどうなのか。
もし10年後、20年後に生きていたら・・・『涼子点景2020』を読んでみたいものです(笑)。
中山七里 『ネメシスの使者』 ― 2020/03/13
凶悪な殺人を犯したにもかかわらず死刑判決を免れ、無期懲役で刑務所に入っている殺人犯の家族が次々と殺されていく。
死体の側にはギリシア神話の「義憤」の女神、「ネメシス」という血文字が・・・。
刑事の渡瀬は遺族による加害者家族への復讐と司法に対する挑戦の2つの方向から事件を調べていく。
被害者家族と加害者家族、死刑制度など色々と考えさせられます。
被害者家族にとっては犯人が死刑になることで溜飲を下げることがあるかもしれませんが、「懲役というのは、内側から人間性を殺していく刑罰・・・自分が人ではなくなった絶望をいつまでも呪いながら死んでいってほしい」という言葉に、そういう見方もあるのかと思いました。
最後の最後までどんでん返しがありますので、気を抜かず読んで下さい。
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