西條奈加 『わかれ縁』2020/03/18



浮気と借金を繰り返すろくでなしの亭主、富次郎に愛想を尽かし、別れようと決心して家から飛び出した絵乃はたまたま出会った椋郎に拾われ、公事宿の『狸穴屋』で手代見習いとして働くことになります。
『狸穴屋』は離縁の調停を得意とする公事宿で、女将の桐は七度も離縁をしているつわもの、椋郎は桐の下で働く手代でした。
公事屋に離縁を頼むと十両必要ですが、絵乃にはそんなお金は払えません。
そのため絵乃は初仕事として自分の離縁を成すことになります。
実は絵乃は幼い頃、母に捨てられ、自分も母に似ているのではという思いがありました。
色々な夫婦のあり方に関わっていくうちに手代として成長していく絵乃でしたが、自分を捨てた母を思案橋で見かけ、椋郎の助けを借りて母のことを調べることにします。

離縁は亭主の側からしかできないなんて、本当に理不尽なことです。
縁切寺があったようですが、遠いとそう簡単に行けないか。
女は男の従属物という考え方が強い時代だったので仕方がないのでしょうけどね。
最後がホッとできたのでよかったです。
これから絵乃がどう成長していくのか、椋郎とどうなるのか、続きを書いてくれるのかしら?
この話の前に是非とも神楽坂日記シリーズの方の新刊を書いてもらいたいのですけどね(笑)。



このお方、ボールを離さず、ママに怒られてしまいました。
ボールで遊ぶのが一番で、おやつは二番。
チュールを見せられてもボールは離さず、お兄ちゃんがチュールを全部食べてしまいました。