ブレイク・マーラ 『ロンドン、ドッグパーク探偵団』2025/09/02



人間だけで駒沢オリンピック公園に行ってきました。
ここは毛の多い大きいわんこが沢山います。
ちょっと歩いただけで4匹発見しました。
朝の八時を過ぎたら暑いので、わんこの散歩はしないと思っていたら、結構います。
写真はカフェのMr. FARMER。ブレックファーストを7時からやっています。
野菜が美味しいです。
久しぶりに訪れたら、オーダーはQRコードで、清算は機械になっていました。
モバイルオーダーが当たり前の世の中になってきていますね。
まだ付いて行けそうですが、もっと年を取るとどうなるやらww。

さて、本の方は表紙のわんこたちがかわいいので読んでみました。


ルイーズ・マロリーはミニチュア・ダックスフンドのクラウスのママで、コンサルティング会社を経営している。
パートリッジ・パークでスコティッシュ・テリア、ハミッシュのママで事務弁護士のイリーナ・イワノワと四人(正確には二人と二匹)で、早朝のお散歩をしている時に、犬たちが男性の死体を見つける。
その死体は昨年パルボウイルスで死んだアルフィーというコッカプーを飼っていた元犬仲間のフィリップ・クリーシーだった。
フィリップとはアルフィーが死んでから疎遠になっていたが、ルイーズはフィリップの死の真相を突き止めようと決心する。

同じ頃に、何者かが毒入りの食べ物を道に置き、何匹かの犬が食べてしまうということが続いていた。

パートリッジ・パークのドッグランで出会った犬飼いたちが作ったチャットグループに集う仲間(「pack"パック"」)たちは情報交換を行い、結束を固め、犯人に迫っていく。

日本とは違い驚いたのが、同じドッグランを使っている犬飼たちが「パートリッジ・バーク」(バークは「bark”吠える”」のこと)というチャットグループを作っているということです。
日本でそんなグループってあるのかしら?私が知らないだけ?
そういうわけで、お話の中で犬飼いたちのチャットが飛び交っています。
「この人誰?」ってことが多々あり、私の記憶力が悪いせいでもありますが、あまり楽しめませんでした。
続けて読むうちに名前を覚えていくはずなので、楽しめるようになるかしら?
ちょっと自信がありませんわww。

二作目は『Bone of Contention』。
ボクサー犬のハーキュリーズのママ、ヤズが運河沿いのベンチで死んでいる男性を発見。
その男性を最後に目撃したのがフレンチ・ブルドック、タンクのママで『クロニクル』紙の記者であるクレアだったため、警察は彼女を勾留します。
パックたちがクレアのために真犯人を突き止めようと再び立ち上がります。

ナショナル・シアター・ライブ「博士の異常な愛情」を観る2025/09/03

1964年に公開されたスタンリー・キューブリックの脚本・監督による米ソ冷戦下における核戦争の恐怖をブラック・コメディにして描いた映画「Dr. Strangelove or:How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb」を基にした舞台です。
映画では主演のピーター・セラーズが一人三役を演じています。
ピータ・ブライアントが書いた『Red Alert(破滅への二時間)』(1958)が映画の原作だそうです。


原題:National Theatre Live: Dr. Strangelove
   2025年制作/150分/イギリス
原作:スタンリー・キューブリック
演出:ショーン・フォーリー
脚本:ショーン・フォーリー
   アーマンド・イアヌッチ
出演:スティーヴ・クーガン 他

アメリカのバープルソン空軍基地の司令官リッパーが精神に異常をきたし、警戒飛行中だったB-52戦略爆撃機34機に、アメリカがソ連に攻撃されたので、ソ連に報復するために核攻撃をするように命令し、基地を封鎖してしまう。
たまたまつけたラジオで戦争状態ではないことを知ったイギリス空軍のマンドレイク大佐はB-52を引き返させるようにリッパーに進言するが、リッパーは聞かず、司令室にマンドレイクを監禁する。

一方、バープルソン空軍基地の状況とB-52の出撃を知ったアメリカ政府首脳と軍幹部、大統領科学顧問で核兵器の専門家ストレンジラヴ博士はペンタゴンの戦略会議室に集まり、核戦争勃発の危機を回避するための緊急対策を協議するが、とんでもない事態に陥ってしまう。

スティーヴ・クーガンはイギリス空軍のマンドレイク大佐とマフリー米大統領、元ナチス・ドイツの科学者だったストレンジラヴ博士、そしてB-52のパイロットのコング少佐の四役を演じています。
ピーター・セラーズはコング少佐役もする予定でしたが、怪我をしたためにできなかったそうです。
早替わりや二役が重なるときの演出がよかったです。
クーガンさん、舞台も御上手ですね。

映画の方は20代の頃に三本立ての中の一本として見たんじゃなかったかしら?
ストレンジラヴ博士の印象がとても強かったのですが、舞台では出番があまりなく、むしろマンドレイク大佐の方が印象深かったです。
コング少佐をクーガンがやっているのが、最初はわからなかったです。
もう一度機会があったら映画版を見て、演出や台詞の違いを確かめたいです。

ナショナル・シアター・ライブは初めて(たぶん)見たのですが、舞台が始まる前から始まり、舞台休憩の15分間が映画の15分休憩になり、観客の笑いやくしゃみなども聞こえてきて、本当に舞台を見ているような感じがしました。
ちょっとお高いけど(三千円)、また見てみたいです。
ただし、私の嫌いな渋谷の映画館でやったり、夜の回しかないということがなければねww。
キューブリックの映画を見ていなくても楽しめます。
私は映画の最後が気に入っていたので、舞台ではどうなるのか楽しみでした。
悪くない終わり方でした。

コロンビア・プクチャーズ100周年!映画『博士の異常な愛情
ナショナル・シアター・ライブ2025「博士の異常な愛情」予告編

「パトリックとクジラ 6000日の絆」を観る2025/09/05

クジラのことは「地球交響曲第六番」でロジャー・ペイン博士がザトウクジラの”音楽”について語っているのを見て、興味を持ちました。


原題は「Patrick and the Whale」で、ポスターのクジラはマッコウクジラです。
クジラの横に映っている人がパトリック・ダイクストラで、彼は少年時代に博物館でシロナガスクジラのレプリカを見て衝撃を受け、それ以来、クジラのとりこになります。
後にウォール街で弁護士をして資金を稼いでから水中カメラマンに転身し、世界中を旅して、20年間もの間、クジラを追いかけて来たそうです。(だから「6000日の絆」なのね)

パトリックは2019年にドミニカの海でメスのマッコウクジラと出会います。
彼女は好奇心旺盛で、パトリックに興味を持ち、近づいて来ました。
パトリックは彼女を「ドローレス」と名づけます。
映画ではパトリックとドローレスがコミュニケーションを取る姿がちゃんと映っています。
イルカではありますが、クジラでもできるのですね。

やがてクジラの座礁を見たパトリックはクジラを救うために、彼らが深海でどのように生活しているのか、生態を探るためにドローレスにカメラをつけることを思いつきますが、失敗します。
次に考えたのが、10年に渡って親交を結んできたキャンオープナーです。
彼女には赤ちゃんがいて、パトリックはホープと名づけます。
カメラ計画がどうなるのかは映画を見て下さい。

マッコウクジラは母系家族で、オスの子どもが大きくなると群から追い出し、追い出されたオスは他の若いオスたちとグループを作るか単独行動をするそうです。
群の絆はとても強く、仲間が天敵のシャチや捕鯨船に襲われた時には逃げずに助けに行きます。
だから年々個体数が減少していったのですね。
海岸で座礁するクジラたちのことは何度も報道されてきています。
私たちにはわからない何らかの理由で仲間が海岸に向かい、他のクジラたちもいっしょに行動して座礁したのでしょうね。
絆が強いことはよいことではありますが・・・。

         (Photograph by Stephane Granzotto)

私が一番好きなのは、何頭かのマッコウクジラが頭を上に向けて寝ている場面です。(参考:日経新聞「クジラがみんなで「立ち寝」奇妙にも美しい珍光景」)
頭を下にしていることもあるそうですが、なんで立ち寝をするのでしょうね。
そうそうクジラは脳の半分ずつを交互に休ませる「半球睡眠」なんですって。
不思議です。

詳しくは書いていませんが、パトリックとクジラが一緒に登場する美しい場面がたくさんありますので、興味がある人は是非見てみて下さい。

予告編本編映像(クジラの立ち寝が見られます)

川瀬七緒 『18マイルの境界線』2025/09/06

法医昆虫学捜査官シリーズの八作目。


東京の稲城カントリークラブのゴルフコース外の山林で女性の遺体が見つかる。
遺体は全裸で、歯が抜かれ、顔面が鈍器で潰され、髪が切られ、灯油で燃やされ、手足は炭化しており、身元を特定できない状態だった。

警視庁捜査一課の岩楯祐也と相棒の深水彰は昆虫学者の赤堀涼子と協力して捜査に当たることになり、多摩中央警察署に出向する。

その三日後、神奈川県相模原市にある解体スクラップヤード敷地内で女性の遺体が見つかる。
遺体の損壊状態から稲城と同一犯の犯行であると見なされるが、稲城カントリークラブと解体スクラップヤードは30キロ以上も離れていて、関係者に繋がりを見つけられなかった。

事件は難航を極めるが、赤堀が遺体の昆虫相から真相を導き出す。

今回は岩楯と深水が捜査する様子が詳しく描かれていて、あまり変人の赤堀先生は登場しません。
その代わりと言っていいのかどうかわかりませんが、捜査分析支援センター技術開発部の波多野とプロファイラーの広澤春美、嶋野警部補、解剖医高梨などが再度登場(前にも登場していたのをすっかり忘れていますww)してくれます。
どの方も強烈なキャラをしていますので、是非これからも赤堀先生と組んで、捜査をしてもらいたいものです。
ちょっと気持ち悪い場面がありますが、大丈夫ですよ(たぶんね)。
私はクロクサアリの匂いをかいでみたいなぁww。

<法医昆虫学捜査官シリーズの順番>
①『法医昆虫学捜査官』(2012年)
④『メビウスの守護者』(2015年)
⑤『潮騒のアニマ』(2016年)
⑥『紅のアンデッド』(2018年)
⑦『スワロウテイルの消失点』(2019年)
⑧『18マイルの境界線』(2025年)(本書)

わんこと散歩2025/09/07

今日の嬉しいニュースは車いすテニスの小田凱人君が生涯ゴールデンスラムを達成したことと、女子の上地結依さんが全米オープンで優勝したことです。
パチパチパチパチ。
小田君が国枝さんの偉業にどれぐらい迫ることができるのか、楽しみです。


この頃、お散歩は一匹ずつ行きますが、久しぶりにみんなで行きました。
ヨーキー弟は嬉しくて挙動不審。
兄は姿勢よく、もくもくと歩きます。


いつもよりも涼しかったのですが、ヨーキー弟は舌を出しています。
彼は暑くても寒くても舌が出ます。

家に帰って朝食を食べました。
この頃兄は朝食を食べなくなり、半分食べればいいほうです。(夕食は全部食べます)
ところが、この日は完食でした。
みんなでお散歩したのがよかったのかしら?

兄が残したものを、お昼の遊び時間に弟が食べています。
獣医さんに痩せるように言われ、餌を減らしたからでしょうか。
兄の餌は療養食でカロリーが低いので、弟が食べても問題がないでしょう。
食べたら夕食を減らしますけどねww。

ママパパたちは今夏最後の鰻を食べに行ってきました。


いつもの鰻よりも半分のお値段で食べられるお店があるんです。
ちょっと骨があり、味付けが濃く、お吸いものに肝が入っていませんが、満足しました。
物価高のおり、これからこれでいいんじゃないという話になりました。

とにかく早く涼しくなってほしいものですね。

原田ひ香 『一橋桐子(79)の相談日記』2025/09/08



お金がないので、犯罪を犯してまでして刑務所に入ろうと考えた一橋桐子だったが、今は『(株)クドオ・ワークス』の「クリーニング部門」のチーフになっている。
ひょんなことで出会った榎本雪菜は国際弁護士になるためにハワイの大学へ法律の勉強をしに行っているはずだった。
ところが、コロナ禍で大学はロックダウンし、帰ろうにも日本への入国も難しくなり、親が離婚し、色々と考えると日本の司法試験を合格しなければ仕事の口がないことがわかり・・・、結局、日本に逃げ帰って来た。

そんな頃、『(株)クドオ・ワークス』の社長の久遠樹は猿山団地から来た伊藤傑と安西彩美からの相談を受けていた。
彼らの望みは今のままでは朽ち果てていく古い団地の抜本的改革、すなわち再開発とリノベーションだった。
しかし、住民たちの反対など色々と問題があった。
一端は断ろうと思った久遠ではあったが、雪菜に仕事と住むところが必要だと聞き、いいアイデアが浮かぶ。
桐子と雪菜の二人を猿山団地の住み込みの管理人にするということだ。

さて、桐子と雪菜は色々と癖のある住民たちとどう関わり、団地を再建していくのか。

一時期、誰もが憧れる団地生活でしたが、今や住民の高齢化が進み、空き家が増え、建物の老朽化など様々な問題が持ち上がっています。
一部の団地はリノベーションをして、若者たちに人気のものもありますが、すべてがそうなるとは言えませんものねぇ。
難しい問題です。

実際にしてもらいたいことがあります。
区や市町村で独居高齢者の方に何かあった時のために遺書状を預かることをして欲しいです。
遺言状と言っても本に書いてあるように、「お金のこととか、財産のことではなくて、死んだら誰に連絡するか、倒れたらどこに連絡して、どの病院に行ったらいいか、とか・・・部屋の片付けは誰に頼むのか」なんていうことを書いたもののことです。
親類縁者がいない人は死後のことを区や市町村でやってくれと書いてもいいことにしてくれるといいのですが。
どうでしょう。

老後を考えると暗くなりそうなので、この辺で止めておきますわww。

このお話は上手く行き過ぎ感はありますが、ほっこりするものですので、安心してお読み下さい。

ほしおさなえ 『銀河ホテルの居候 落葉松の森を歩いて』2025/09/10

銀河ホテルの居候シリーズの三作目。


「第一話 おとぎ話の庭 稲穂」
志穂と佳菜の姉妹は長野で行われた祖父と父母の法要の後に、久しぶりに銀河ホテルにやって来た。
母は六年前に、父は去年の七月に亡くなっていた。
父の机の引き出しに、二人で銀河ホテルに行って手紙を受け取って欲しいという手紙があったのだ。
二人は手紙を受け取る時に手紙室のワークショップを予約した。

「第二話 落葉松の森を歩いて Deep Pine Forest」
銀河ホテルのアクティビティ部門で働く早乙女はやっと取れた休日に手紙室のワークショップを受けることにする。
特に手紙を書きたい相手はいなかったが、同僚の上原旬平からすすめられたのと、苅部と苅部のワークショップが気になっていたからだ。

「第三話 十人十色 Blue Lagoon」
大学教授の斎藤は今年度で定年で、彼の受け持っているゼミも今年で消滅する。
毎年銀河ホテルで行われていた二泊三日のゼミ合宿も最後になる。
斎藤は手紙室のワークショップで巣立っていく四年生一人一人に手紙を書いている。
今年も合宿の最終日の懇談会で手紙を渡す予定だったが、思いもかけないことが起こる。

ほしおさん、書くペースが速いですね。
琴子シリーズも先月発売されていましたよね。
余計なところがちょっと気になりました。
早乙女が15日間ぶっ通しに働いているなんて、大丈夫なんですか?

第三話が好きですが、今もこのような師弟関係があるのでしょうか。
斎藤教授は真摯に大学生と向き合っていたのでしょうね。
こんな手紙をもらったら、大事に宝物として取って置きますわ。
私のゼミは合宿なんてなかったけど、あるのが普通なんでしょうか。

本の中のいい言葉を書いておきます。

「夢を見るのは子どもたちの仕事。わたしたち大人の仕事は、子どもたちが夢を実現できるように支えること、って思ってたんだけどね。でも、わたしたちのなかにも子どもはいるんだな、と思って」

「書というのは、言葉に宿っている命と出会い、それを自分の身体を使って形にするような行為なのかもしれないですね」

「本人として向き合えるのは「自分」だけ」

「大学というのは、小学校からずっと箱庭のなかで育ってきた彼らが羽ばたく前の、最後の箱庭です」

軽井沢は犬連れで泊まれるホテルがたくさんあるので、行くことが多いのですが、次は本の中に出てきた「犀星の経」と室生犀星の旧居に行ってみたいです。
旧居は犬は入れないだろうから、わんこたちはパパといっしょにママを待っていてもらいましょうww。

<銀河ホテルの居候シリーズの順番>
③『銀河ホテルの居候 落葉松の森を歩いて』(本書)

「マルティネス」を観る2025/09/11



60歳になるマルティネスは会社から退職を迫られている。
チリからメキシコに移住し、仕事だけに生きてきたマルティネスは断固として断っている。
しかし、会社はマルティネスの後釜のパブロを送り込んでくる。
抗議に行ったマルティネスはパブロに仕事を教えてくれれば勤務延長を考えてもいいと言われる。

そんなある日、マルティネスの部屋の下の階に住んでいた女性のアマリアが亡くなっていた。
住民たちは彼女の部屋のテレビの音量に悩まされていたが、半年も前に彼女が亡くなっているのに気づいていなかった。
アマリアの遺品の中にマルティネスへの贈り物があったのをきっかけに、マルティネスはアマリアに興味を持ち、やがて彼女に惹かれるようになる。

マルティネスはアパートの前に捨ててあったアマリアの荷物を自分の部屋に運びこむ。
置物や小物などを自分の部屋に飾り、彼女の残した雑誌を読み、クッキングブックの中の料理を作り、ノートに書いてあるバケットリストをやってみる。

同僚のパブロとコンチタはマルティネスの様子が変わったのに気づく。
アマリアのことを聞き(もちろん死んでいることは言わない)、おせっかいなパブロはマルティネスにアドバイスを与え、協力してくれるが・・・。

一見キモそうに思えるかもしれませんが、全くキモく思えない映画です。
マルティネスは60歳になってから恋に目覚めたかわいいおじさんという感じです。
チリの歴史に詳しくないので何があったのかわかりませんが、慣れないメキシコに渡ってきて生活していくのに大変で、恋愛なんて二の次になってしまったのかもしれませんね。
マルティネスの俳優さん、イケオジだと思いますけどww。
たとえ亡くなっている女性でも、人と関わりを持つと、人は影響を受け、変わっていくもので、いくつになっても人を思うということは、人生に潤いを与えてくれるものなんですね。

ちょっとネタバレですが、マルティネスはある取り返しのつかないことをしてしまい、それがアマリアへの妄執から覚めるきっかけとなり、新しい第一歩を踏み出すこととなります。

どんなラストになるか心配でしたが、とても清々しいラストでした。


「キノ・ライカ 小さな町の映画館」を観る2025/09/13

懲りもせず、フィンランド語が聞き取れるか、フィンランド映画を見ています。
フィンランド語、98%、フランス語、1%、英語、1%の映画です。
英題は「Cinema Laika」。
ちなみにフィンランド語で映画は「elokuva」で、映画館は「elokuvateatteri」です。「kino」も映画や映画館という意味で使われるようです。

「キノ・ライカ」は2021年10月8日にオープンし、ワインバーや川沿いのテラスを併設し、毎月コンサートを開催しているほか展覧会なども行う、街の複合文化施設としての役割も担っているそうです。(映画のHPより)


フィンランド人映画監督のアキ・カウリスマキは、ヘルシンキから車で約一時間の鉄鋼の町、カルッキラ(Karkkila)へ恩返しのため映画館を作ることにする。
カルッキラは人口約8400人ほどの小さな森と湖の町だが、芸術家たちも住んでいる。
アラ・エマリという鋳物工場跡がキノ・ライカになる。
建物は三十年前に防水シートが張られたが、ここ十五年ぐらい雨漏りしていたので屋根から手をつけた。
地元の仲間たちとともにカウリスマキも映画館の建設作業に加わっている。

この映画はクロアチア出身のヴェリコ・ヴィダクが家族を連れて一年間カルッキラに滞在して、映画館のオープニングまでを撮ったものだそうです。
建設の様子よりも町の人々や協力している芸術家たちの会話に重きが置かれています。
キノ・ライカは映画館であるだけではなく、住民の交流の場でもあるようです。
そうそう、「枯れ葉」に出演していた「マウステテュトット(Maustetytöt)」が出てきましたが、「監督とは8ヶ月(?)前に会ったばかりなので、よく知らないわ」なんて感じで、歌のようにそっけない二人ですww。

実は私、映画のはじめに日本語の歌が流れてきたので、間違えて吹き替え版を見ているのかと思ってしまいました。
40年前にカルッキラに愛する人を追いかけて来たという日本人歌手の篠原敏武さんが歌っている歌なんです。
映画の中ではナマケモノ会の会長とチェスをしている姿が映っています。
フィンランド語の歌を日本語にして歌っているようで、カウリスマキが彼の歌を気に入り、CDにもしているらしいです。

この前テレビ番組でキノ・ライカが取り上げられていました。
「世界でいちばん犬に優しい映画館」なんですって。
犬用のビールがあるらしいです。
もちろん犬はタダで客席(の床)で映画が見られます。
フィンランドって犬に優しい国で、昨年空港に犬がいるのを見たのですが、私の目の錯覚ではなかったようです。
「枯れ葉」ではヒロインが病院に犬を連れていってたのですが、ひょっとしたらいいのかもしれませんね。

キノ・ライカの「ライカ」はスプートニク号に乗せられたライカ犬からとったカウリスマキの二匹の愛犬の名前でもあります。
カウリスマキはライカ犬に強い思い入れがあるんです。
カルッキラは「枯れ葉」のロケ地でもあるんですって。
次回に行ってみましょうか。


ここが入り口みたいです。
カフェもあるので、映画を観なくてものんびりできそうです。


キノ・ライカの共同経営者で作家・詩人でもあるミカ・ラッティ。
キノ・ライカに行くと彼がいるみたいですよ。

Kino Laika のHP (右上の日本語を押すと、日本語になります)

長岡弘樹 『新・教場2』2025/09/14

アラ、「教場」映画プロジェクト原作だそうです。
そのためかとても読みやすくて、すぐに読み終わってしまいました。


警察学校の教官の風間公親は第九十五期初任科短期過程の担任だ。
昨日、入校式も終わり、本格的にスタートした時に、風間は四方田校長に呼び出される。
風間が刑事指導官をしている時に彼を襲い、右目を負傷させた十崎波瑠が「風間道場」門下生により逮捕されたが、その門下生を月に一名ぐらいのペースで、半年間で六名を呼び、特別講師をしてもらってはどうかと言うのだ。
その時に風間と一緒に担当した事件のエピソードなどとともに十崎波瑠逮捕の話をしてもらいたいらしい。
風間は承知する。

全部で六話の短編集です。
章ごとに二人の学生にまつわる話と門下生による特別講習の話があり、最後に風間に不正などを見抜かれた学生が一人ずつ退校していきます。
警察学校は普通の学校とは違い、競争意識が強く、隙あらばライバルたちを蹴落としてやろうという人が多いんですかね。
それとも話を面白くするために、そうしているのですか。
風間は人を見抜く天才です。
彼がいなかったら、とんでもない人が警察官になってしまいますねww。

映画前提というのがなんとも言えませんが、それなりに面白いです。
ドラマを見ていないので、私の中の風間はあくまでもキムタクではないです。
そうそう、だんだんと風間が丸くなっていくようで、それが残念です。
初期の頃の風間は怖いけど、私は好きでした。

<教場の順番>
①『教場
②『教場2』
③『教場0』
④『風間教場
⑥『新・教場
⑦『新・教場2』(本書)


<今日のわんこ>


用事を終えたママが見えて嬉しそうなわんこたち。
この後、ママがカメラを向けているとわかった兄はすかざず横を向いてしまいました。