山本幸久 『花屋さんが夢見ることには』 ― 2026/04/17

今年もなんじゃもんじゃ(ヒトツバタゴ)の白い花が咲きました。
二日前に前を通った時は咲いていなかったのですが、気温が高かったので、一斉に花が開いたのでしょうね。

不思議な形の花ですねぇ。

紫陽花がもう咲いたかと思ったら、花の形が違います。
googleレンズによるとレンプクソウ科ガマズミ属の「ハクサンボク(白山木)」と言うらしいです。
道端に咲いている花も興味を持ってみると、色々な種類があるものですね。
『花屋さんが言うことには』の続編。

深作ミドリは美術大学油絵学科の四年生。
大学で自分より才能のある人がたくさんいることを知り、自分の才能に見切りをつけ、一般企業に就職することにした。
うまく希望の画材メーカーから内定をもらい、卒業制作も描き終わり、後は卒業を待つばかりだった。
しかし、世の中はうまくは行かない。
会社が倒産したのだ。
ミドリは「川原崎花店」で引き続きバイトを続けながら、就職口を探すことにする。
「川原崎花店」には様々な人々が来る。
アイドルの夢破れ、親から花店のバイトをするように強いられた雷響、フリーのグラフィックデザイナーだけでは十分な金銭が得られず花店のアルバイトを続ける紀久子、元高校の国語教師で花店でバイトをする光代、女子高校野球で全国優勝を目指す千尋、アナウンサーの夢をあきらめ食品会社に勤めていたが、義母が亡くなり書店を継いだ叶恵、札幌でアナウンサーになったが、理想と現実のギャップに悩む貝塚、近所のイタリアンレストランの新米料理人の三条…。
それぞれにそれぞれの事情がある。
ミドリは彼らの秘められた過去や将来の夢を知ることで、自分が本当にやりたいことを見つめなおしていく。
花店が舞台のお話なので、出てくるお花たちがどんなものか調べたくなります。
ミドリが卒業制作で描いた<ちょんまげ市助>なんてどんな花か気になり、調べてみると、なかなか面白い形の花で、描きたくなる気持ちがわかります。
聞いたことや見たことのない花が沢山でてきて、嬉しくなります。ついでに花言葉や俳句なども覚えられます。
誰かにお花を贈る時に、花言葉を参考にするといいかもしれませんね。
ただし、相手が花言葉に興味がなければ、何にもなりませんがねw。
ミドリがサン・ジョルディの日のフラワーボックスのために模写した絵を探してみました。

ペーテル・パウル・ルーベンスの「聖ジョージとドラゴン」

ブリトン・リヴィエールの「ジョージとドラゴン」
同じ題材を扱ったのに、描き方が違うというのが興味深いですね。
本の中のいい言葉を紹介しましょう。(二ヵ所語尾を変えてあります)
「人生、夢を諦めたときからが正念場だ。追いかけているうちは必死で頑張ることができる。でも夢を諦めてべつのことをするとなるとやる気がでなくて頑張れない。これがマズい。こういうときこそ、夢を追いかけていたときよりも頑張らなきゃ、何事もうまくいかない、まずはそれを肝に銘じなさい」
ちょっと厚い本(320ページ)ですが、後味のいい、ほんわかしたいいお話です。
山本さんは三作目は書けるかどうかさだかではないと言っていますが、いえいえ、書けるでしょう。
次は誰が主人公になるのか楽しみにしていますよ。
最近のコメント