岩井圭也 『横浜ネイバーズ』&『飛べない雛 横浜ネイバーズ2』 ― 2025/04/14
暑くなったり、寒くなったりの季節の変わり目で、痛めた腰や膝が痛くなります。
暑いのは嫌ですが、最低気温が20℃ぐらいの気候になってもらいたいものです。

ソメイヨシノが終わると、八重桜が咲きます。この桜の名前が書いてあったのですが、忘れてしまいましたw。
ツツジが咲き始め、ママは再度わんこたちの写真を撮ろうと計画していますが、どうなることやら。
岩井圭也さんの本が面白かったので読んでみようと思い、シリーズ物を選んでみました。
「横浜ネイバーズ」シリーズで、お話の舞台が横浜中華街です。
中華街にある善隣門は「親仁善隣」という「周囲の国や人と仲良くする」という意味が込められているそうです。
こシリーズの表紙、好きです。

小柳龍一、通称ロンは、「翠玉楼」という四川料理の名店のオーナーである祖父、良三郎と店の二階に住んでいる。いずれはこの店を継ぐつもりであったが、良三郎は来月いっぱいで店を閉店させると言う。
二十歳になったのだが仕事に就かずに、週三日のアルバイトをしながらフラフラしているので、毎日良三郎にどやされている。
いつも食事をするのは、保育園からの付き合いの趙松雄(ジャオ・ソンシオン)ことマツの両親が経営している「洋洋飯店」だ。
マツは柔術をやりながらたまにジムのインストラクターとして働き、残りの余暇はギャンブルとゲームに費やしている。
もうひとり、保育園からの幼馴染みに、ヒナこと菊地妃奈子がいる。
ヒナは高校一年の夏以降自宅に引きこもり、自宅から一歩も出ることなく、生活している。ロンとはウェブ会議ツールで定期的に話をしている。
他に地元の先輩で警察の知り合いもいる。欽ちゃんこと岩清水欽太で、神奈川県警刑事部捜索一課に所属している。ロンとマツにとっては兄同然の間柄だ。
「1.墜落少女」
三年前、ロンたちが高校二年の時に起こった「山手心中事件」を解決したことから、ロンはこう言われることが嫌だったが、<山下町の名探偵>と言われている。
ある日、ロンは高校の同級生で、ヒップホップクルー「グッド・ネイバーズ」のラッパー<凪>として活躍している山県あずさから呼び出される。
凪の三歳下の妹のかすみがヨコ西の雑居ビルから飛び降りて、亡くなったそうだ。
警察は自殺と見なしているが、死んだ理由が知りたいので、かすみが死ぬ前に一緒にいた男を探してほしいと言うのだ。
ロンはヒナにSNS経由でその男に関する情報を集めてもらう。
実はヒナは自称「SNS多重人格」。というのもツイッターで十三、インスタグラムで五、ティックトックで二のアカウントを持っていて、アカウントの数だけ人格を持っているのだ。
調べていくと、男は「ヨコ西の管理人」と呼ばれているようだ。
「2.課金にいたる病」
十一月の昼下がり、ロンは普段はデザイン事務所で働いている凪に呼び出され、伊能優理香というグラフィックデザイナーを紹介される。
優理香の生命保険会社に勤める夫の友田克志が七百万もの借金をしているらしく、浮気をしている可能性があるので、突き止めてもらいたいというのだ。
克志がツイッターをしているので、ロンはヒナにアカウントを調べてもらい、自分は克志の尾行を始める。
克志はソーシャルゲームに熱中していた。
「3.ベアードマンの亡霊」
春節が近づいた頃にマツから緊急の電話が来る。この一、二か月、髭の男を描いた正方形のステッカーが中華街の至る場所に貼られていた。マツはそのステッカー貼りの犯人にされたのだ。急いで交番に行くと、商店主たちがいて、ロンにマツが犯人じゃないと証明したいなら、犯人を捕まえてくれと言う。
ロンは欽ちゃんや知り合いたちに協力を求め、犯人を探し始める。
「4.デッドエンド・キッズ」
宮本が特殊詐欺に引っかかり、四百万取られたという。
ロンは良三郎から犯人を捕まえるように命じられる。
欽ちゃんから特殊詐欺の講義を受け、手を引くように言われたが、ロンは友人関係のツテを辿り、詐欺グループを探すことにする。
このシリーズで扱うのは、現代社会の闇です。
キーワードは「未成年買春、P活、市販の咳止めの濫用、薬物依存、ソーシャルゲーム、バーチャルYouTuber、スパチャ、ヘイトクライム、爆弾テロ、特殊詐欺、裏バイト」などです。
「池袋ウエストゲートパーク」と同じようなものかなと思いながら読み進めます。

『飛べない雛 横浜ネイバーズ 2』
「1.そして、女神は消えた」
五月下旬の平日、ヒナに相談に乗ってほしいことがあると呼び出される。
ヒナがファンの美容系インフルエンサー、”えぐちよ”が失踪したらしいので、彼女の居場所を探し出してほしいと言うのだ。
ロンは”えぐちよ”を知っている美容師や雑貨店のスタッフ、バーの店主、美容系インフルエンサーなどとヒアリングしていく。
「2.飛べない雛」
<菊地妃奈子は犯罪者である>という一文がツイッターに投稿され、ロンは凪からその投稿のことを知らされる。
ロンがあらゆる手段でヒナに連絡するが、ヒナから返事は来ない。
ロンとマツ、凪の三人はヒナに会いに行くが、ヒナとは会えず、彼女の母親から間を取り持つことを拒否される。
ロンはツイッターの投稿に反応していた、ヒナの高校時代の同級生らしきアカウントにDMを送り、会って話を聞くと、とんでもないことがわかる。
クラス担任の比良石とヒナが二度横浜駅周辺で会っていたことが原因となり、SNS上でヒナへの誹謗中傷が起こったというのだ。
欽ちゃんから役立つ情報が得られる。
果たしてロンたちはヒナを助けることができるのか。
「3.チートな俺」
友達からQRコードの上に別のQRコードを貼り付け、売上横取りをする方法を教えられ、早速バイトのスーパーマーケットでやってみると、上手くいった。
一ヶ月後にばれないように剥がしておいた。
社員に気づかれたようなので、たまたま入った中華街の「洋洋飯店」という店でやってみた。
すると・・・。
「4.マザーズ・ランド」
ミスティ法律事務所の大月薫のところに神奈川県警捜索一課の岩清水欽太がやって来る。大月が関係している地面師事件で主要な役割を演じた仲介業者の女性が、ある死亡事件に関わっている可能性があるので、大月が顧問している会社が地面師に狙われそうになったら、いち早く知らせてほしいと協力を要請された。
欽太は不幸の根源を見捨てておけないからと、ロンにも力を貸してくれと頼む。
ロンはヒナやマツに相談せずに、ひとりで両親の過去と向き合うことを決意する。
今回のキーワードは、「インフルエンサー、ルッキズム、インスタグラム、ツイッター、QRコード詐欺(クイッシング)、地面師詐欺」などです。
2章ではヒナの秘密が暴かれ、4章ではロンの両親の過去が明かされています。
ロンの家族と中華街のために奮闘する欽ちゃんは格好いいですね。
このシリーズの一巻目でシリーズの主要な人物たちを登場させ、二巻目からそれぞれの人物たちに関係する事件とリアルに起こりそうな事件の両方を描いていくようです。
どの登場人物たちも心に傷を負っています。そのためか互いに思い合う気持ちが強いようです。
ロンはこれから中華街のトラブルシューターを目指していくようです。
取り上げている事件は残酷なものもあるのですが、軽さが岩井さんの持ち味なのでしょうか。それほどずっしりと胸にこたえませんでした。
二巻目から「池袋ウエストゲートパーク」と違う個性を出してきました。
三巻目が楽しみです。
ジジ・バンディアン 『読書会は危険?』 ― 2025/04/13
『壁から死体?』に続く、<秘密の階段建築社>の事件簿シリーズの二作目。

テンペストがラスヴェガスの花形イリュージョニストから転職して仕事を始めた<秘密の階段建築社>が最近、手がけたのは、ラヴィニア・キングズリーの自宅の一部、<ラヴィニアの隠れ家>の改築だった。
ラヴィニアは町で人気のカフェ<ヴェジー・マジック>の経営者で、浮気をした夫、コービン・コルトを家から叩き出し、元夫が執筆用オフィスにしていた地下室をブッククラブのミーティングスペースとホームオフィスと読書コーナーを合わせた空間に改装した。
テンペストの友人でイリュージョニストであるサンジャイがラヴィニアのリフォーム完成お披露目会でパフォーマンスをすることになる。
よりにもよって、サンジャイ曰く、コービンの魂を家から追い出すための「インチキ降霊会」をだ。
テンペストはサンジャイから協力を頼まれる。
降霊会には八人が参加した。
降霊会の最中、点滅を繰り返しているかすかな赤い光が止まり、真っ暗になった時、手をつないだ八名が囲むテーブルの中央に、胸にナイフが突き刺さっているコービン・コルトの死体が現れる。
コービン殺害には「四つの不可能の要素」があった。
テンペストはサンジャイと共にどんなトリックを使えば可能になるかを考えるが、祖父のアッシュが逮捕されてしまう。
テンペストは謎を解き、アッシュを救うことができるのか。
コービンが残した手稿から、テンペストはおばの殺人事件と母親の失踪事件の解決と「ラージ家の呪い」の解明に一歩近づいたようです。
彼女の引退公演はいつになるんでしょうね。楽しみです。
本の最後にアッシュにおじいちゃんのレシピが載っています。
アッシュはインド系アメリカ人なので、ターメリックやコリアンダー、カルダモンなどの香辛料を使っていますので、カレー好きの日本人には食べやすいかもしれません。是非お試しを。(私は作らないので、作った方のご一報が欲しいですww)
前回にも登場していた島田荘司の『占星術殺人事件』の他に横溝正史の『八つ墓村』が紹介されています。
横溝正史は海外でも有名なのでしょうか。
彼の書く、日本の地方の村特有のおどろおどろしさが海外の人に伝わるのかしら。
三作目は『A Midnight Puzzle』。
<秘密の階段建築社>にブービートラップがかけられるようです。
テンペストたちはその罠から逃れられるのでしょうか。
桜木紫乃 『人生劇場』 ― 2025/04/11

猛夫は昭和十三年に室蘭の蒲鉾職人の新川彦太郎とタミ夫婦の四人兄弟の次男として生まれた。
タミは長男の一郎だけを可愛がり、猛夫たちが一郎に苛められていると言っても信じず、告げ口すると反対に叱りつけた。
どこにも行き場のない猛夫の唯一の居場所は、タミの十五も年の離れた姉、カツのところだ。
カツは幕西の置屋にいたのを夫に身請けしてもらい、商才があったようで、夫の魚屋から駅前食堂へと商売の幅を広げ、松乃家旅館の女将にまでなった。
妹が生まれてから、猛夫はカツの元で暮らすようになる。
カツは猛夫を養子に欲しかったが、タミは許さなかった。
中学校卒業後、カツは高校進学を進めたが、猛夫は理容師になるために札幌に出る。しかし、馴染めず、挫折して室蘭に戻る。
昭和三十年の春、新川一家は長男の一郎が作った借金のため夜逃げする。
一郎は一人で行方をくらまし、猛夫は何も知らされず、置いてきぼりだった。
病気のカツのために、立ち直った猛夫は旅館の近所にある、猛夫が理容師になろうと思うきっかけになった藤堂の理髪店で床屋の修行を始める。
二十歳になる年の春、猛夫は理容学校の通信教育を終える。
あとは国家試験に受かるばかりというときに、カツが亡くなる。
釧路にいた兄の一郎が交通事故で死んだという知らせが来る。
藤堂に諭され、猛夫は釧路に行く。
猛夫は父の彦太郎が言ったことに驚く。
「お前は今日から、新川家の長男だから…」
一郎の借金と一家の出奔ゆえに室蘭で店を持てない猛夫は、釧路にある藤堂の兄弟弟子の島原の店で国家試験に合格し、独立するまで世話になる。
店を持つと同時に国家試験の同期会で知り合った杉山里美と結婚する。
理容師として独立して子が出来ても、猛夫は落ち着かず、金を散財し、気にくわなけりゃ里見を殴る。
八方ふさがりの人生。
生きる拠り所は、カツの旅館で働いていた駒子だけ。
その先にあるのは何なのか…。
猛夫のモデルが桜木さんの実父だそうです。
自分の父親をよくこれほど客観して書けましたね。あっぱれです。
人間は親に愛されなくても、他に愛してくれる人がいればどうにかなると思いたいのですが、猛夫は最後まで駄目でしたね。
カツや駒子の愛情は無駄だったのでしょうか。
女たちに甘えるばかりで、カツが亡くなってからの猛夫は本性が出てしまったのでしょうか。里見に対するDVには驚きました。
まあ、最後の最後には落ち着いたようですが、里見はよく辛抱しましたね。
今なら手に職を持っているのですから、猛夫はすぐに捨てられたでしょう。
昭和では離婚は滅多にできませんものね。
昭和って男が好き勝手をやり、女は耐えるという時代だったのでしょうか。
自分の両親はどうだったのか、思い返してみますが、そういうところがあったかどうか、覚えていません(恥)。
とにかく里美と結婚してからの猛夫には呆れるばかりで、同情も共感も何もできません。
こういう人もいるんだろうなぁと達観視するしかないですね。
里見は生身の女で、カツと駒子は菩薩です。
いかにもずっと待っていた桜木姐さんの作品という感じです。
一人の馬鹿な男の人生航路を楽しんで下さい。
柚月裕子 『逃亡者は北へ向かう』 ― 2025/04/10

2011年3月の大震災直後に、二十二歳の真柴亮は一般人の男性と警察官を殺害して逃亡している。
彼の人生は不幸の連続だった。
彼が生まれた日、父親の日沼はひき逃げ事件を起こし、その後に両親は離婚。
母親の実家に身を寄せるが、母親と祖父が亡くなり、児童養護施設に引き取られ、そこを出たあとは親しくする者もなく、町工場で働いていた。
彼は北へ向かう。
さつき東署の刑事、陣内康介は津波で娘が行方不明になるが、娘の捜索よりも職務を優先せざるを得ない。
真柴を直接取り調べた陣内は、真柴を追うことになる。
真柴はどこに行こうとしているのか…。
柚月さんは東日本大震災で家族を亡くしているそうです。
その経験をもとに書かれた描写は真に迫るものです。
読んでいると辛くなります。
真柴のような人がいないことを願いますが、ちょっとした選択の違いで、人生を踏み外してしまうことはありそうです。
彼と行動を共にした直人君は真柴の何に引かれたのでしょうか。
彼の人生が幸せなものであることを願います。
最後はそれしかないことはわかりますが、切ないです。
震災を風化させないためにも読んでもらいたい小説です。
<今週のおやつ>
久しぶりに頼んだお届けものです。物価が高くなり、贅沢ができなくなっていますが、たまにはいいですよねw。

前にも頼んだことのあるMaison KEIのビスキュイブルトンです。
大切に味わって食べますわ。
ローラ・チャイルズ 『ハニー・ティーと沈黙の正体』 ― 2025/04/09
「お茶と探偵」シリーズの26冊目。

インディゴ・ティーショップのセオドシアとドレイトン、ヘイリーの三人は新しく整備されたペティグルー公園で行われる「蜜蜂のお茶会」のケータリングをしていた。
お茶会はイマーゴ・ギャラリーのあらたな始まりを祝い、芸術愛好家やアーティストをもてなし、ビジネスチャンスを掴もうとするギャラリーのオーナー、ホリー・バーンズのためのものだった。
それなのに選挙の時期ということで、招待されていないオズグッド・クラクストン三世が長々とみずからの輝かしい業績と州議会の議席を自分にあたえるべき理由を語っていた。
セオドシアは演説を続けようとする彼を止め、お茶会を始めた。
ふた品めを出そうとした時に突然、防護服姿の養蜂家が現れた。
お客はイベントの一部だと勘違いし喜んだが、養蜂家はクラストンに近づき、燻煙器を彼の顔に向け、乳白色の蒸気を噴射させた。
それはただの煙ではなかった。
会場は混乱し、お客はパニックになる。
そこに一発の銃声が響き渡る。
気づくと、クラストンが養蜂家の足元に倒れていた。
養蜂家は満足そうにクラストンを見てから、全速力で走り出した。
危険をかえりみずセオドシアは彼を追いかけたが、のがしてしまう。
その翌日、ホリーとホリーのビジネス・パートナーのジェレミーがティーショップに現れる。
昨日の殺人事件の連帯責任を負わされ、契約を交わした画家の何人かが手を引くと言ってきた上に、大口顧客のうちの三人が注文をキャンセルし、全額返金を要求してきたという。
イマーゴ・ギャラリーはこのままでいくと立ち行かなくなる。
困ったホリーたちは「ご近所探偵」のセオドシアにオズグッド・クラクストンを殺した犯人を突き止めて欲しいと頼みに来たのだ。
チャールストン警察殺人課のティドウェル刑事からも、恋人のライリー刑事からもかかわるなと言われていたので躊躇するセオドシアだったが、好奇心と冒険心に負け、調べてみることにする。
「ご近所探偵」と言われていい気になり、セオドシアはまた殺人事件に手を出してしまいます。
もう誰にも彼女を止められません。殺人事件を調べると聞き、本来なら止めなきゃいけないティー・ブレンダーのドレイトンもシェフ兼パティシエのヘイリーも一緒になってウキウキしているんですもの。
ドレイトン、お年なのに大丈夫?
殺人事件を解決することは麻薬みたいなものなんですかねww。
さて、お茶会ですが、ドレイトンは「キツネと猟犬のお茶会」とか「秘密の花園のお茶会」を考えつきます。次回に開催されるでしょうかね。
今回は「たのしい川べのお茶会」を御紹介しましょう。
『たのしい川べ』はケネス・グレーアムが書き、E.H.シャパードがイラストを描いた、川辺に住む動物たちの日常生活を描いた児童書です。

岩波書店の岩波少年文庫から出版されています。
セオドシアが考えたお茶会のテーブルの飾り付けは、緑色のドライモスを敷き、黄色いラッパズイセンをクリスタルの花瓶にいけ、『たのしい川べ』の絵本を何冊か置き、動物のぬいぐるみをずらりと並べるというものです。
お皿は『たのしい川べ』の世界を描いたロイヤル・アルバートのもの。
最初のひと品は、あなぐまのバジャーの大好物のクランペットにクロテッド・クリームとエルダーベリーのジャム添え。
ふた品めは、ひきがえるのトード特製、イギリスのマヨネーズを使った燻製マスのティーサンドイッチ。
メインはもぐらのモールのチェダーチーズとソーセージのスコッチエッグ、つけ合わせとして緑の葉物野菜を柑橘ドレッシングで和えたサラダ。
デザートは、川ねずみのラッティーのジンジャービールのカップケーキ。
お茶はたのしい川べと名づけた特製オリジナルブレンドで、紅茶に細かく砕いた桃、リンゴ、ヒマワリの種を混ぜたものです。
ジンジャービールはショウガを発酵させて作るジュースで通常はノンアルコールだそうです。美味しいのかしら?
一度でいいから本格的なお茶会に参加したいのですが、お茶会なんてどこでやっているのでしょうね。
自分で考えてやってみましょうか。
そのうちに何がいいか、考えてみますわ(たぶん)。
女性が活躍する日本のミステリ(文庫本) ― 2025/04/08

田村和大 『罪と眠る ヤメ検弁護士・一坊陽子』
十二年前に検察官を辞め、故郷の福岡で弁護士になり、法律事務所を開いた一坊陽子のところに、司法研修所で同期だった桐生弁護士がアポイントもとらずにやって来る。
桐生は二つの事件を依頼する。一つは、十七歳の少女が父親を刺し殺したという殺人被疑事件の共同弁護。
もう一つは桐生が依頼人である懲戒請求事件の代理人。
まったく知らない相手から懲戒請求され、その理由に<桐生晴仁が佐灯昇を殺した>と書いてあったというのだ。
懲戒請求がどうなるのかわからないので、少女の件は共同弁護してほしいという。
なんで私を選んだのかと思うが、陽子は引き受けることにする。
二つの事件を調べていくと、思わぬ事実が・・・。
桐生にちょっと気がある陽子ですが、とんでもないだめんずを飼っていますww。
弁護士というのは気の張る仕事ですから、癒しが欲しくなるのもわかりますけど、それにしてもねぇ…。
とにかく予想のつかない最後のオチでした。
山邑圭 『刑事に向かない女 再会』
荻窪東署から警視庁捜査一課に出向している椎名真帆のストレスは益々増加の一途を辿っていた。というのも、デカは十分足りてるから面倒が見切れないと、一課専属の広報担当にさせられ、雑務処理の仕事ばかりしているのだ。
そんな時に、昨秋からアメリカのワシントンD.C.に出向していたキャリアの有沢香織警部が帰国し、日米合同航空祭に出席する駐米公使の工藤秋馬の身辺警護を頼まれる。工藤に殺害予告がきており、彼は次期都知事選に出馬予定で、航空祭後に出身地の北海道千歳市に寄ってからアメリカに帰るという。
一方、以前椎名とコンビを組んだ大森湾岸署の刑事、村田龍彦は荻窪東署の新堂班長から一年前の交通事故の再捜査を頼まれる。
一見関係のなさそうな二つの任務だったが…。
題名が「刑事に向かない」とはいえ、椎名真帆は刑事に向いています。
椎名真帆も有沢香織も格好のいい女性刑事です。
椎名は警視庁捜査一課で腐っているよりも、荻窪東署に戻って働いてくれる方が人のためになっていいですよね。
一課で頑張り、一課の奴らの鼻を明かすってのも読みたいですが、早く荻窪東署に戻り、活躍するのを楽しみにしています。
シリーズ物なので、順番を載せておきます。
①『刑事に向かない女』
④『刑事に向かない女 再会』(本書)
二冊ともに面白かったです。お暇な時に手に取ってみて下さい。
「マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド」を観る ― 2025/04/07
原題は「La Nouvelle femme(新しい女性)」。日本の題名と全く違いますね。
私は大学の教職課程でモンテッソーリ教育を学びましたが、今もそうでしょうか。
なんとなくですが、名前だけを覚えています。
本当はどういうものかを知らなければならないでしょうけどね(恥)。
映画を見て、障がい児教育から始まったということがわかりました。
マリア・モンテッソーリは1870年にイタリアのマルケ州で生まれました。
映画によると厳格な父親で、母親が大学で学びたいというのを許さず、マリアが大学に行くことにも反対したのですが、母親が頑張り、娘をローマ大学へ行かせたようです。
1896年にマリアはイタリア女性として初めて医学博士号を取得しました。
しかし、博士号を取っても、なかなか職は見つからず、やっとローマ大学付属の精神病院で職を得ました。
この頃、知的障がいのある子どもたちは精神病院に入れられていたようです。
マリアは知的障がいのある子どもたちに興味を持ち、彼らに合った治療は何かを探り、試みていきます。

1900年、マリアは教育施設でパートナーのジュゼッペ・モンテサーノと共に障がいのある子どもたちに作業療法を行う研究をしている。
マリアは障がいを持った子どもたちのために全力を尽くしているが、教育の功績はすべて男であるジュゼッペのものとなっている。
ジュゼッペは有給なのにマリアは無給で働いている。
マリアは両親と暮らしている。
二人はマリアの意向で結婚をしていないが、息子が一人いる。
未婚なので、いっしょに暮らせず、田舎に預けているので、たまにしか会えない。
マリアは息子といっしょに暮らしたい。
しかし、いっしょに暮らすには結婚するしかないが、マリアは親の結婚生活を見ているので、結婚はしたくない。
それならマリアが息子を引き取るかと言われると、息子と二人で暮らすためのお金がない。
ジュゼッペは息子を認知し引き取ったら、マリアとは会わせないと言う。
自分の子は他人に預け、他人の子のために尽くすマリア。
ある日、高級娼婦のリリがマリアのもとにやって来る。
彼女には障がいのある娘、ティナがいたが、娘の存在を隠していた。
リリはティナに障がいがあるとわかった時に離婚させられた。
別の女性と結婚した元夫がやって来て、ティナを置いていった。
彼女が暮らしているパリで娘の存在を知られないようにと、ローマに来たのだ。
リリはティナを姪だと偽り、預かって欲しいとマリアに頼む。
空きがないので、空きができるまで通ってくるようにとマリアは答える。
最初は協力的ではなかったリリだったが、マリアのところに通ううちにティナがぐんぐんとたくましく成長していくのを見て、リリ自身も変わっていく。
マリアに息子がいて、いっしょに暮らしたいと思っていることを知り、マリアに社交界のお金持ちの女性たちを紹介していく。
ジュゼッペは母親の意向を受け、マリアを捨て、他の女性と結婚する。
ショックで倒れたマリアだったが、リリたち女性の助けにより、1907年に「子どもの家」を開設する。
マリア・モンテッソーリがどんな女性だったのか知らなかったので、映画を見てよかったと思います。
フェミニズムの最先端をいく女性だったのですね。
だから「La Nouvelle femme」。
男性の趣味が悪かったですねww。
映画としてみると、ちょっと半端な感じがしますが、マリア・モンテッソーリの人となりを知り、モンテッソーリ教育のなんたるかを学ぶ取っ掛かりになるよい映画だと思います。
中脇初枝 『天までのぼれ』 ― 2025/04/05
ママとわんこたちと、パパママとわんこたちでお散歩する時は道が違います。
今日はみんなでお散歩。
桜をわざわざ見に行かなくても、満開の桜が見られました。

桜でも一本の木に赤白二色のものがあります。

「源平咲き」というそうです。
椿も赤白二色の「源平咲き」がありました。

もとは赤色で遺伝子の突然変異で白い花が咲くようになったそうです。

自然って不思議ですね。

「ママ、知らなかったの?」
日本で最初に婦人参政権を要求した民権運動家の楠瀬喜多のお話です。

天保7年(1836年)、喜多は米穀商を営む西村屋の父、儀平と母、もとの長女として生まれる。
背がのびず、歩くのも人より遅く、一度に二つのことができない質だった。
六つの時に八つと歳を偽り、小僧の吉乃丞といっしょに手習いを始める。
そこで一生の友である、山内家家臣徒士、池添吉右衛門の娘、あやめと出会う。
喜多は読み書きや算術、縫い物などが得意だった。
だが弟が生まれたので、手習いはやめ、琴や三弦を習いに行くが全く才能がなかったので、再度、手習いに行くことにする。
そこで猪之助と男衆の實と出会う。
猪之助は家禄が二百七十石の士格である馬廻の乾家の惣領であったが、身分を偽って喜多が学ぶ手習い塾にやって来た。
猪之助は字を書いたり読んだりが苦手なのを隠していた。
しかし、人が読んだのを覚え、すらすら言うことができたので、誰も気づいていなかった。
聡い喜多はそれを見抜いていた。
喜多は實から頼まれ、猪之助に字を教えることになる。
喜多は男子のように四書五経を学びたかったが、おなごであるので、劉向列女傳を学ぶように言われる。
喜多の気持ちを知った實は論語を喜多に貸してくれた。
劉向列女傳を読んだ喜多は論語との違いに驚く。
やがて喜多の親が猪之助の素性を知ることとなり、猪乃助は手習い塾を去る。
猪之助を見かけなくなってから一年以上経ったときに、喜多は土俵にいる猪之助を見かける。
その時に實に話しかけられ、借りていた論語を返す。
すると、實はまた猪之助に手習いを教えて欲しいと頼む。
喜多は月に一回、十日に要法寺でいっしょに手習いをすることにする。
あやめは美貌で有名で、十九になり、御用人の山崎の惣領、厳太郎に嫁ぐことになる。
山崎家は厳格な家だったため、あやめは自由に家の外へは出られず、嫁入りの日から、二人は会うことはなかった。
喜多ははなび(生理)がないため、嫁にいけずにいた。
猪之助は喜多に嫁にきてくれと言うが、喜多は自分は石女だからと断る。
母のもとは喜多が望めばどこへでも嫁がせたいと思っていた。
寅の大変(1854年の安政南海地震)が起こる。
喜多は家族とはぐれるが、實と遭遇し、助けられる。
この時、喜多は實に対する自分の気持ちを知る。
猪之助は免奉行加役になり退助正躬という名を名乗り、祝言を挙げたので、喜多をめかけとして欲しいと言ってくる。
喜多の気持ちを知る母のもとは自分の寿命が短いことを悟り、實に喜多のことを頼む。
喜多と實のことを知った退助は、喜多に幸せになってほしい、實には親以上の恩があると言い、身を引く。
1854年に結婚してからも實は退助に付いていき、喜多と過ごす時は少なかった。
1874年に實が亡くなり、喜多は西村屋の戸主になる。
戸主であるからと高知県区会議員選挙に行くが、おなごは選挙人になれないと言われ、投票できなかった。
納得できない喜多は税金を納めるのを止め、県庁に抗議文を送る。
それ以来喜多は立志社の政談演説をかかさず聞きに行き、自由民権家と交流し、彼らの世話をするようになる。
出家した喜多は売り飛ばされそうな娘を買って、女子師範学校に通わせたり、家や土地を売り、貧しくて学校に行けない子どもの授業料を肩代わりしたり、育院を作ったりした。
本の中の喜多の言葉。
「わたしは自分で仕合わせになるき」
「思う人ひとりを思いきれんで、天下国家の何がわかるいうがでしょう」
「ほんまの権利いうものは、その人がその人らしゅうに生きることができる、いうことでしょう」
「世界はどこかにあるのではなくて、自分のいるところから広がっていくのが世界だ」
本を図書館に返してしまいメモを見て書いたので、間違った記述があったら、すべて私の間違いです。
400ページ以上もある大作で、中ごろまで面白く読んでいたのですが、實が亡くなってからの後半が私には読みずらかったです。
NHKの朝ドラに”民権ばあさん”として出てきたらしいのですが、ドラマは見ていないので知りませんでした。
高知は、様々な偉人を生み出した土地なのですね。
喜多が生きていた時代をちゃんと学ばなければと思いました。
板垣退助は自由民権運動の人としてしか認識していなくて、自由民権運動がどんな思想をもとにしているのかも知りませんでした。
退助はいい人だったようですが、それでも子を産めない喜多といっしょになるために、子を作るために他の女性と結婚し、喜多を妾に欲しいなんてねぇ…。
この頃はそういうものだと言われても、納得できません。
この本を読んで、伊藤博文のことがますます嫌いになりましたww。
政治的駆け引きなんでしょが、やり方が汚いです。
女性に対してもひどい奴だったようですし。
喜多の実家の商売は車力の人夫頭だったという説もあるようです。
退助と手習い塾で出会ったこと、退助が読み書きできず、他の者に手紙を書かせていたこと、夫の實が退助の男衆だったことなどは本当のことなのでしょうか。それとも中脇さんの創造なのでしょうか。
ネットで調べてみてもわかりませんでした。
日本が近代国家に変わろうという時に、喜多のような女性がいたことに驚きました。
分厚くて手に取るのを躊躇してしまいそうな本ですが、女性問題に興味がある方は是非読んでみて下さい。
再度、桜を見に行く🌸 ― 2025/04/04
晴れたので、毎年行っている善福寺緑地に桜を見に行ってみました。

雨のため桜は散り始めているようです。

携帯のカメラではこれぐらいしか撮れません。

明日、別のところに犬連れで行こうかと思っていますが、どうでしょう。

ほどほどに見て戻ってきましたが、わんことお散歩に行った近くの公園の桜が満開でした。

兄をスリングに入れて、写真を撮ってみました。

相変わらず横を向いています。

なんとか前向きが撮れました。
でも、看板と手が写ってしまい、桜は何輪かしか写っていませんww。
どうやってもわんこと写真はうまくいかないようです。
井の頭恩賜公園の桜 ― 2025/04/03
雨が降っていましたが、外出したついでに井の頭恩賜公園に桜を見に行ってきました。
雨でも人が多いのは仕方がないですね。
外国の方も来ていました。

鴨が集まっていました。

雨でもスワンボートが沢山浮いています。

スワンボートは人気なんですね。

雨で桜が散っているようです。

桜でない花が満開でした。
ピンクのコブシです。
コブシはハクモクレンよりも花が小さいのですね。
何回調べても忘れてしまいますww。
明日は晴れるようなので、兄わんこを連れて花見に行って来ましょうか。
別に弟を連れて行ってもいいのですが、弟は知らない場所が苦手で、挙動不審になってしまうのです。

「ママ、失礼です。ぼくは兄よりもいい子で、写真を撮る時はお座りをするのに」
残念ながら、桜はお座りしたら写りませんねぇwww。
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