「海を飛ぶ夢」を観る ― 2008/09/02

「潜水服は蝶の夢を見る」は瞼以外は動かない「閉じ込め症候群」の男性の映画でしたが、「海を飛ぶ夢」は首の骨を折り、四肢麻痺になった男性の話です。
ラモンは19歳の時に船員になり世界の国々をまわっていました。
25歳の時に浜辺の女性に気を取られ、海にダイブしたのが運のつき。
ちょうど引き潮で、海底に頭を打ち付けてしまい、首の骨を折ってしまいます。
この時からベッドに寝たきりの生活を送ることになります。
事故から26年。兄の家族に面倒をみてもらいながら、ラモンは暮らしています。
家族はみな彼のことを大事にし、愛しています。
でも、ラモンは「生きることは権利なのに、私にとって生きることは義務だ」と感じており、尊厳死を望んでいます。
尊厳死を法的に支援する団体のジュネがラモンを助けることになり、弁護士のフリアを連れてラモンの家にやってきます。
フリアは2年前に不治の病、脳血管性痴呆症を宣告されていました。
ラモンとフリアは同じ悩みを持つものとして、いつしか愛し合うことになります。
二人はラモンの本が出版された時に、一緒に旅立とうと約束し合います。
ラモンのことがマスコミで取り上げられ、テレビを見たロサという女性がラモンに会いに来ました。
彼女はラモンが生きる力を与えてくれたと言い、彼に愛を告げ、彼の側にいたいと言います。
しかし、ラモンは本当に愛しているなら、愛している人の望みを尊重するはずだと言います。
フリアは彼との約束を破ってしまいます。
ラモンは思い直したロサの助けを借り、反対する家族を振りきって、自分の思いを全うするのでした。
尊厳死について考えると難しいものがあります。
個人の考えは尊重したいのだけれど、そこに「死」が介在すると、尊重すると言えなくなります。
ラモンの兄は息子ハビに言います。
死ぬと永遠にいなくなるんだと。
父は息子に先に死なれる悲しみを語ります。
兄嫁はラモンの意志を尊重していますが、でも彼に生きていて欲しいと望んでいます。
誰もが彼に生きていて欲しいと思っているのですが、ラモンは死にたいのです。
ラモンと同じ四肢麻痺の牧師とラモンの戦いは見物です。
牧師の言葉の空虚なこと。
兄嫁が「あなたはただやかましいだけ」というセリフには笑ってしまいました。
ロサは押しつけがましくて私は嫌いです。
自分がラモンの家族に受け入れられないことの当てつけに、ラモンの自死の助けをしたようにも思えます。
フリアの症状が進み、ジュネが見舞いに来たのに、彼女のこともラモンのこともわからないフリアには涙が出ました。
痴呆になることはひょっとして本人にとっては救いなのかもしれません。
見る人、一人一人が尊厳死について考えさせられる映画です。
ラモンは19歳の時に船員になり世界の国々をまわっていました。
25歳の時に浜辺の女性に気を取られ、海にダイブしたのが運のつき。
ちょうど引き潮で、海底に頭を打ち付けてしまい、首の骨を折ってしまいます。
この時からベッドに寝たきりの生活を送ることになります。
事故から26年。兄の家族に面倒をみてもらいながら、ラモンは暮らしています。
家族はみな彼のことを大事にし、愛しています。
でも、ラモンは「生きることは権利なのに、私にとって生きることは義務だ」と感じており、尊厳死を望んでいます。
尊厳死を法的に支援する団体のジュネがラモンを助けることになり、弁護士のフリアを連れてラモンの家にやってきます。
フリアは2年前に不治の病、脳血管性痴呆症を宣告されていました。
ラモンとフリアは同じ悩みを持つものとして、いつしか愛し合うことになります。
二人はラモンの本が出版された時に、一緒に旅立とうと約束し合います。
ラモンのことがマスコミで取り上げられ、テレビを見たロサという女性がラモンに会いに来ました。
彼女はラモンが生きる力を与えてくれたと言い、彼に愛を告げ、彼の側にいたいと言います。
しかし、ラモンは本当に愛しているなら、愛している人の望みを尊重するはずだと言います。
フリアは彼との約束を破ってしまいます。
ラモンは思い直したロサの助けを借り、反対する家族を振りきって、自分の思いを全うするのでした。
尊厳死について考えると難しいものがあります。
個人の考えは尊重したいのだけれど、そこに「死」が介在すると、尊重すると言えなくなります。
ラモンの兄は息子ハビに言います。
死ぬと永遠にいなくなるんだと。
父は息子に先に死なれる悲しみを語ります。
兄嫁はラモンの意志を尊重していますが、でも彼に生きていて欲しいと望んでいます。
誰もが彼に生きていて欲しいと思っているのですが、ラモンは死にたいのです。
ラモンと同じ四肢麻痺の牧師とラモンの戦いは見物です。
牧師の言葉の空虚なこと。
兄嫁が「あなたはただやかましいだけ」というセリフには笑ってしまいました。
ロサは押しつけがましくて私は嫌いです。
自分がラモンの家族に受け入れられないことの当てつけに、ラモンの自死の助けをしたようにも思えます。
フリアの症状が進み、ジュネが見舞いに来たのに、彼女のこともラモンのこともわからないフリアには涙が出ました。
痴呆になることはひょっとして本人にとっては救いなのかもしれません。
見る人、一人一人が尊厳死について考えさせられる映画です。
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